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運転適性検査やOD式安全性テストで何がわかる?結果パターンと心がけるべきポイント
教習所に入って最初に「試験」がある?

免許を取るために教習所に通ったら、どんなことをやるのか不安に思っている人は多いのではないでしょうか。
通う前は内容がまったく分からないので、無理はありません。中にはいきなり試験をやって落とされてしまうと考えている人もいると聞きます。
教習所に入ってすぐに「運転適性検査」が行われます。確かに試験に似ていますが、これから免許を取る人がどんな人なのかを確認するためのものです。この検査を受けないと、次のステップに進むことはできません。
運転適性検査がどのようなものなのか、どのような結果が分かるのか解説します。
運転適性検査の目的
運転適性検査を実施する目的は、これからドライバーになる人の適性を見極めることにあります。
具体的には、運転操作の正確さや素早さ、クセ、どんなことを無意識にやってしまうのかなど、普段の生活ではあまり意識していないようなことを明確にしていくのです。一種の心理テストのようなものだと考えてください。
運転適性検査K型とOD式安全性テスト
運転適性検査には「警察庁方式 運転適性検査 K型」と「OD式安全性テスト」の2種類があります。
どちらを実施しているかは教習所によって違ってきます。
両方を実施している教習所は存在せず、警察庁方式を採用している教習所の方が多いと言われています。
警察庁方式 運転適性検査 K型とは?

「警察庁方式 運転適性検査 K型」は、警察庁運転免許課と科学警察研究所交通安全研究室が開発した検査方式です。
心理的な原因により、通事故を起こしやすい運転者を、比較的かんたんに見つけ出すことが目的で開発されました。
運転操作の速さや性格の分析などをマークシート方式で行う検査です。検査時間は全部で約30分ほどで終わります。
OD式安全性テストとは?

「OD式安全性テスト」は、株式会社電脳によって開発された運転適性検査です。
このテストで運転に関する「運動機能」「健康度・成熟度」「性格特性」「運転マナー」の4つの観点からドライバーとしての適性を導き出します。
最終的に4つのタイプに分類し、どれに当てはまるかで自分がどんなタイプなのかが分かるようになっています。
運転適性検査の結果から分かること
運転適性検査の結果は多岐にわたります。個人のよって差があるので、どのような結果が出るのか?またその結果から何が分かるのか解説します。
警察庁方式 運転適性検査 K型の結果

警察庁方式 運転適性検査 K型は、以下の11項目の検査を行います。
- 状況判断力
- 動作の正確さ
- 動作の速さ
- 衝動抑止性
- 神経質傾向
- 回帰性
- 感情高揚性
- 攻撃性
- 非協調性
- 自己顕示性
- 情緒安定性
これらの項目から総合判定が導き出され、3つに分類されます。
総合判定その1
「運転に適しています。更に安全運転に努めてください」
総合判定その2
「運転することには支障ありません。更に安全運転に努めてください」
総合判定その3
「運転には人一倍の注意が必要です。自分の欠点をよく自覚し、助言を守り、全力を尽し、慎重に運転をしてください」
いずれの判定結果が出ても、運転免許の教習を受けることができますので安心してください。
OD式安全性テストの結果

OD式安全性テストは、4つの観点で運転の適性を判定します。その後、4つのタイプに分類されます。
1.運動機能
ここでは、「注意力」や「判断力」、「柔軟性」をテストします。さらに、周囲の状況を見極められる「決断力」、スムーズな操作ができるかどうかの「動作の安定性」などを判定します。
2.健康度・成熟度
ここでは、安全運転に必要な身体の健やかさ「身体的健康度」や社会性の成熟の度合い「社会的成熟度」などを判定します。
3.性格特性
さらに日常生活において、イライラしないかといった「情緒不安定性」や、じっとしていられないかどうかの「衝迫性・暴発性」などを判定します。
4.運転マナー
運転の要となる、交通ルールを守って安全運転をする心構えや習慣があるかといった「運転マナー」を判定します。
さらにこれら4つの観点から、そのドライバーがどんなタイプに当てはまるのかさらに4つに分類されます。
安全運転タイプ
比較的安全に運転できるタイプですが絶対に事故を起こさないわけではありません。油断しないようにしましょう。
もらい事故傾向タイプ
自分から事故を起こす可能性は低いものの、技術的にもたつく傾向がみられ、他の車に衝突されるなど、もらい事故を起こす可能性があります。
重大事故傾向タイプ
運転操作は比較的器用にこなせる一方、安全運転に対する心構えに問題があるかもしれません。自分の技量を過信しないようにしましょう。
事故違反多発傾向タイプ
運転する際には細心の注意をはらい、常に安全運転を心がけましょう。
運転適性検査を受けるときの注意点

ここまで紹介してきたように、自分が普段の日常生活では意識していない心理状態まで細かく判定するのが運転適性検査です。
運転適性検査を受ける際には、力まずにリラックスした状態で受けてください。運転適性検査の結果が悪いからと言って、免許が取れないというわけではありません。
また、運転適性検査では普段意識していないことを詳細に知ることが出来て良い反面、「そんなことない!間違っている!」と思う人がいるのもまた事実です。
もちろん、運転適性検査の結果は、100%合っているとは言えません。しかし、100%間違っているとも言えないのです。
自分の潜在的な意識がどのようなものなのかを自覚しつつ、結果は参考にする程度で、運転の練習に励むようにしてください。
運転適性検査の正確性はどれくらい?

現在多くの教習所で実施されている「警察庁方式 運転適性検査 K型」と「OD式安全性テスト」ですが、「どのくらい正確なのか?本当に合っているのか?」などと言われます。
前にも述べたように参考程度に受け止めてもらえればいいのですが、実際に運転適性検査の結果が悪い人は、運転や学科の試験に落ちてしまう傾向が高いというデータもあります。
警察庁方式 運転適性検査 K型とOD式安全性テストのどちらにしてもその傾向は変わりません。
もし結果が悪くて落ち込んでしまいそうなときは、「自分は他の人より気をつけた方がいいんだ」という前向きな気持で運転の練習に望んでください。人一倍、気をつければ、事故を起こす可能性は絶対に低くなります。
前向きな気持ちを、免許を取得して実際の道路を走るときも意識してください。その気持さえ忘れなければ絶対に安全で楽しいドライブが実現するでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...