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【トヨタiQの評価は実際どうなのか】実燃費やカスタムからスペック&内装の口コミは?
トヨタiQとは
トヨタiQは、トヨタが2008年から2016年の間に製造・販売を行ったコンパクトカーです。軽自動車でもなく、普通車のコンパクトカーよりも小さい、従来のサイズの概念から全く新しい車を目指し、「マイクロプレミアムカー」を掲げたトヨタで珍しい車です。
車名の由来は、「個性(individuality)」を表すと同時に、「革新(innovation)」と「知性(intelligence)」の3つを意味を兼ね備えたうえでの”i(アイ)”と、「品質(quality)」の意味を表す上での”Q(キュー)”をあわせて”iQ(アイキュー)”と名付けられました。
トヨタiQのコンセプトカー
2007年に9月にドイツで行われたフランクフルトモーターショーでiQのコンセプトカーと発表し、翌年のフランスで行われたパリサロンで正式に市販モデルが公表されました。発売当初は、排気量1,000cc直列3気筒エンジンを搭載したモデルのみでした。
6速マニュアル車をライナップに追加
2009年に排気量1,300㏄直列4気筒エンジンを搭載したモデルが登場し、2010年には、アイドリングストップ&スタート機構「TOYOTA Stop & Start System」がある6速MT(マニュアル)も登場しました。
この時、新しいスポーツパッケージ「100G→」、「130G→」、「130G→レザーパッケージ」を設定し、→は「ゴー」と呼びます。しかし、このモデルは2012年5月には無くなり、2010年から2012年までしか販売されませんでした。
最終グレードには7速シーケンシャルシフトマチック
最終的に、販売が終了直前でのグレードは、排気量1,000ccのエンジンを搭載したモデルで2人乗りの「100X 2シーター」、キー忘れ防止ウォーニング(ブザー)を装備した「100X」、タイマー付熱線式リヤウインドゥデフォッガーを装備した「100G」の3つです。
そして、排気量1,300ccのエンジンを搭載したモデルでは、ブラックファブリックシート、メッキ加飾マニュアルエアコンを装備した「130G Xパッケージ」、本革巻きステアリングを装備した「130G」、16インチアルミホイールを装備した「130G レザーパッケージ」、アイドリングストップシステム「TOYOTA Stop&Start System」を採用した「130G MT」、「130G MT レザーパッケージ」の4つがありました。
このとき「130G」、「130G レザーパッケージ」、「130G Xパッケージ」のCVTトランスミッションには、クラッチレスでありながらマニュアル感覚でシフトチェンジが可能な7速シーケンシャルシフトマチック機能がつき、まさにマイクロプレミアムカーにふさわしい高性能な車でした。
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トヨタiQのライバル車は
トヨタiQのライバル車 スマート・フォーツークーペ
トヨタiQのライバル車はスマート・フォーツークーペだとよく言われています。フォーツークーペのボディサイズは、全長2720mm・全幅1560mm・全高1540mmであり、トヨタiQが全長2,985mm ・全幅1,680mm ・全高1,500mmであるため、確かにボディサイズはそっくりです。
しかし、スマート・フォーツークーペは排気量1,000ccで2人乗りのみであり、4人乗れるiQとは乗り物としては同じ自動車でも全く違っており、エンジン搭載位置でも、リアエンジンリア駆動のスマート・フォーツークーペと、前方のエンジンを搭載し駆動方式がFFのトヨタiQは、同じ車で作りは全く違います。
よって、スマート・フォーツークーペはトヨタiQとライバル関係にあるとは言いにくいところがあります。
トヨタiQのライバル車 フィアット500
妥当なライバルだと思える車は、フィアット500だと思います。トヨタiQの販売はすでに終了しており、中古車のみでの購入になります。
そこで、トヨタiQの購入の時に中古車店の売り手と値段交渉をする際は、他のお店で売られているフィアット500の売値を提示して比較しながら値段交渉をすれば、より値引きができるでしょう。
トヨタiQと他車との比較 | |||||||
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車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | 乗車定員 | エンジン排気量 | 価格 |
トヨタiQ | 2,985mm | 1,680mm | 1,500mm | 2,000mm | 2・4名 | 996cc・1329㏄ | 1,326,857~1,830,857円 |
フィアット500 1.2Pop | 3,570mm | 1,625mm | 1,515mm | 2,300mm | 4名 | 875ccターボ・1,240cc | 1,998,000円 |
スマート フォーツー | 2,690mm | 1,660mm | 1,550mm | 1,873mm | 2名 | 999cc | 1,990,000円 |
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トヨタiQのスペック
ここではトヨタiQのスペックを紹介していきたいと思います。トヨタ初のプレミアムマイクロカーということもあり、他の車では見られないユニークな値があちこちで見ることができます。
トヨタiQの寸法
100G、100X、100X2シーター ※【 】内は130G Xパッケージ、130G、130GMT | |
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型式 | DBA-KGJ10 |
ボディタイプ | ハッチバック |
ドア数 | 3ドア |
乗車定員 | 4名(100X 2シーターは2名) |
全長×全幅×全高 | 2,985mm×1,680×1,500mm 【3,000×1,680mm×1,500mm】 |
ホイールベース | 2,000mm |
トレッド前/後 | 1,475/1,460mm |
室内長×室内幅×室内高 | 1,560×1,515×1,145mm |
車両重量 | 890kg |
トヨタiQのエンジンスペック
100G、100X、100X2シーター | 130G Xパッケージ、130G、130GMT | |
---|---|---|
エンジン型式 | 1KR-FE | 1NR-FE |
最大出力 | 68ps(50kW)/6,000rpm | 94ps(69kW)/6,000rpm |
最大トルク | 9.2kg・m(90N・m)/4,800rpm | 12.0kg・m(118N・m)/4,400rpm |
エンジン種類 | 直列3気筒DOHC | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 996cc | 1,329cc |
内径×外径 | 71.0mm×83.9mm | 72.5mm×80.5mm |
圧縮比 | 10.5 | 11.5 |
燃料供給装置 | EFI(電子制御式燃料噴射装置) | EFI(電子制御式燃料噴射装置) |
燃料タンク容量 | 32リットル | 32リットル |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
トヨタiQの燃費・性能
100G、100X、100X2シーター、 130G Xパッケージ、130G |
130GMT | ||
---|---|---|---|
環境仕様 | JC08モード仕様 | 20.8km/リットル | 21.2km/リットル |
駆動系 | 駆動方式 | FF | FF |
トランスミッション | CVT(無段変速車) | 6MT | |
変速比 【CVT】 | 2.386~0.426 | – | |
変速比 第1速【MT】 | – | 3.538 | |
第2速【MT】 | – | 1.913 | |
第3速【MT】 | – | 1.310 | |
第4速【MT】 | – | 1.029 | |
第5速【MT】 | – | 0.875 | |
第6速【MT】 | – | 0.743 | |
後退 | 2.505 | 3.333 | |
最終減速比 | 5.403 | 3.736 | |
足回り系 | 最小回転半径 | 3.9m | 3.9m |
トヨタiQの実燃費は?
100G
インターネットで100Gの口コミを調べて見ると、良かった点として、乗りやすい、燃費がすごく良くなったという意見が目立ちました。そのほかにも、定年後のシニアには適している車だと感じました。孫を乗せることができませんが、日常では燃費もいいし、気軽にお出かけできるので活躍していますとの声もありました。
130G
インターネットで130Gの口コミを調べてみると、全長が短いので狭い道が走りやすい、後部座席は狭く子どもなら乗車に問題ない、燃費はあまり良くないですが街乗りには充分ですなどの意見がありました。そのほかにも、加速があまり良くないので速度が出にくいとの声もありました。
130MT
インターネットで130MTの口コミを調べてみると、1000ccなのに燃費が悪い、加速が良くないので走りが頼りなく感じてしまう、足回りが固い感じで乗り心地があまり良くないなどの声がありました。
排気量1,000ccのトヨタiQは、リッターあたり10~15km、高速道路で19~20km。1,000ccでリッターあたり10kmは、かなり悪いように感じます。
MOBY編集部調べによるトヨタiQの口コミでは、エアコンをつけると燃費が悪くなり、エンジンパワーが低下するのが顕著に現れることがあるようで、走行する季節によっての燃費の上下があるようです。これはあまりよくないです。
排気量1,300ccのトヨタiQは、街乗りでリッターあたり12~18km、高速道路で18~20kmあたりでこのエンジンに関しては、エアコンによる燃費やパワーの上がり下がりはないようです。エンジンの振動も抑えられ、安定した性能を発揮しています。購入するなら1,300㏄のエンジンがいいかもしれません。
トヨタiQの内装は?
車は小さいですが、内装はスマートかつプレミアム感がある質感の高いインテリアです。逆三角形の中にスイッチ類やエアコンの送風口が集められているデザインは、センタークラスターはマンタをモチーフにしたものです。
エアコンは、オートマ車の場合オートエアコンが装備されていますが、マニュアル車はマニュアルエアコンです。この辺は、オーナーによって賛否両論です。しかし、マニュアル車を好む方には大きな問題ではないです。また、縦にダイヤルが3連で並んでいるスタイルが逆に良いとする方もいます。
角度調整可能な丸形の室内灯は、白色のLEDが装備され、広範囲の照射が可能です。
コンビネーションメーターは、メインにスピードメーターでタコメーターは右下に約100°の回転域でメーター針が回ります。オートマ車では問題ありませんが、マニュアル車にとってはタコメーターはもう少し大きいほが良いでしょう。
メーターの左側には、マルチインフォーメーションディスプレイが装備され、エコ運転の範囲がひと目でわかるエコゾーン表示が設定されていたり、外気温、ラジオチャンネル表示など、小さい中に多数の情報が表示され便利です。
後部座席はかなり窮屈です。トヨタの紹介には、大人3人、子供1人が乗れることを押し出しているので、大人4人乗車は後部座席に座る方が相当窮屈な状態で座ることになります。しかし、後席に座ってもひざ周りに窮屈さを感じさせないように配慮、前席のシートバックが薄型になっています。
室内長は短いですが、室内幅は1,515mmでトヨタ・カローラやプリウスよりも長く、2人で乗らないのであれば、広さにゆとりを感じれます。
後部座席は、5:5分割可倒式リヤシートというものを採用し、肩口のレバーを引き上げ、外したヘッドレストをリヤシートの上に置いた後、そのまま前へ倒すワンモーションバックロックが採用されています。そして、シートバック両側前倒し状態での荷物スペースは、232Lの容量で大型スーツケース1個積載可能です。
トヨタiQには、もしもの事故のために9つのエアバッグを標準搭載しています。後部座席のSRSリヤウインドゥカーテンシールドエアバッグと、助手席側のSRS シートクッションエアバッグはトヨタiQが世界で初めて搭載しました。小さな車でも安全対策はかなり力を入れています。
トヨタiQの口コミは?
トヨタiQを普段使っているオーナーは自らの愛車をどのように感じているのでしょうか。良い点、悪い点に分けて、口コミを見ていきましょう。
トヨタiQの良い点
インターネットで口コミを調べてみると、良かった点として、外観が個性的で気に入りました、長距離の燃費が良い、小回りが抜群に良いなどの声がありました。
個性的な外観やショートホイールベースであるため小回りがきくところは、トヨタiQのオーナーが共通してメリットとして考えています。燃費に関して賛否両論で、オーナーの乗り方や車体の状態で燃費の値にの大きな幅がありました。
トヨタiQは4人乗りですが、ほとんどのオーナーが2人乗りでの充実感は感じながらも後部座席の窮屈感は思った以上にあるみたいで、後部座席にはあまり人を乗せたくない意見が多く、2人乗りと割り切っています。
トヨタiQの悪い点
インターネットで口コミを調べてみると、悪かった点として、低速時にエンジンからの振動が気になる、バックがしにくい、収納が少ないなどの意見がありました。
そのほかにも、ホイールベースが短いため、高速での直進安定性が少なく、パワー不足感を感じているオーナーも多いです。小さい車特有のデメリットですが、エンジンパワーを考慮すると1,300ccのほうを購入したほうが無難です。
トヨタiQのカスタムカーは?
トヨタiQにはどのようなカスタムを施し、オーナーは楽しんでいるのでしょうか。メーカー純正のカスタム車から、オーナーこだわりのカスタム車まで見ていきます。
トヨタiQ GAZOO Racing tuned by MN
トヨタが展開する「Gazoo Racing」が、「見る者・乗る者をトリコにする、スパイスの効いたマイクロレーサー」をコンセプトに、130G MTをベースとした限定車「iQ GAZOO Racing tuned by MN」が3,550,000円で限定100台のみ販売され、受注開始から一週間ほどで全台数を完売しました。
アストンマーチン・シグネット
アストンマーチン・シグネットは、トヨタiQをベースにアストンマーチンがカスタマイズして販売していた車で、価格はなんと4,750,000円。
トヨタiQをイギリスに輸出し、イギリスの職人達は計150時間かけてシグネットを仕上げ、また日本に輸入するそうです。フロントグリルは、アストンマーチンのDB9やヴァンキッシュのようなデザインで、アストンマーチンのエンブレムが輝かしく見えます。
トヨタiQは、レーシングカーとしての十分なポテンシャルがあります。エアロパーツや大径のホールに大きなウィングをつけると、ここまでCoolなスポーツカーになってしまいます。
トヨタiQの評価は?
これまで、トヨタiQの実燃費や口コミなどオーナーの評価を見ていき、良い評価をしている人、悪い評価をしている人まちまちでした。
トヨタiQが発売してから販売終了するまでの販売台数は約3万台であり、トヨタ・ヴィッツが年間で約10万台も売れており、トヨタ・アクアはすでに販売台数100万台の大台に載せました。これらから、トヨタiQがいかに不人気車であったことがわかります。なぜここまで売れなかったのでしょうか。
さまざまな賞を受賞できたトヨタiQ
トヨタiQはさまざまな賞を受賞しています。2008年にグッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)を受賞し、さらに2008-2009の日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得。スタイリッシュなデザインとトータルで良質な車であることを社会的に認知されていました。
実際に求められる車とは不一致だったトヨタiQ
多くの栄誉を得ることができたトヨタiQですが、人気のない車になった理由は、トヨタの理論的な理想とする車とユーザーの欲しがる車の不一致からだと考えられます。自動車市場では高燃費で5人乗ることができ荷物もそこそこ積むことができるコンパクトカーが人気であり、トヨタ・ヴィッツやアクアがビッグセールスを続けています。
市場が求めている車には、大容量で荷物が積めることがどのような車でも共通して求められることで、小さくてスタイリッシュだけど、鞄一つだけ持った人が乗る車が受け入れられないことは明確です。よって、トヨタiQがオシャレでスマートな車だけど、実際は実用的でなかったということが不人気の理由です。
トヨタiQはロマン溢れるマイクロカー!
トヨタiQについてまとめてみました。最終的にトヨタiQは不人気のまま販売終了となりましたが、日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するほど自動車業界で認められた魅力ある車です。
オーナーはさまざまは評価をしていますが、実際のところトヨタiQに満足しています。トヨタiQは小さくても魅力的で憎めないヤツです。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...