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中型高級車のトヨタクレスタ!クレスタの歴史と性能を紹介

マークII3兄弟の中で異彩を放ち続けた三男坊、クレスタ

トヨタGX51 クレスタ スーパールーセント(初代)

昔あったトヨタの「マークII3兄弟」で、クレスタは独特のポジションで存在感を発揮してましたね。

営業用からスポーツまでオールラウンダーのマークII、スポーツや若者向けに振った若々しいイメージのチェイサーに対し、オヤジ殺しの渋いラグジュアリーカーという点で初代から最後の5代目まで一貫していたと思います。

その渋さが後の世でいうVIPカー的な中古車需要を生んだり、ドリフトでも「あえてのクレスタ」で目立ったり、晩年にも往年のファンに向けたCMを流したりと、考えようによってはもっとも個性的、ビスタ以上に今はなきビスタ店の看板車種でした。

今回はそんなクレスタの歴代モデルを振り返ってみましょう。

初代(X50/60系):渋さ全開の元祖ハイソカー

トヨタGX51 クレスタ スーパーカスタム(初代)

なんとなくの高級感、現在の言葉で言うなら「清潔感」ってことになるんでしょうか?

そんな曖昧な定義ながら大ブームとなった「ハイソカー」の始まりについては、定義同様の曖昧さで諸説あるものの、初代クレスタも火付け役の1台だったことは間違いありません。

そもそもはトヨタが日曜営業や店頭販売の充実など、販売方式や新カテゴリー車種の実験販売チャンネルとして立ち上げた「ビスタ店」(※)向けフラッグシップ・モデルとして1980年に発売されたのが、初代クレスタ。

(※現在はネッツ店に統合されています)

同年10月モデルチェンジのマークII/チェイサーより半年早く登場、2.8リッターの5M-EUエンジン搭載車を設定せずに新型の1G-EUエンジンをトップに据え、ラグジュアリー感あふれる高級内外装と4ドアハードトップボディツートーンカラーで新時代をアピール!

「4ドアハードトップとしてはラグジュアリーセダンなみの高級さと重厚感があり、4ドアセダンとしては斬新なデザインでスポーティ」と、かなりうまくツボをついており、街で見かけても同世代のマークIIやチェイサーより断然カッコよかったものです。

筆者の父親は戦時中生まれのゴリゴリな保守派だったのでGX61マークIIセダン・グランデを買いましたが、子供心に「クレスタの方がカッコイイな…」と思ってました。

2トーンカラーの初期型、GX51スーパールーセントなんかは元祖VIPカー的なちょいワル系需要もありますが、「渋いけど決してオヤジ臭くない」と思えば納得。

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2代目(X70系):セダンになったのにスポーティ?!

トヨタGX71 クレスタ スーパールーセント ツインカム24(2代目)

2代目からは4ドアハードトップが主力になったマークII/チェイサーと逆転、クレスタは4ドアセダンとして最終型までモデルチェンジを繰り返しますが、ルーフは低いしフロントマスクやテールランプ周りに初代の面影を残しているしで、言われなきゃセダンと思いません。

さらにテール周りは同時期のクラウン4ドアハードトップ(S120系)と共通の雰囲気があり、「後ろから眺めた時の色気があるクルマ」でした。

それでいて2リッターDOHCツインターボの「GTツインターボ」がマークII/チェイサー同様に設定されてます。

エンスー漫画家・西風の作品には、免許取り立ての高校生3人組が駆るマークII3兄弟のGTツインターボ(X80系前期かも)と、マセラティ ピトゥルボ(英語でツインターボ)がバトルする話もあって、この頃から「マークII3兄弟」がネタとして使われ始めたようです。

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3代目(X80系):もっとも売れたが個性は薄かったような?

トヨタGX81 クレスタ スーパールーセント(3代目)

引き続き4ドアセダンの3代目ですが、売れたはずなのになぜか印象が薄い…と思っていたところ、Bピラーをブラックアウトしてピラーレスハードトップ風にしていたらしく、それではセダンにした意味がなかろうに、と思わせるモデル。

おかげで個性という意味では今一つで、マークII/チェイサーと異なりリアのナンバープレートをバンパーに配置し、横一直線のリアガーニッシュもクラウンばりの高級感というよりカリーナEDのようで、あまり好ましく感じた覚えがありません。

ただ、税制改正で大排気量車の税金が安くなったので、初代から一貫して設定のなかった2リッターオーバーの3リッター車と2.5リッター車(自然吸気/ツインターボ)が途中から追加され、名実ともに高級車らしいラインナップにはなりました。

4代目(X90系):独特の塊感あるフロントマスクが魅力

トヨタJZX90 クレスタ 2.5スーパールーセントG(4代目)

Bピラーをブラックアウトした「ピラーレス風4ドアセダン」で継続した4代目X90系は3ナンバー専用ボディとなって大柄に。

ただ、マークII/チェイサーが3ナンバー化を強調するような薄く横に広がるフロントマスクだったのに対し、クレスタだけは重厚感や塊感を感じさせるものとなっており、再び「ミニクラウン」的なラグジュアリー性を取り戻した感があります。

兄弟車同様にツアラー系のスポーツグレードも5速MTともども設定されており、ドリフト競技会で見かけると「VIP系ドリ車」という雰囲気で、スカイラインやローレルに負けない存在感があったものです。

ただしこの頃からアッパーミドルクラスの4ドアサルーンはRVブームの影響で需要が急減していき、明確なスポーツ路線を示せたマークII/チェイサーと比べて、ラグジュアリー路線ではちょっと苦しくなっていたかもしれません。

5代目(X100系):原点回帰で有終の美を飾る

トヨタJZX100 クレスタ 3.0エクシードG(5代目)

最後となった5代目X100系クレスタは、「マークIIでもチェイサーでもない、クレスタ」という初代への原点回帰を狙った全く別物のデザイン、懐かしのツートンカラー、スポーティグレードのルラーンGにもMTを設定しないラグジュアリー全振りモデルでした。

沢田研二、玉置浩二、高橋幸宏の「ちょっとカッコいいオヤジたち3人組」を起用したCMもイイ味を出していて、若い頃に憧れたクレスタにそろそろ乗ろうか、という気持ちになった人も、当時は結構いたのではないでしょうか。

実際はその頃だとミニバン全盛、今さらセダンを選ぶのもかえって勇気がいる時代でしたかがCM自体はとても印象深く、まだ20代前半だった筆者も、「自分がこの人たちの年齢になったら、クレスタが似合うような大人になっているかな」と思ったのを覚えています。

この代で終焉を迎えたクレスタですが、ネッツ店に吸収される前のビスタ店にはまだマークIIクラスの4ドアサルーンが必要…と思ったのかどうか、クレスタ後継で「ヴェロッサ」を出してきた時にはビックリしました。

「トヨタが考えたアルファロメオっぽいセダンの最悪な形」を持ってこられて、その頃のクレスタユーザーがどう思ったのか、ちょっと気になります。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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