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トヨタ カリーナED(1985年)
カリーナ

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【トヨタ カリーナED 初代 ST160型】4ドアハードトップ旋風を巻きおこした傑作車

カリーナEDはなぜ学生に売れた?80年代バブル期特有の購買事情

トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
オートモビルカウンシル2019に出展された初代カリーナED。全車にフロントスポイラーが標準装備された。

トヨタ カリーナEDが誕生したのは1985年。当時の日本はプラザ合意による円高ドル安誘導により、不動産価格・株式市場が高騰。バブル経済期に突入しようとする時期でした。バブル期の空気感は独特の熱をおび、製品に対する購買意識はよりゴージャスで高額なものを求める傾向に。その意識は車でも同様で、前年に発売されたマークII・チェイサー・クレスタは爆発的ヒットを記録します。

高級モデルが飛ぶように売れ人気となる現象は「ハイソカーブーム」と呼ばれ、マークII三兄弟をはじめソアラやクラウン、そしてデビューしたばかりのカリーナEDも含まれました。カリーナEDの購買層には学生をはじめとする若い世代が多く、その理由には販売がクラウンを扱うトヨペット系列であったため、親世代がクラウン購入で訪れた販売店で、子供が親にねだりやすかったバブル期特有の事情もあったようです。

カリーナEDが火付け役!旋風となったボディデザイン

トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
フロントランプ周り・ウィンドウ周りなどはクロームメッキで加飾され、細かな部分も豪華な仕上げとした。
トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
全高の低さ・キャビンの小ささがカリーナEDの洗練さをアピールしている。

1985年デビューのトヨタ カリーナEDは、4代目セリカをベースにしたモデル。全高1,310mmと極力車高を低くしキャビンも薄めで、4ドアでありながら流麗なクーペスタイルに仕上げられました。ちなみにトヨタ現行モデルで車高が低いスポーツカーとなる86の全高は1,320mm。いかにカリーナEDが低いかがわかります。

また、4ドアとなるウィンドウの構造は特殊で、Bピラーをもたない「ピラーレスハードトップ」を採用。よりシャープでスポーティかつクリアに見えるサイドデザインは人気を博し、カリーナのもつ熟年層向けモデルのイメージをくつがえすことに成功。学生をはじめとする若い層の支持も得ました。

カリーナEDで採用された4ドアハードトップスタイルは、同モデルの爆発的ヒットを受けその後同等クラスのマツダ ペルソナ、日産 プレセア、三菱 エメロードなどに採用され、ハードトップ旋風を巻き起こすこととなりました。(*日産 プレセア 三菱 エメロードは薄いBピラーをもつピラードハードトップに分類)

トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
ウィンドウは特徴的な4ドアハードトップ(ピラーレス)でクリアだ。
トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
リアウィンドウの形状も急激に折れ曲がるラウンド型が採用され差別化を図った。

初代カリーナEDは1989年には2代目へとモデルチェンジを実施。1993年には3代目となり、98年カリーナセダンに吸収されるかたちで販売を終了しています。

走行フィールはセリカを彷彿カリーナEDのスペック

トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
後期型では、リアのカリーナEDロゴが夜間に光る装飾が追加された。
トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
トランクは思いのほか広く深い。

初代カリーナ ED ST160型は、洗練されスマートなフォルムでありながら、やはりベースとなったセリカのDNAを感じさせる走行フィールが随所に。

エンジンは当初、1.8L 直列4気筒SOHCにインジェクターが1つとなる1S-iLU型が最高出力105PS、1.8L 直列4気筒SOHCに気筒ごとにインジェクターをもつ1S-ELU型が最高出力115PS、2.0L 直列4気筒DOHCスポーツツインカムとした3S-GELU型が最高出力160PSを達成しています。(*出力はいずれもグロス値)

なかでも、スポーツツインカム3S-GELU型搭載のGリミテッドは一番人気で、セリカを思わせる始動時の大きいエンジン音やトルクも太く俊敏性もあわせ持つ走行性能から、見た目とのギャップ感がいいとの声もあがるほどでした。

トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
最上位グレードGリミテッドではマフラーはデュアルエキゾーストとなる。
トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
リアバンパーのブラックモールにもクロームメッキ仕上げが施されている。

見た目のスマートさを重視するあまりリアシートは狭く、大人ではリアウィンドウに頭部が近くなりすぎ、夏場のドライブは非常に暑かったというエピソードもあったようです。

カリーナEDの中古車価格は新しいモデルほど安くなる傾向

カリーナEDの中古車価格は30万~90万円ほどで市場に出回り、その価格は初代が一番高く年代が新しくなるほど安くなる傾向があります。

初代のもつスタイリングの良さ、他とはかぶらない稀少性の高さをカッコいいと感じるユーザーがいるようですが、室内はリア部も狭く性能も現行モデルに比べれば実用性は決して高いとはいえません。旧車購入にはそれ相応の覚悟も必要となるでしょう。

最新「カリーナED」中古車情報
本日の在庫数 13台
平均価格 120万円
支払総額 100~149万円

トヨタ カリーナEDのスペック表

エンジン1S-iLU型:直列4気筒SOHC
1S-ELU型:直列4気筒SOHC
3S-GELU型:直列4気筒DOHC
最高出力(グロス値)1S-iLU型:105PS/5,400rpm
1S-ELU型:115PS/5,400rpm
3S-GELU型:160PS/6,400rpm
最大トルク (グロス値)1S-iLU型:16.0kgf・m/3,000rpm
1S-ELU型:16.7kgf・m/4,000rpm
3S-GELU型:19.0kgf・m/4,800rpm
ボディサイズ全長:4,475mm
全幅:1,690mm
全高:1,310mm
ホイールベース:2,525mm
車両重量1S-iLU型:1,050kg
1S-ELU型:1,070kg
3S-GELU型:1,130kg
トランスミッション4速AT
5速MT
駆動方式FF
乗車定員5人
新車車両価格
トヨタ カリーナED 初代 ST160型 オートモビルカウンシル2019
オートモビルカウンシル2019に展示されたトヨタ初代カリーナEDのスペック表。
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