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「世界中でファンが」スバル車の高性能を支えている“シンメトリカルAWD”って何?

スバル車の高性能を支えている“シンメトリカルAWD”

東京オートサロン2023にて展示された新型インプレッサ プロトタイプ

日本のクルマは実に多種多様ですが、中でもスバル車は独創的です。それは「シンメトリカルAWD」という構造を持っているからです。

シンメトリカルとは左右対称という意味ですが、スバル車はパワートレーン系がシンメトリカルなのです。

このパワートレーンのコアとなっているのが、水平対向エンジン、いわゆるBOXERエンジンです。ピストンが水平方向に動き、ボクサーがパンチを繰り出しているように見えることから、そのように呼ばれます。

この形式のエンジンを製造しているメーカーは希有で、自動車に採用しているのはスバルとポルシェだけです。

BOXERエンジンにより理想の重心バランスを実現

スバル BRZのGT300参戦車両に搭載されたEJ20エンジン

BOXERエンジンの美点は、コンパクトかつ低重心に配置することができることです。

一般的な直列エンジンやV6エンジンは上下方向にピストンを動かすため、どうしても高さが出てしまいます。それに対してBOXERエンジンは低くすることが可能で、しかも左右対称のため、理想的な重心バランスにすることができるのです。重心バランスがいいということは、コーナリング時の優れた運動性能につながります。

加えて、振動が少ないのもBOXERエンジンのメリットのひとつ。内燃機関エンジンは燃焼時にピストンが動くため、どうしても振動が発生します。この振動は不快感や疲労感に繋がるため、エンジニアは様々な対策を強いられるわけです。

スバルのBOXERエンジンの場合、4本のピストン(かつては6本もあった)が互い違いに動くことで、振動を打ち消す効果があるのです。そのため、静粛性が高いエンジンと言われています。

ただし、弱点がないわけではありません。それは燃費性能です。BOXERエンジンはボア・ストロークのスペック数値はロングストローク型ですが、直列エンジンと比較すると構造上短い傾向にあります。

そのため、高回転高出力型になり、街中走行などでの燃費がどうしても悪くなってしまうのです。昨今はモーターを組み合わせたe-BOXERというハイブリッドシステムも搭載していますが、大幅な燃費改善までには至っていません。

執筆者プロフィール
山崎 友貴
山崎 友貴
1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...

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