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「愛車を大事にする人ほど悩む」車の暖気運転は必要?現役整備士に聞いてみた

暖機運転とは何?

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暖機運転とは、アイドリングもしくは低速走行による低負荷運転でエンジンなどの機構部を適切な稼動温度まで上げる作業です。一般的なエンジンの安定稼動温度は車種によっても異なりますが水温が70〜90℃前後、油温は水温+10℃前後となり、その温度帯がエンジンがもっとも効率よく稼動できる温度領域と言われています。

また、トランスミッションサスペンションも安定動作するためには、ある程度熱が入る必要があります。暖機運転は人間で例えるなら、運動前の準備運動にあたる作業といえるでしょう。

必要?不要?暖機運転は意見が分かれる

©Stefan Redel / stock.adobe.com

暖機運転の要否については意見が分かれがちです。またアイドリングでの暖機運転と、走行しながらの暖機運転の是非も意見が割れます。

燃料供給にキャブレターを使用していた時代の車はアイリングでの暖機運転が必須でした。エンジンが冷えた状態では揮発性が高いガソリンであっても十分に気化しづらいため、エンジン回転が安定せず、暖機走行なしでの走行は難しかったのです。

また、固めオイルを使用していたこともあって、オイルが冷えた状態では十分にオイルを循環できず、エンジン各部のクリアランスも広く冷間時はパワーも出にくいため、古い車はアイドリング状態でエンジンがある程度熱を持つまで暖機運転を行わなければ走り出せませんでした。

現在は暖機運転が不要の方向に

燃料供給に電子制御燃料噴射装置が用いられるようになり、現在の車は温度帯ごとの制御で冷間時でも安定した燃料供給ができるようになりました。また部品の加工精度が上がり、エンジン内部の熱膨張変化も最小限に抑えられています。これらエンジンの進歩の理由により、アイドリングでの長時間の暖機は不要と言われるようになりました。

さらに近年は地域によって「アイドリング禁止条例」が制定され、無用のアイドリングが禁止となっています。また、アイドリング時の燃料消費削減、エンジンや触媒の速やかな温度上昇を促す目的でアイドリング暖機は排除される方向に向かっています。

車の取扱説明書にも「停車しての暖機は不要」「長期間使用しなかった場合や、極低温のときは以外は速やかに走行を開始してください」などと記載されるようになりました。

結局、暖気運転は必要ないの?

とはいえ暖機運転が不要になったからといって、エンジンの冷間始動直後に高速道路やサーキットで全開走行をしても問題ないという意味ではありません。エンジンに適正温度がある以上、なんらかの形での暖機運転は必要です。では結局の所、どうするのがベストなのでしょうか。この疑問を現役自動車整備士に質問してみました。

執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...

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