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【トヨタ カローラ TE30】世界販売台数一位に昇り詰めたサンマルの実力
目次
深刻化する大気汚染のなか、3代目カローラ誕生
1966年の初代誕生以来、大衆車としての地位を確立したカローラは、1974年ついに3代目TE30型へとフルモデルチェンジを実施しました。当時の日本は急激な国土発達に伴い、大気汚染をはじめとする環境問題が深刻化。1970年には光化学スモッグの原因とされた炭化水素(HC)の実質的規制が開始。1972年には初の排出ガス規制基準が成立。その後規制基準は段階的にさらに厳しい値へと更新されていき、あらたな船出であったカローラは逆風に見舞われます。
そんななかトヨタは、排出ガス浄化システム「TTC(トヨタ・トータル・クリーン・システム)」を開発。カローラにも順次適合車を展開していくことになったのです。3代目カローラは1974年の誕生から1979年の販売終了に至るまで、実に3度の排出ガス規制基準をクリア。大衆車としての人気を不動のものとしたのです。
カローラ TE30のバリエーションは多彩。グレードにより差別化
3代目カローラは、2代目からのコンセプトはキープしながらボディサイズはひとまわり大きくなり、ゆったりとした居住空間と各部装備の充実化が図られました。ボディタイプは、
2ドア・4ドアセダン、バン・ワゴンに加え、あらたに2ドアハードトップを追加。さらに1976年にはリフトバックも加えられています。また、グレード設定ではグリルやテールランプの形状、インパネ、ステアリング、シートなどの仕様を細かく変え、差別化を図るなど、ワイドセレクション方式がとられ自在なベストマッチが好評となりました。
3代目カローラは、大きく分けて前期・中期・後期型に分かれ、1977年1月までのモデルが前期、それ以降1978年4月までのモデルを中期、以降1979年3月までのモデルを後期型とするのが一般的。前期・中期ではグレード別にグリルやテールランプ形状が別デザインとなっていたのを後期型では統一化。さらにバンパーも大型化されています。3代目カローラ通称「サンマル」は幅広い選択肢と手頃な価格・安定性から驚異的な販売台数を記録。1974年にはフォルクスワーゲン タイプ1を抜き、車名別生産台数世界一に輝いたのです。
大衆車と侮れない!3代目カローラにはスポーティモデルもあり
3代目カローラのパワートレインには、全車共通して駆動方式はFR、サスペンションには前輪がマクファーソンストラット、後輪がリーフ・リジットを採用。エンジンは当初、1.2L 直列4気筒OHVの3K-H型、同エンジンでツインキャブの3K-B型、1.4L 直列4気筒OHVのT型、同エンジンでツインキャブのT-BR型、1.6L 直列4気筒OHVの2T型、同エンジンでツインキャブの2T-BR型、1.6L 直列4気筒DOHCツインキャブ・ハイオク仕様の2T-G型、同エンジンでレギュラー仕様の2T-GR型がラインナップしました。
1.6L DOHCとした2T-G・2T-GR型を搭載するモデルは超メジャーモデル「レビン」となり別格ですが、1.6Lのツインキャブ仕様の2T-BR型を搭載するスポーティモデルのGSLでも最高出力を100PS、最高速度は180km/hを発揮し、大衆車と言え侮れない実力を誇りました。ちなみにこの記事の画像の個体は1.4L 直列4気筒エンジン・ツインキャブ搭載のグレード「SL」です。その後、カローラは厳しくなる一方の排ガス規制を適合エンジン開発で随時クリア。そのため、最高出力も発売当初よりもダウンすることとなりました。
3代目カローラは超稀少車。決断の前には注意も必要
3代目カローラは1970年代の車。爆発的ヒットで生産台数も多かった実績を持ちながら、大衆車であるがゆえに解体されてしまうケースも多く、現在流通している個体はありません。また、旧車の場合決断の前には維持費が不可欠であることを念頭に置きましょう。(2019年12月時点)
カローラ TE30型のスペック詳細
下記のスペックは発売当初のグレード「1200 スタンダード」のものとしています。
エンジン:1.2L 直列4気筒OHV(3K-H型)
最高出力:71ps/6,000rpm
最大トルク:9.7kg・m/-
ボディサイズ:全長 3,995mm 全幅 1,570mm 全高 1,375mm ホイールベース 2,370mm
車両重量:785kg
トランスミッション:4速MT
駆動方式:FR
乗車定員:5人
新車時車両価格:-
*本記事の画像は2019年9月にMEGA WEB トヨタ シティショウケースにて開催された新型カローラ・カローラ ツーリング メディア発表会にて撮影
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本日の在庫数 492台 平均価格 205万円 支払総額 50~473万円
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理