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「乗るな」と酷評された初期型から改良進め「最高のスポーツカー」へ…遅咲きの傑作国産MRスポーツ、トヨタ SW20型MR2【推し車】

カローラ級からコロナ級へ、車格アップのモデルチェンジだが

ミッドシップスポーツらしくトラクション性能や旋回性能に優れるが、初期には操縦安定性不足のジャジャ馬扱いだった

SW20型MR2が登場したのは1989年、日本がいよいよバブル景気真っ盛りという時期に出現し、初代AW10系がE80系カローラのFF用パワートレーンをリアミッドへ搭載したのに対し、当時のコロナ級へとサイズアップ。

一見すると「バブルの波に乗って大きく重くなった」ようにも思えますが、実のところAW10系は走行性能やデザインこそ高く評価されたものの、実用面では少々サイズが小さすぎ…具体的には荷物など載せるスポーツがほとんどない…というわけでの大型化です。

寸法は5ナンバー枠に収まったとはいえ、車内は広くなったしトランクも容量アップ、重量増加分はスポーツエンジン3S-GEまたはターボ版3S-GTEを積みましたから、コロナというかセリカのミッドシップ版といった趣で、デートカーにも十分使えそうでした。

ただ、当時のトヨタは操縦安定性の開発に何か問題でもあったのか、EP82スターレットGTなどもそうでしたが「パワーに足回りがついていかないジャジャ馬」という傾向がSW20型MR2の初期、いわゆる「I型」でも激しく、「プロでさえスピンする」と言われます。

つまりフロント荷重不足で希薄なステアリングインフォメーション、ままならない直進安定性、コーナーに来ればアンダーステアから急にオーバーへ変わるリバースステア…と、「乗り手を選ぶどころではない」酷評を受けたのです。

たぶんこの時期のMR2に乗ってミッドシップがすっかりキライになった人がいるかもしれませんが、中には「これを乗りこなすのがいいんだよ!」という人や、「これがミッドシップなんじゃないの?」と基準がスゴイ事になった人もいたとか、ナントカ…。

歴史的名車でありながら、時代に翻弄されたソアラ

執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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