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「アラフィフ世代にはたまらない軽1BOX」フルタイム4WDに4気筒スーチャー、4・5代目の“旧規格”サンバー【推し車】
30~50代の読者には馴染み深い4/5代目の旧規格サンバー
MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」にノミネートされたクルマはスポーツカーに限らず、伝説的な色彩を帯びて語られる実用車も含まれますが、まだスバルが自社生産していた当時の軽1BOX/軽トラックの「サンバー」はその代表格。
それも1974年生まれの49歳と、30〜50代のど真ん中にいる筆者のような者にとっては550cc時代末期から660cc時代初期にかけて販売された、旧規格のサンバーはもっとも濃厚な思い出があります。
今回はそんな4代目および5代目のスバル サンバーを振り返りましょう。
フルタイム4WDを設定、派生車ドミンゴも生んだ4代目(1982年)
1982年に登場した4代目サンバーは最初から550ccエンジンを積む、(現在から見ると)旧々規格として開発されており、1970年代のどことなくバタくさい雰囲気を脱してスッキリしたデザインとなりました。
ラインナップは大きく分けて1BOXバンとトラック2種類なのは変わりませんが、1BOX車の方は「サンバートライ」と名乗った後、1987年のマイナーチェンジで豪華装備の乗用ユース仕様「サンバートライ」、従来からの商用仕様「サンバーバン」へと再変更。
この当時、各社の軽1BOXバンは1990年代に本格化するRVブーム初期の波に乗って、レジャーやアウトドアに適した乗用ユース仕様をベース車から分派しており、サンバーもその波に乗った形です。
サンバーの場合は1983年に1リッター3気筒エンジンを積むコンパクトな3列シートミニバン「ドミンゴ」を派生したこともあり、その機構を活かしたフロント回転対座シートや、採光度が高いハイルーフ用の「サンサンウィンドウ」も設定。
また、従来からのパートタイム4WDに加え、タイトコーナーブレーキング現象が起きそうになるとワンウェイクラッチで前後駆動を切り離す「フリーランニングクラッチ型」のフルタイム4WD車や、SOHC2気筒ながら3バルブエンジン車も追加されています。
一方で、レックスのようなトルコン式2速ATを採用せずオートクラッチ式MTのみだったり、2気筒エンジンのまま、スーパーチャージャーの設定もまだないなど、メカニズム面では新旧混ざりあった過渡期のサンバーでした。
4気筒スーチャー・ECVT車も登場した決定版!5代目(1990年)
1990年には660cc初期の旧規格サンバーとなる5代目へとモデルチェンジ、デザインはさらにスッキリした1990年代の軽自動車らしくなり、直列4気筒エンジンにスーパーチャージャー、無段変速機ECVTを採用。
この当時、他社も軽1BOX車の高性能化に取り組んでおり、三菱 ブラボーGTのように直4DOHC5バルブインタークーラーターボの超豪華仕様もありましたが、軽トラックにまで直4エンジン+過給機(スーパーチャージャー)を組んだのはサンバーくらい。
スーパーチャージャー仕様のサンバートラックは、某自動車誌の軽トラ性能テストでダイハツ ハイゼットトラックDOHCエンジン車すら上回る最高速と高速安定性を発揮し、高速道路を凄まじい高速でブッチ切る赤帽サンバーなど「都市伝説」を生んだのもこの頃です。
ミッドシップエンジンのホンダ アクティと、リアエンジンのサンバーは個性的な商用車として一目置かれ、それぞれ「農道のフェラーリ」(アクティ)、「田舎のポルシェ」(サンバー)などと呼ばれて親しまれました。
サンバートライ改め「サンバーディアス」となった乗用ユースの1BOX車に、いち早く「サンバーディアスクラシック」を追加、軽自動車やコンパクトカーの「レトロカーブーム」で先駆けとなったのも、この代のサンバー。
1999年には、2012年に生産を終えるまでスバル独自生産型としては最終モデルとなる6代目が登場しますが、その基本は5代目で既に固まっていました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...