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【エアバッグの作動条件】開くと痛い?どのくらいの衝撃?警告灯が点灯した際の対処法も

エアバッグの値段や修理にかかる費用はどのくらい?

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エアバッグは、車を購入する際、本体価格に含まれているケースが大半でしょう。しかし、万が一の事故でエアバッグを使ってしまうと、再び運転できる状態へ修理するために費用がかかります。

エアバッグの修理費用は事故後の車両状態によって異なるようです。1回事故を起こして使ったら使い捨てる装置となっており、事故に反応するセンサーや膨らますためのガス装置も含めて新しいパーツを用意しなければなりません。

例えば、車同士もしくは壁へ正面衝突を起こして運転席と助手席のエアバッグを使ったとすると、エアバッグの部品交換は工賃込みで10万円から30万円程度とされています。加えて、サイドやサイドカーテンなどのエアバッグも作動したり、年式の古い車や外車でエアバッグを使ったりしたケースでは、50万円から100万円程度の修理費がかかる可能性もあり得るでしょう。

修理を担当するディーラーや整備工場によって費用が異なるほか、加入している任意保険の車両保証を使って修理できる可能性もあります。車両のダメージが大きければ廃車も視野に入れて、エアバッグを修理するかどうか検討するとよいかもしれません。

エアバッグ警告灯が点灯した際の対処法

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エアバッグ警告灯

警告灯とは、自動車に何らかの異常が発生した際に点灯・点滅するインジケーターです。
エアバッグ警告灯が点灯する原因としては、以下のものが考えられます。

  • エアバッグ、プリテンショナーの作動
  • エアバッグ、プリテンショナーの異常

※プリテンショナーとは、車の衝突時にシートベルトを瞬時に巻き込むことで、乗員が慣性運動によってシートベルトから受ける負荷を吸収・低減する装置のことです。

エアバッグの作動時は既に衝突しているので、警告灯が点灯するのは当たり前ですが、衝突もしていないのに警告灯が点灯している場合、エアバッグやプリテンショナーに何らかの異常が発生していることが考えられるので、走行に問題が無くても、速やかに整備工場かディーラーで点検を受ける必要があります。

【エアバッグの歴史】発明したのは日本人

エアバッグを最初に採用した国産車は、1987年のホンダ レジェンドだと言われている(当時はオプション装備で、運転席のみの搭載)
出典:wikipedia.org Author:TTTNIS CC0

エアバッグの歴史は古く、1952年にはアメリカで基本設計が出来上がり、翌1953年に特許を取得しましたがその後10年以上の間、市場に出ることはありませんでした。

エアバッグを搭載した車が初めて市場に登場したのは、1967年のことで、クライスラー製の自動車に搭載されていました。しかし現在世界中で使用されている標準的なエアバッグは、上記の1952年に開発されたものではなく、日本人の小堀保三郎氏が1963年に発明したものだったのです。

発明当初はあまりに奇抜な発想だったため、まったく相手にされず、長い間実用化されていませんでしたが、1970年代に欧米で有用性が認められると、一気に研究開発が進み、現在では世界中のほとんどの自動車で標準装備となっています。

しかし当の発明者である小堀保三郎氏が特許を有していた間は、実用化がされていなかったために特許による収入も得られず、1975年には生活苦から夫婦でガス心中をするという、悲劇的な結末を迎えています。

【エアバッグリコール問題】事故の原因は何だった?

大手メーカー「タカタ」による不祥事で、2000年代後半から2010年代後半まで長期にわたり自動車業界で話題となっていた「エアバッグリコール問題」。

日本では約1,800万台、全世界累計で8,000万台もの車両が、エアバッグ製品のリコール対象となったことで印象に残っている人も多いでしょう。アメリカではタカタ製エアバッグが原因で死亡した事例も存在します。

エアバッグの不具合の原因は「インフレーター」にあったとの見解があります。

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インフレーターに乾燥剤を入れなかったことが事故原因か

インフレーターは車両が事故を起こしたタイミングで、エアバッグを膨らませるためのガスを発生させる装置を刺します。ドライバーをはじめとした乗員の安全を確保するのが目的です。

インフレーターには、火薬を燃やしてガスを発生させる「パイロ方式」や内部に溜めているガスを放出する「ストアードガス方式」の2種類が存在します。加えて、パイロ方式とストアードガス方式を組み合わせたハイブリッド式のインフレーターが採用されているエアバッグもあるそうです。

タカタは火薬を燃やしてガスを発生させ、エアバッグを膨らませるシステムを選択していました。火薬に用いられたのは「硝酸アンモニウム」で、ガスの発生量が多くコストを抑えたエアバッグ製造に役立つとの見方で採用されていたのです。

ところが、国土交通省(国交省)の調べでは2010年以前に製造されたタカタ製エアバッグには、ガスを発生させる火薬の劣化を防ぐための「乾燥剤」が含まれていなかったと発表。

乾燥剤が含まれることでエアバッグが破裂するなどの異常を防ぎ、安定したシステムの作動が行われる仕組みでした。

しかし、乾燥剤が含まれていないことで、インフレーターによりエアバッグが異常な膨らみを見せて破裂。中から破損したインフレーターの金属片が飛び出し死亡事故に繋がったとの分析がされているのです。

早期のリコール対策が実施された

タカタが引き起こした「エアバッグリコール問題」は2017年の段階で134件のリコール、および約1,800万台の使用車両が改修の対象となりました。

インフレーターの製造管理が問題となって発生した不具合以外にも、事故の可能性が想定されるエアバッグ搭載車両に対してもリコール届出がされるなど一大事件に。

国交省はタカタだけでなく自動車メーカー、運輸支局にも早期のリコール対象車両の回収促進や注意喚起を指示。加えて、国交省もリコール未対応の車両を所有するユーザーにダイレクトメールを送付したり、個別宅へ訪問したりするなどの対策を行ったのです。

また、硝酸アンモニウムを採用しているタカタ製インフレーターを使わない方針を示し、適切な対応を各自動車メーカーに求める動きも起こりました。

人の命を交通事故から守るには欠かせないエアバッグを巡って、安全をいま一度考え直すきっかけとなった事件は、今も多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。

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MOBY編集部
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