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「“いいひと”止まりじゃトキめかない」何しても売れずいつの間にか終売…普通が過ぎた三菱 トレディア/コルディア【推し車】

売ってたことすら気づかれなかったのでは?という不人気

ミラージュIIセダンやランサーフィオーレが売れて、トレディアが売れなかった理由は断言しにくいが、こういう車を買うユーザーはトヨタ車や日産車を買うから…というのがもっともシックリくる

まず危機的状況に陥った…というより、ハナから売れなかったのは、4ドアセダンのトレディアで、一番堅実そうですが、そういうクルマが欲しい客は何度も言いますが、最初から三菱ディーラーに来ません。

3ドアクーペのトレディアは、ランサーセレステからの乗り換えがスタリオンではちと高い…というユーザーから多少は買い替え需要があったのですが、やはりすぐ尻すぼみ。

慌てて発売翌年の1983年には1,600ccターボを1,800ccターボへ更新し、4速MT×2段副変速機=8速MTとして使用可能な「スーパーシフト」から、ターボ車のみ5速MTへ。

それでも販売不振は目を覆うばかりで、現場では本当に売っているのか不思議なレベルで売れなくなります。

ついには1984年、4WDが追加された時点で、コルディアが1,800ccターボ+スーパーシフト(復活)+4WDだけ残してグレード整理され、トレディアも1,400ccエンジンを廃止してデザイン変更、車格アップを図るマイナーチェンジを敢行しますが…全く効果なし!

実は目的に応じてさまざまな種類がある“パトカー”

何が悪いわけでもないのだけど…よくもない

1,800ccターボ+スーパーシフト+4WD化でフェイスリフトもして…と勝負して、結構カッコよかったコルディアは海外だとそれなりに知名度があってファンもいるのに、日本では「そんな車売ってたっけ?」と思う人が多そうな?
出典:flickr.com Author:orion CC BY 2.0

期待のスポーツ路線も、翌1985年にフルタイム4WDのファミリア4WDターボが出れば、パートタイム4WDのトレディア/コルディアなど、すぐ見向きもされなくなります。

というより、三菱には1,800cのターボエンジンを積んでお客の評判も上々のスポーツセダンが既にありまして…そう、FRだからと三菱自身が見切りをつけたはずの、「ランサーEXターボ」です。

もし、トレディア/コルディアに形は無理でもカラーリングくらい派手なイメージリーダーがあれば?

もし三菱が4WDとターボを推進する中で、もっと早くフルタイム4WDを市販車にラインナップできていたら(ギャランVR-4の発売h1987年)?

もし、1982年〜1983年からちょっとずらして発売できて、社内競合を減らせていたら?

後悔先に立たずの後知恵には違いありませんが、トレディア/コルディアも、あるいは三菱自動車自身の運命も、だいぶ変わっていたかもしれません。

もっとも、そのためにはミラージュを売るためカープラザ店を作った時のように、トレディア/コルディアを売るために営業マンが駆けずり回る、新販売チャンネルが必要だったかもしれず、後のマツダ5チャンネル体制のような悲劇が待っていたかもしれませんが。

いずれにせよ、クルマ自体は「特別何が悪いというわけでもない」トレディア/コレディアは、もっと売れてもよかった気がしますが、売れる要素に欠けていたのも事実。

その後も細々と売られたトレディアとコルディアですが、1990年にはついに、客のいない舞台から去ってしまいました…。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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