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Nシステムとは?オービスとの違いや見分け方

Nシステムとは?

©Masaharu Shirosuna/stock.adobe.com

自動車のナンバーを読み取る装置の一種

Nシステムとは、自動車それぞれのナンバープレートの情報を読み取り、すでに手配されているナンバーと一致するかどうか確かめるために設置されている機械のことです。

正式には「自動車ナンバー自動読取装置」と言い、「Nシステム」は通称です(以降Nシステムと表記します)。頭文字のNは「Number(数字)」を意味しています。

Nシステムは担当する車線を通過する全ての自動車のナンバープレートを記録します。そして記録されたナンバープレートの情報を、警察が持つ手配車リストと自動的に照らし合わせる流れです。

手配リストに載っているナンバープレートが装着された自動車が検出されると、メーカー・車種・所有者等の詳細が、その自動車の現在位置と併せてパトカーをはじめとする警察の捜査車両へ伝えられます。地図上に表示するシステムへ即座に送信されます。

また、警察無線には手配中の車がNシステムによって検出されたとの情報が一斉に指令されますので、手配車両近辺を巡回中のパトカーや捜査車両がそれを受信後、通信指令室からの指示に従って該当手配車の追跡を開始・検挙するという流れです。

Nシステムとオービスは役割が異なる!

制限速度を大幅に超えて走行する自動車・バイクを取り締まる装置として速度違反自動取締装置、通称オービスが高速道路や幹線道路などに設置されています。

該当する車両が通過する際にパシャっと光って撮影するのですが(巷では「記念撮影」と呼ばれたりもします)、オービスを光らせると免許停止処分になるのが一般的です。

後日手紙が送られてきますので、速度と同時にナンバープレートの情報を読み取っていることがわかります。

©晋 宮本/stock.adobe.com

Nシステムはオービスと同じようにナンバープレートの情報を読み取りますが、速度取り締まりは行っていません。これらは似て非なるものと言えるでしょう。

しかし現在、ナンバープレートの読み込みと速度計測の両方を可能とするNHシステムが普及するのではとの意見が出ていますので、Nシステムとオービスの差別化がどのように進むのかは今後の注目点です。

Nシステムとオービスをどうやって見分ける?

青い看板の先にあるオービスがある

固定式オービスが設置されている場所には、必ず事前通知の看板が設置されています。青色の看板で、「自動速度取締機設置路線」と書かれているのが特徴です。この看板を見かけたら、先にオービスがあると理解しましょう。

ご丁寧に看板で事前通知しているので、たまたま法定速度よりも高い速度で運転していてもこれを見逃さなければ免停になる心配もありません。ただしそのためには、常日頃から周りを見て情報を入手しながら運転する集中力が求められます。

Nシステムの看板は無い

これに対してNシステムの存在を通知する看板は設置されていません。そもそも、至るところにNシステムが設置されていることを考えると、「普及」しているのでわざわざ周知する必要もないといったところでしょうか。

可搬式オービスは突然に

最近では可搬式(移動式)オービスがさらに猛威を奮っています。全国各地の警察官が速度取り締まりで使用している小型のオービスです。

「この先で可搬式オービスを使った取り締まりを行っています」のような看板が設置されていることは滅多にありませんし、筆者も目にしたことがありません。

上記で説明した固定式オービスの対策は通じませんが、経験と勘があれば、警察が取り締まりをしていそうな場所を予測できます。

オービスに気がついた対向車線のドライバーがパッシングで知らせてくれることもあります。いずれせによ、知らない土地や速度を出しやすい、広くて直線の長い道路などでは法定速度以下で車を走らせましょう。

ただし、移動式Nシステムというものはいまのところありません。

Nシステムは実際役に立っているの?

©PiyawatNandeenoparit/stock.adobe.com

このように便利なシステムですが、設置しているだけで実際に世のため人のためになっているのかどうか気になるところです。

車検切れの走行車両が交通事故を引き起こす前に突き止めて捕まえるという点は評価できますが、盗難車両の発見に役割を果たしているのかどうかという点と、常に自動車を監視するプライバシーの側面で懸念点があります。

車検切れで走行している車両の発見に貢献している

平成29年度から国土交通省は街頭検査に可搬式のNシステムの導入を試験的に始めました。

この試行運転では計3,696台の車両ナンバーを読み取り、その結果うち7台が車検切れであったことが判明。公道走行が法律(道路運送車両法)で禁止されている車検切れ自動車を効率的に突き止める手段として期待が高まったと想像するのは容易いでしょう。

平成30年9月から平成31年3月の期間には全国35都道府県にて街頭検査が実施されました。43箇所で46回行われた結果、読取台数37,403台のうち43台の車検切れ走行車両を発見しています。

日本の法律では公道で運用されるすべての自動車は車検を取得しているという前提です。違反すると違反点数6点(つまり免許停止)、及び6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

行政処分・刑事処分のダブルパンチです。ましてや交通事故を起こせば莫大な賠償金が発生しますので、そのような事故を未然に防ぐことに貢献していると言えるでしょう。

自動車盗難を防ぐのにも活躍した?

ウェブ上で公開されている「平成29年度行政事業レビューシート(警察庁)」というものを読みますと、事業(ここでは「自動車ナンバー自動読取装置の整備」)の概要や目的、予算額・執行額などについて言及されていて、事業目的の欄にも「自動車盗や自動車を利用した犯罪を検挙する」と掲げられています。

そこで、警察庁が公開している「犯罪統計資料 令和2年1~12月分【確定値】」を見てみましょう。2016年から2020年にかけての重要窃盗犯認知件数と重要窃盗犯検挙件数を表にすると次の通りとなりました。

認知件数検挙件数
2016年(平成28年)11,6555,713
2017年10,2135,357
2018年8,6284,248
2019年7,1433,845
2020年5,2103,006

Nシステム導入(2018年)以前から自動車盗の認知件数は減少傾向にありました。

これを見る限りではシステムの導入が窃盗削減に貢献したと断定することは難しいでしょう。コロナウイルスの流行で窃盗団も自身の活動を控えたのか、2020年の自動車盗認知件数は2016年の半分以下でした。

プライバシー保護の側面での懸念点

©Sensay/stock.adobe.com

盗難車両や車検切れの車両を発見できる点でNシステムは意義のあるものですが、各地に設置されているNシステムを通じて自分が今どこを走っているのかを常に監視されているとも解釈できます。

ナンバープレートの読み込みだけでなく顔認証システムと併用されれば(すでに運用されている可能性も)、車両の走行場所とそれを運転する人物・乗車している人物の監視も可能となるわけです。

Nシステムを使った速度取り締まりは今のところ行われていない

今のところ、Nシステムを使った速度取り締まりは行われていません。しかし今後、取り締まりを強化する等の理由で、私たちの知らないところで速度取り締まりに使われる可能性がないとは断定できないでしょう。

ナンバー・速度の両方を記録するNHシステムの今後の動向に注目

車検切れの車両で公道を走行する・借り物のナンバープレート(いわゆる天ぷらナンバー)を装着して走行するといった非合法的な運転をしない限り、Nシステムに対して私たちが対策することは何もありません。

しかし、ナンバープレートの撮影と走行速度測定の両方を同時に行うNHシステムについては、今後どのように使用されていくのかについて、私たちはより注目するべきでしょう。

速度取り締まりで事故を減らせるという意見があるかもしれませんが、それだけ私たちの生活が監視されることにもなります。今後の動向から目を離せません。

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中華鍋振る人
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自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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