MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > メーカー・車種別 > スズキ > エブリイ > 昔、ちょっと流行った軽1BOXベースの超コンパクトミニバン《スズキ エブリイ+》【推し車】
エブリイ

更新

昔、ちょっと流行った軽1BOXベースの超コンパクトミニバン《スズキ エブリイ+》【推し車】

昔はちょっと流行った軽1BOXベースの超コンパクトミニバン

スズキ歴史館に展示されている、エブリイ+(プラス)

大昔、25年ほど前までは「軽1BOXベースの3列シートコンバクトミニバン」といえばスバル ドミンゴの独占状態でしたが、1998年に軽自動車が新規格へ移行した際、ベースのサンバーディアスはモデルチェンジしたものの、ドミンゴは発売されませんでした。

そこでチャンスと考えたのか、ホンダ以外の軽1BOXメーカーが競って参入、ダイハツ アトレー7 / トヨタ スパーキー、三菱 タウンボックスワイドと並び、ドミンゴ後継車を競ったのがスズキ エブリイ+(プラス)です。

新規格ベースのドミンゴがない!突如始まる後釜狙い

軽自動車版エブリイよりフロントノーズが長く、バランスの取れた姿に見える

1998年10月に軽自動車が現在の新規格へ移行した時、軽トラや軽1BOX車は少し遅れて翌1999年1~4月にモデルチェンジしますが、その際に大きく変わったのは衝突安全性能の強化で大きくなったボディだけではありません。

スバルは1983年にサンバートライ(後にサンバーディアス)をベースにジャスティ用の直列3気筒エンジンを搭載、3列シートミニバン化した「ドミンゴ」を発売、2代に渡って販売していましたが、新規格サンバーベースの3代目が存在しなかったのです。

この情報を知っていたのかどうか、ドミンゴが独占していたジャンルの買い替え需要があると見込んだようで、1999年6月、三菱 タウンボックスワイドと同月に発売されたのがスズキ エブリイ+(プラス)でした。

ドミンゴの後釜を狙ったスズキ、ダイハツ、三菱の軽1BOXベース3列シートミニバンは、それぞれの販売規模を象徴するかのようにスタンスが異なり、まさに三者三様だったと言えます。

フロントノーズが伸びたノッポな3列版、エブリイ+(プラス)

全高1.9m超えはドミンゴの後釜を狙った3台の中でもっとも高かったが、商用1BOXベースなので床面が高かった

もっとも簡素だったのは三菱のタウンボックスワイドで、海外向けコンパクト1BOXとして発売するためオーバーフェンダーで拡幅したボディへ1.1リッターGDIエンジンを搭載しますが、3列目シートは小さな補助席程度です。

もっとも気合を入れたのはダイハツのアトレー7で、リアオーバーハングを延長して立派な3列目シートと余裕ある乗車スペースを与えただけでなく、貨物仕様のハイゼットグランカーゴも発売しました。

その中間でバランスよく手を加えたエブリイ+は、アトレー7とは逆にフロントノーズを伸ばして衝突安全性能を確保、寸詰まりに感じる軽自動車版エブリイに対して伸びやかなデザインとなっています。

車内長は変わらないものの、2列目シートが3人がけベンチシートではなく2人乗りキャプテンシートとして、3列目3人がけシートへウォークスルーできたのが特徴で、前後方向の余裕は少ないものの、ドミンゴ同様の1.9mを超えるハイルーフで頭上スペースを確保。

あくまでFRの軽商用1BOXベースですから低床にはできなかったものの、乗降性や使い勝手の面では、より大型のハイルーフミニバンに近かったかもしれません。

エブリィランディと改名し、ライバルより少しだけ長命だった

床面が高くて難のある乗降性を電動ステップで補うなど改良したエブリイランディ、その名は今もトヨタ ノアOEMの「ランディ」に残っている

2001年には「エブリイランディ」と改名、フロアシフトからインパネシフトに改めて前席左右ウォークスルーも可能になり、インパネも一新、フロントのメッキグリルや大型バンパーなど外観も派手になって、電動オートステップなど使い勝手も向上。

改名によるイメージチェンジに留まらない、かなり気合の入ったビッグマイナーチェンジでしたが、販売面ではパッとしない状況が続きます。

そもそもドミンゴからして、ジャスティ用エンジンがいい加減に古かったという事情があったにせよ、モデルチェンジするほどの販売が見込めないと廃止されたでしょうし、その後釜を3台で争うほどの市場規模があろうはずもありません。

真っ先に脱落(2001年8月終了)したタウンボックスワイド、トヨタOEM版スパーキーも含め販売不振から回復しなかったアトレー7(2004年12月終了)に続き、2005年8月にはエブリィランディも後継車がないまま、販売終了してしまいました。

いずれもそれなりに需要があった海外では販売が続き、ダイハツなどハイゼットグランカーゴの後進、グランマックスをトヨタOEM(タウンエース/ライトエース)含め国内で復帰させていますが、エブリイランディを含む軽1BOXベースミニバンは復活していません。

2000年代に入ってホンダからモビリオやフリード、トヨタからシエンタといった「FF低床コンパクトミニバン」が登場したため、もはや軽1BOXベース車に需要はないということなのでしょう。

海外でも一回り大きい専用ボディの1BOX商用車/ミニバンに切り替わっているため、軽1BOXベースの3列シートミニバンは、エブリイランディが最後になりそうです。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

【推し車シリーズ】まとめて読みたい人はコチラ!

メーカー別●●な車3選はコチラ

スポーツカーを中心にまとめた3選はコチラ

「ちょいワルオヤジに乗ってほしい車」などの特集はコチラ

執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事

関連キーワード