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ルーフキャリアに塗装&カスタム! 見た目&使い勝手が格段にUPした!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


私はバモスの屋根にキャリアバーではなく、ルーフキャリアを付けている。

ルーフキャリアやカーゴラックは屋根にも大きな荷物、多くの荷物を積むことができて、特に小さな車には大変便利だ。

バモスに取り付けている業務用のルーフキャリアは、実用性は高いけど、ハッキリ言ってオシャレとは全く言い難い。

そこで先日、ルーフキャリアの塗装&改良をおこなった。

少し手を加えることで使いやすさが階段にアップし、抱えていた大きな問題を解消することにも成功したので、その改良方法や作業の模様などお伝えしたいと思う。

鉄製のルーフキャリア

私が使っているのは、材質がアルミではなくスチールにメッキの、見るからに業務用といったタイプのルーフキャリアだ。

サイドには荷物が横に落ちにくいように高さが12cmくらいのレールが付いているのだが、ここにベルトやロープをかけられて使い勝手は良い。

しかし、見た目はご覧の通りで、これが付いているだけで電気工事屋さんか水道工事屋さんあたりの仕事車に見えてしまう。私はそれでも一向に構わないのだが、そんなこともあり、レジャー用の車にこれを付ける人は少ないと思う。

しかし、実用性が高いだけでなく、価格が安いのも大きな魅力のキャリアだ。

また、材質が鉄だから当然錆びる。

特に私の車は潮風に頻繁に晒されるので錆びやすい。錆びてきたら塗装しようと当初から思っていたのだが、所々錆が目立ってきて、とうとうその時がきたようだ。

あまり酷くなる前に塗装することにした。

色と塗料

鉄製のルーフキャリアと言って思い浮かぶのはワーゲン Type IIやローバーMini(現在のBMWのではなくて、本当に小さかった頃のMini)のキャリアだ。

最初はMiniのキャリアをイメージして、色はクリーム色なども良いかと思ったのだが、車体が黒なので少し目立って浮いた感じになってしまいそうだ。

色選びを間違えて、何か「妙な頑張り感」が出ているような外観になってしまうのも恥ずかしい。

ということで、色は目立たないマットブラックにし、臭くなくて、扱いも楽な水性のペンキを刷毛でペタペタと塗ることにした。

黒錆転換剤

塗装する前には錆を落とす必要がある。

中途半端な錆落としのまま塗装し、塗装の皮膜の下で残っていた錆が繁殖し始めると、内部に向かって腐食が進行して、却って厄介なことになってしまうこともある。

しかし、ワイヤーブラシやサンドペーパーで完全に錆を落とすのは結構大変な作業だ。

そこで登場するのが黒錆転換剤。赤錆を黒錆に転換してしまう薬剤だ。塗った直後は上の画像の通り乳白色をしている。

黒錆に転換された鉄の表面は酸化(赤錆の発生)が進まなくなるといった性質を活用した赤錆発生抑止剤で、黒錆の皮膜でがっちりとガードされた鉄の表面は酸化がしっかり抑えられる。

一旦赤錆が発生してしまった部分に使うには、多分最も効果的な赤錆再発生の防止方法ではないかと思う。

ブラシで擦ってもなかなか落ちない程度まで錆を落としたら、赤錆の発生していた金属の表面をこれで黒錆化して固めてしまう。

赤錆の発生が進行してミルフィーユ状になっていたりすると奥まで転換剤が浸透せず、表面だけ黒錆にして固めても中から赤錆が進行してしまうが、そんなになってしまう前でなければ相当に効果は高い。

黒錆に転換された部分は黒っぽい皮膜で覆われたような感じになるが、今回のように上から黒く塗装してしまう場合は塗装後も全く気にならず、好都合だ。

キャリアの塗装

本当は油性塗料の方がより良いとは思うのだが、水性塗料を選んだ理由はハケも水洗いで済むなど、油性と比べてとにかく扱いが楽で手軽なことだ。

塗装をする前に一応軽く水洗いもしたが、長い間風雨に晒されているから幸い特に油分はない。もし新品に塗るなら十分に脱脂してからでないと塗料が乗らないので注意が必要だ。

錆の処理など下処理が終わったらハケで塗料を塗って行くのだが、元々プロのような仕上がりなど全く望んでもいないので、垂れた跡が残ったりすることはあまりに気にしない。

しかし、一度に厚く塗ろうとしても上手くいかない。「一度塗って乾いたら裏返して反対面から塗って」を、一応ここは面倒くさがらずに、2回半繰り返した。

板を貼る

このキャリアは脚が3組あり、脚に直結のバーが3本とその間に同じ横向きのバーが3本ずつ入っている。

前後の脚から脚までの長さは1.8m位なので、20cm少しの間隔で並んだ合計9本のバーが荷物を置く部分の床となっている。

ある程度長さのある硬い物を載せるのにはこれで十分(それがこのキャリアの本来の用途だが)だが、バッグのような柔らかい物を積もうと思うと20cmの間隔は開き過ぎていて使いにくい。

そして、冒頭で書いた「抱えていた大きな問題」もこの合計9本のバーに起因している。

空荷状態でスピードが70km/hくらいに達すると、この9本の細い鉄パイプ達がもの凄い音を奏で始めるのだ。それはそれは凄い音で、高速を走る時は用がなくても梯子か角材でも積んで振動を抑えたくなる。

それで、塗装ついでに縦方向にスノコ状に板を貼ることにした。これでバッグなども載せられるようになり、パイプ達が唸りを上げることもなくなる(この時点ではまだ予定)。

材料

主要部分の材料には安くてあまり重くもない1 x 4の6ftを選んだ。

ちょうどカインズホームでセール価格になっていて1本225円、これを10本買って帰ったのだが、既にキャリアは外して塗装の最中だったので、こんな風にして車内積む。

まずは試しにキャリアの上に目分量で間隔を空けて8枚並べてみた。長さは6ftだからおよそ183cm。

長さはピッタリで何も加工せずに済む。良い感じだ。

ところで、バーコードを印刷したシールが剥がれないようにするためなのだと思うが、安い材木はこんな風に雑にステイプラーが打ってあったりして、これを10本抜いてシールを剥がすために10分近く費やす。

もっと嫌なのは、金物とかにベッタリと貼られたシールだ。綺麗に剥がすのが難しく、剥がしても糊が残ってしまったりして非常に厄介だ。

幸いこれは比較的剥がれやすかったが、最終的にはシール剥がしのスプレーが必要な場合もある。

こういった全く生産性のない作業に手間と時間を費やすのは、ただ無駄なだけで本当に虚しい。もしこれを読んでくれているホームセンター関係の方がいたら、これは是非改善していただきたい点だ。同じように思っているは少なくないと思う。

話を戻して、次に植木算で正しい間隔を割り出して一応墨付けをする。

しかし、狂いや誤差もあるような安い材木だ。計算上の数値は目安にして、現物に合わせて感覚に頼って間隔(ダジャレのつもりではない)を決めるのが現実的だ。

組み立て

そして、板を並べ終わったら、キャリアに乗せたままの状態でバーを挟み込むようにして下駄の歯のように角材を1 x 4にコーススレッドで留めて行く。

設計図を描くことも大切だと思うが、それなりの工作技術がないと設計図通りに正確に作ることはできない。ましてや安い材木やあり合わせの材料を使うと絶対に図面通りになど行かない。

そのせいでイラつくのも嫌なので、私は頭の中で考えるだけで全く図は描かないか、描いても大まかな図面とスケッチくらいにして、正確な設計図は描かないことにしている。

今回も植木算したメモくらいで、図面は何も描いていない。頭の中の設計図と現物を合わせ進めて行くのが私の工作方法の基本だ。

本とかを読めば「きちんと設計図を描くこと」などようなアドバイスが書かれていたりすると思うが、無理な図面などは最初から描かないのも一つの方法だと思っている。

コーススレッドは基本的には下穴を開けずにインパクトドライバーでバシバシと打ち込むことのできる便利なビスだが、安い材木の場合はダイレクトにビスを打つと割れることがある。

いかにも割れそうな安い材木だったので、今回は面倒でも一応ドリルで下穴を開けてからビスを打ったのだが、それでもこのように多少は割れてしまう。

しかし、最終的には上の画像の通り、この部分(エンドの部分)には上から横方向に一枚板を重ねてしまうので、多少の割れがあっても気にかけることではない。

この横板は荷物の前後のズレ防止とボードを載せる時のバーのような役目を担うもので、作りながら途中で思いついたことなのだが、なんとなく辻褄が合ったようなことになる。

こんなことも安い材料を使って設計図なしの現物合わせで臨機応変に作業を進めて行くメリットであり、テクニックだ。

前後真ん中3本の脚に直結した部分のバーを挟み込むように下駄の歯を付け終えたら、「スノコ」が完成。キャリアからこの「スノコ」を下ろして裏から見るとこうなる。

「スノコ」の塗装

そしてウッドデッキなど屋外の木材用保護塗料を塗装。これも両面2回ずつ塗る。そしてやはり面倒でない水性を選んだ。

塗った日の晩に雨が降ったので水性で幸いだった。雨が降り始めた頃にはほぼ乾いてはいたが、油性塗料が完全に乾いていないうちに水に濡れると不味いことになってしまう。しかし、水性の方がその点油性より安心だ。これも水性の利点の一つではないかと思う。

設置

「スノコ」の塗装が完全に乾いたら、キャリアの上に戻すのだが、少し厄介なことに脚のある部分のパイプと脚と脚の間に入っているパイプは太さが違い、間に入っているパイプの方が少し細い。

そのまま「スノコ」を載せて固定しても、細いパイプと板の間に僅かな隙間ができてしまい、細い方のパイプが依然唸り音を発する恐れがある。

そこで細い方のパイプにはゴムシートを巻いて板との間に隙間ができないようにし、その後に「スノコ」をキャリアの上に戻すことにした。

スノコの脚或いは下駄の歯のような部分は、かなりピッタリ鉄パイプを挟むように固定してあるから、キャリアごと裏返しても一応ズボッと落ちてはしまわないが、紐で軽く縛ってからキャリアごと裏返す。

そして、「スノコ」をこんなプレートで固定。これは裏返っている状態だけど、実際にはプレートが下になる。

脚のあるパイプに各々2枚ずつ、計6枚のプレートで「スノコ」をキャリアに固定。

完成したキャリアは当然ながら「スノコ」の分重量が増していて、これを1人で車の屋根の上に載せるのは簡単なことではない。まあ、普通は無理と考えるところだ。キャリアの説明書にも確か必ず2名以上で設置するように書かれていたと思う。

しかし、これだけのために友達とかを呼びつけたりするのも面倒だ。そして、2人以上で組み立てろと書いてあるIKEAの家具とかを1人で組み立てるのは朝飯前、モアイ象の移動やピラミッド建設の謎並み(ちょっと大袈裟)に1人では動かせないようなものを何故か1人で動かしてしまえるのが私の特技と言えば特技で、後から考えると自分でもどうやって1人で動かしのたかわからないことさえある。

さらに言うと人と何か作業するのを面倒くさく感じる性質だから大抵のことは1人でやってしまうし、こうやって1人でフリーランスの仕事をしているのである。

結局こんな風にして1人で無事車を傷付けることもなく、設置は完了。

なんか「頑張りましたー!」のように目立ってしまうこともなく、メッキのままよりお仕事車っぽさは消えた(?)と思う。

いつもの海岸の駐車場にSUPのボードを載せて行くとこんな感じ。

そして、空荷で70km/h以上出してみたが、大成功! パイプ達がもの凄い唸り音を奏でることはなくなった。

しかし、この「スノコ」を張った目的はまだある。

屋根にルーフボックスを積んでしまうと、SUPのボードを積みにくくなってしまう(もしくは積めなくなってしまう)し、ルーフボックスの付け外しは手軽とは言えない。そして正直に言ってしまうと、見た目もあまり好きではない。

それで、キャリアバー+ルーフボックスではなく、汎用性のあるルーフキャリアを選んでいたわけだが、ルーフカーゴバッグは荷物が濡れなくて簡単に積めるのが大きな魅力だ。

必要なときにだけ簡単に付けたり外したりできるルーフカーゴバッグがあれば、ルーフキャリアの汎用性を損なわずにルーフボックスのような使い方ができる。これを使いたかったのだ。そして、価格も魅力で、これは¥5,000ちょっとだった。

このバッグは最大で(バッグだから当然ストラップを絞れば小さくもなる)長さが110cmくらいで高さが43cmくらいになる。幅は最大で85cmくらいなので、幅はこのキャリアにピッタリだ。

容量は425Lもある。この大きさならたたんだインフレータブルのSUPのボードを3本、或いは2本とウェットスーツなどの諸々の荷物を入れることができる。

荷物が多い車中泊で車内を広く使えて良いだけでなく、使用して湿ったボードを2本も3本も狭い軽バンの車内に一緒置いておくより、寝るときにずっと快適になることも間違いない。

完成してみて

価格が安くて実用性の高い鉄製の業務用ルーフキャリア。少し手を加えれば見た目の雰囲気が変わり、使い勝手も格段にアップする。

我ながらなかなかに良いアイディアだったと思い、出来栄えにも満足している。

既に使っている人にはもちろんだが、これは眼中に入っていなかったような人にも参考になればと思う。

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
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