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「わが社はこれでいいのか」名物経営者の一言が市場を独占!スズキ軽SUVたち【推し車】
1998年に現行の新規格へ移行して以来、軽自動車メーカー各社は多様化する価値観へ対応すべく軽SUVをラインナップしますが、ことごとく一代限りで消滅、2010年代に入る頃には軽クロカンのスズキ ジムニーと、ダイハツ テリオスキッドが細々と残る程度でした。
しかし登録車ではSUVブーム、コンパクトSUVにもブームの兆しがある中で「軽SUVがなくなったが、それでいいのか?」と疑問に思う声もあり、それに応えたスズキが軽SUV復活のノロシを上げ、見事に成功を収めました。
今回はトールワゴン、スーパーハイトワゴンに次ぐ軽自動車第3の革命とも言える、軽SUVブームで先頭を切ったスズキの3台を紹介します。
スズキ ハスラー(初代・2013年)
名物経営者の伝説的「天啓」、またもや発動!
「今、これだけのブームの中、軽自動車にはkeiの廃止以来クロスオーバーSUVが無い状況だが、それでいいのか」、とある会合で声をかけられたのは、初代ジムニー以来、何度も奇跡のヒット作を生み出してきたスズキの会長兼社長(当時)、鈴木 修 氏。
言われてみれば軽SUVはスズキ自身のジムニー以外、ダイハツがモデル末期のテリオスキッドを細々と作っている程度で、FF軽乗用車ベースのクロスオーバーSUVは1台もなく、もしも潜在的な市場を掘り起こせれば、それを独占できます。
ただちにワゴンRをベースに、高い最低地上高と大径タイヤを与えたハスラーを開発、丸目ヘッドライトで愛嬌あるファニールックや、トヨタの40系ランドクルーザー(あるいはFJクルーザー)を思わせるスタイルで、たちまち大ヒット!
ダイハツや三菱もライバル車を繰り出しますが全く寄せ付けず、「名物経営者の伝説」へ新たな1ページを刻んだのです。
- 最新「ハスラー」中古車情報
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本日の在庫数 8529台 平均価格 134万円 支払総額 24~299万円
スズキ ジムニー(4代目・2018年)
RVブーム以来となる、ユーザーが殺到した「本物」のクロカンSUV
ハスラーの大ヒットで軽SUV市場を活性化させたスズキですが、本来スズキSUVの看板車種といえば何と言ってもジムニーです。
しかし1998年、軽自動車の新規格移行を機にモデルチェンジした3代目は、悪路走破性こそ好評を維持したものの、クロカンらしからぬ柔らかい印象のデザインが不評で、パッとしないまま20年を迎えようとしていました。
そこで、初代や2代目のように無骨なイメージのデザインを採用した4代目へモデルチェンジすると、「いい意味でベンツのGクラスに似ている」という声もあって、オフロード志向のみならず、ファッションでも「本物」を求めるユーザーの心に刺さります。
大ヒットというほどではなかったものの、どうしてもジムニーが必要なマニア向けの需要を満たす程度だった生産ラインでは注文をさばききれず、小型車版のジムニーシエラともども長期のバックオーダーを抱える人気車種として知られるようになりました。
- 最新「ジムニー」中古車情報
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本日の在庫数 5559台 平均価格 155万円 支払総額 14~549万円
スズキ スペーシア ギア(2代目スペーシアSUV版・2018年)
内外装の雰囲気だけでも十分!なSUV風スーパーハイトワゴン
ライバル車が登場しても全く寄せ付けないヒット作となったハスラーとジムニーですが、スズキはそれで満足するどころか、「この路線でまだまだイケる!」とばかりに軽SUVのラインナップ拡充を図ります。
次に目をつけたのは軽スーパーハイトワゴンのスペーシアで、2代目になってからダイハツのライバル、タントを圧倒し、絶対的王者のホンダ N-BOXに迫る勢いですが、かつてのワゴンRのように人気ブランド化した王者の牙城はなかなか崩せません。
そこで、テコ入れとしてクロスオーバーモデル「スペーシア ギア」を開発、ハスラーやジムニーと共通イメージの丸目ヘッドライトにクロスオーバーでは定番の樹脂製パーツを多用、最低地上高を上げたり大径タイヤまで履かせず、内外装をSUV風としたモデル。
それでもうまく流行に乗ったか、スペーシアの2019年販売台数は増加、2023年夏に三菱 デリカミニが発売されるまで快進撃が続きそうです。
- 最新「スペーシアギア」中古車情報
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本日の在庫数 1019台 平均価格 171万円 支払総額 89~309万円
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...