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「小さいのにバカッ速」驚異のハイスペック!90年代の軽4WDターボ王者・アルトワークスRとミラX4【推し車】

小さくとも熱く激しかった、90’s軽4WDターボ対決!

ターボではなくスーパーチャージャーだが、スバル ヴィヴィオもWRCでの活躍を引っ提げ一時期割り込んだが、国内軽自動車クラスでの主力にはなりえなかった。 ©STI

1990年代の国産4WDターボ対決…といえば、三菱 ランサーエボリューションとスバル インプレッサWRXによる2リッター4WDターボによる大バトルが有名どころ。

しかし他のクラスでも激しい対決があり、中でも1990年代を代表するのはダイハツ ミラX4とスズキ アルトワークスRによる、ダートトライアルやラリーでのトップ争いでした。

そもそも550cc時代末期、小排気量クラスの主力だった日産 マーチ(初代)を蹴落としつつミラとアルトワークス(ともに2代目)の4WDターボ対決が始まり、660cc時代には競技専用モデルの登場、スバルからヴィヴィオRX-Rの乱入もあって大いに盛り上がりました。

主なステージはラリーやダートトライアルでしたが、ストリートでも名もなき無数のバトルが繰り広げられたことでしょう。

ダイハツから競技用モデル登場、 3代目ミラX4-Rと4代目ミラX4

4代目ダイハツ ミラX4 ©DCTMダイチャレ東北ミーティング

1990年に軽自動車が規格改訂で660ccになった初期、いち早いモデルチェンジで3代目となったダイハツ ミラでしたが、先代モデルにあった4WDターボ車の発売はやや遅れて1990年11月。

これが最初の「ミラX4(クロスフォー)」でしたが、モータースポーツでの本命は、はさらにエンジンやタービン、コンピューターにも手を入れクロスミッションを組んだ競技用メーカーチューンド「X4-R」(1991年1月発売)。

そのため1990年シーズンはアルトワークスを相手に苦戦したものの、1991年にX4-Rを投入すると、規則上、後から改造を許されない部分に最初から手を加えたメーカーチューンドのメリットを活かし、一気に形勢逆転!

全日本ラリーや全日本ダートトライアルでは、後述するアルトワークスRや、スバルから新たに参戦したヴィヴィオRX-RAといった競技用メーカーチューンドによる激しい戦いとなりました。

これらは普通車で言えば「グループAホモロゲモデル」のようなものでしたが、特に台数限定というわけではなく、実質受注生産とはいえ注文すれば、通常モデルよりハイスペックのマシンを安価に買えたのが特徴。

ミラでは1994年にモデルチェンジした4代目でも、新型の直4DOHCターボエンジンJB-JLを積むメーカーチューンド版「ミラX4」およびFF版「ミラX2」を発売します。

X2は全日本ラリー2WD部門で活躍したものの、X4は同時期にモデルチェンジした3代目アルトワークスの4WDターボモデルに全く歯が立たず、一回り大きいリッターカーボディへ軽規格を超えた713ccターボエンジンを積む、「ストーリアX4」の登場を促しました。

スズキも競技用モデルで対抗!2代目/3代目アルトワークスR

これは同じ4WDターボのHB21Sでも一般ユース向けのアルトワークスRS/Zだが、競技用メーカーチューンドのアルトワークスR、特にエアインテークが巨大な後期型は放つオーラが全く異なった ©DCTMダイチャレ東北ミーティング/サザンノジムカ

660cc初期までミラ4WDターボと互角以上に戦ったスズキ アルトワークスですが、ダイハツが1991年に競技用メーカーチューンドにはさすがに旗色が悪く、翌1992年には同じくクロスミッションなどを組み込んだ「アルトワークスR」を発売。

1993年にはスバル ヴィヴィオRX-RAも加わる三つ巴の戦いを制し、全日本ラリー、全日本ダートトライアルともにシリーズ王座を奪回します。

翌年のモデルチェンジで新型でオールアルミ直3DOHCエンジンの名機「K6A」ターボを搭載すると、これにも引き続きアルトワークスRを設定し、ヴィヴィオはもちろん、モデルチェンジしたミラX4をも寄せ付けない速さで、「1990年代軽4WDターボの王者」へ君臨。

1997年にはワークスRのみボンネット幅いっぱいに広がる大型エアインテークを設けるなど、それまで外見上は地味だった競技用メーカーチューンドの常識を塗り替えるマイナーチェンジが行われ、もはや手のつけられない速さへと進化しました。

1998年には新規格版へモデルチェンジしますが、大きく重く、競技用メーカーチューンドもない新型より、旧型(HB21S型)を好むユーザーは多く、ダイハツがストーリアX4を繰り出しても必ず勝てる相手ではないほど、アルトワークスRは速かったのです。

さすがにスズキのワークスチーム「スズキスポーツ(現・モンスタースポーツ)」が撤退すると、ダイハツのワークス/セミワークスが駆るストーリアX4が強かったものの、後継のブーンX4時代になってもプライベーターのアルトワークスRが勝つ事すらありました。

おそらく2023年現在でも、ステージを問わず軽自動車のベストマシンを1台選べと言われたら、3代目のアルトワークスRを選ぶファンが多いのではないでしょうか?

何しろ超がつくダイハツ党である筆者でさえ、HB21SアルトワークスRの速さだけは認めざるをえません(おかげでストーリアX4が登場したため、ずいぶん楽しい想いもさせていただきましたが)。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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