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「うまいドライバーは高速道路でブレーキ踏まない」って本当?渋滞では追突しろってこと?
「うまいドライバーは高速道路でブレーキ踏まない」という“説”

運転がうまいドライバーは、高速道路を走行するときにブレーキペダルを踏まないか、踏む機会が少ないと言われています。
しかし、急なトラブルが起きたり、渋滞中など停止することもある場合、ブレーキを踏まなければより深刻な事態になるかもしれません。
「うまいドライバーは高速道路でブレーキ踏まない」というのは本当なのでしょうか?
「アクセルとブレーキの踏み間違い」全体の約3割が経験
高速道路でブレーキを踏むのはなぜ「うまくない」運転に?

事故やトラブル、渋滞がなく順調に流れている高速道路では、周囲の車が同じ程度の速度で同じ方向に走っているため、緊急で回避しなければならない危険は迫っていません。前走車との車間距離がわずかに縮まった場合にも、アクセルペダルの踏み加減を少しゆるめる程度で十分に対応できます。
しかし、前方不注意で、危険を感じるほど前走車との車間距離が縮まってしまっていたにも関わらず直前までそれに気づくことができなかった場合には、それ以上の減速力を生み出すフットブレーキによる減速を行い、危険を回避することになります。
しっかりと運転に集中し、周囲の状況把握と運転している車の適切なコントロールに努めていればこのようなことにはなりません。本来はアクセルペダルの踏み加減をゆるめるだけで対応できたはずが、散漫な運転をしていたために直前まで減速を行うことができなかったためにブレーキペダルを踏んだということになり、こうした運転が「うまい運転」と言われないのは明らかでしょう。
また、あおり運転等で極端に車間を詰めて走る車のドライバーも、ぶつからないようにフットブレーキでスピードを調節し、減速して離れた分はまたアクセルを踏んで加速するという、出来の悪いラジコンのようなギクシャクした運転を行います。とても滑稽でスマートさのかけらもありませんね。
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当たり前のことを当たり前にできる運転が「うまい運転」

「ブレーキペダルを踏まずに回避できる危険を、ブレーキペダルを踏まずに済む段階で回避する」という当たり前のようなことですが、意外にもこの当たり前を実践できる人が多くないことから、「ブレーキを踏まない運転がうまい」と言われるようになったと考えられます。
勘違いをしてはいけないのは、「高速道路でブレーキペダルを踏むこと」自体には問題がないということです。危険を回避する手段としてもっとも安全な行動がフットブレーキの使用であれば、迷いなくその選択を取ってください。その危険をより早い段階で認知することができれば、フットブレーキを使用する以外にもより安全な手段が選択肢に加わる場合が多くなります。
危険を早い段階で認知するためには、周囲の車や人の動きを予測したり、進行方向に何があるか早めに把握する必要がありますので、視界は十分に確保しておくことが重要です。しかし、車間距離が極端に近くなると、視界のほとんどは前走車の後ろ姿で埋まってしまいます。その車のさらに前に何があるかはまったくわかりません。
車間距離を十分に取れば前走車のさらに前の車、そのさらに前…と、より遠くまで見えるようにすることで、例えばその先に低速で走る車があったり落下物があったりしても余裕をもって安全に回避することが可能です。
「ブレーキペダルを踏まずに回避できる危険を、ブレーキペダルを踏まずに済む段階で回避する」を実践できる運転がうまいドライバーの第一歩を踏むためには、十分な車間距離を保持して走ることが意識してみましょう。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...