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「すごいなマツダ。どうやったんだ?」排気量上げて燃費下げる?CX-60の燃費の謎
新型SUV『CX-60』のパワートレイン3つのスペックが公開に
マツダの新型SUV『CX-60』は、2022年3月に欧州で発表され、その後4月7日に日本仕様が発表されました。日本での発売は2022年9月を予定していて、全国のマツダ販売店を通じて予約受注が開始されています。
CX-60には、『SKYACTIV-G 2.5』『SKYACTIV-D 3.3』『e-SKYACTIV D』『e-SKYACTIV PHEV』の4つの幅広いパワートレインを展開しますが、9月に発売されるパワートレインはe-SKYACTIV D搭載モデル。その他のモデルについては12月に発売予定です。
e-SKYACTIV PHEVを除いて、各パワートレインのスペックも明らかとなり、特にSKYACTIV-D 3.3、e-SKYACTIV Dの3.3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンは話題となっています。
3.3L直6ディーゼルの燃費はヤリス並
CX-60の3.3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンは、1500回転という低回転から500Nm以上のトルクを発揮する力強さはもちろん、その燃費性能も注目されています。
CX-60のWLTCモード計測での燃費は、XDおよびS Packageの2WDモデルで19.8km/L、4WDでは18.5km/Lという数字になっていますが、これは2022年1月から6月までの国内販売台数で1位につけているトヨタ ヤリスに迫る数値です。
単純比較とはなるものの、国産メーカーではトヨタ ランドクルーザー(300)も3.3リッターV型6気筒ディーゼルエンジンを用意していて、その燃費はCX-60の半分以下となる9.7km/L。CX-60の燃費が驚異的であることがわかります。
ただし、ランドクルーザーはじめ、同クラスのディーゼルエンジン搭載車と比較する出力では控えめな数値であるため、このあたりで評価が分かれるでしょう。
欧州メーカーの燃費表記はわかりにくい?
1.8L、2.2Lより燃費がいい3.3Lディーゼル
モデル名(それぞれ最上位グレードで比較) | 2WD | 4WD |
---|---|---|
CX-3(6AT・SKYACTIV-D 1.8) | 20.0km/L | 19.0km/L |
CX-30(6AT・SKYACTIV-D 1.8) | 19.5km/L | 18.7km/L |
CX-5(6AT・SKYACTIV-D 2.2) | 17.4km/L | 16.6km/L |
CX-8(6AT・SKYACTIV-D 2.2) | 15.8km/L | 15.4km/L |
CX-60(8AT・SKYACTIV-D 3.3) | 19.6km/L | 18.3km/L |
CX-60 XD-HYBRID(8AT・e-SKYACTIV-D) | 設定なし | 21.1km/L |
※参考 MAZDA2(6AT・SKYACTIV-D 1.5) | 21.6km/L | 19.2km/L |
また、マツダはCX-60のほかにもディーゼルエンジンを搭載していて、『ロードスター』、『MX-30』を除くすべてのモデルに『SKYACTIV-D』を展開。
『MAZDA2』に搭載されている1.5リッターの『SKYACTIV-D 1.5』が最も排気量の少ないディーゼルエンジンで、『MAZDA3』『CX-3』『CX-30』に1.8リッターの『SKYACTIV-D 1.8』、『MAZDA6』『CX-5』『CX-8』は、2.2リッターの『SKYACTIV-D 2.2』を搭載しています。
上の表でディーゼルエンジンを搭載するマツダのSUVを比較すると、SKYACTIV-D 3.3の燃費は、SKYACTIV-D 2.2よりも優れ、SKYACTIV-D 1.8と同程度。少なくとも1.1L以上の差があるSKYACTIV-D 3.3ですが、その差を感じさせない優れた省燃費性能であることがわかります。
排気量を上げながら燃費改善を実現したマツダ。ダウンサイジングや電動化といった時代の流れに沿いながらも逆行しているとも見えるCX-60が、マツダにとって大きな役目を持ったモデルであることは間違いないでしょう。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...