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シェルビー マスタングの歴史|フォード設立100周年で復活したV8マッスルカー

【最新情報】新型シェルビーマスタングGT500が公開

新型シェルビー マスタングGT500

2019年1月14日、北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)にて、新型マスタング シェルビーGT500が公開されました。北米での発売は2019年後半となる見込みです。

新型マスタング シェルビーGT500は、GT350に搭載されている、スーパーチャージャーつき5.2L V8エンジンを採用。改良版サスペンションや新しい電動パワーステアリングなどの効果で、パフォーマンスを向上させています。

また、オプションの「カーボンファイバー・トラックパッケージ」では、20インチのカーボン製ホイールと調整式リアウイングが搭載されます。ただし、軽量化のため後席が省かれ2人乗りになるということです。

シェルビー マスタングとは?フォードとの違い

17年型シェルビーGT500とGT500R

シェルビー マスタングは、フォードが初代マスタングでSCCAクラブマンレースに参戦するため、元レーサーのキャロル・シェルビーにチューニングを委託したホモロゲーションモデルです。現在のシェルビー マスタングはシェルビーの手を離れ、フォードによってマスタングをベースとしたハイチューンドモデルとして製造されています。

シェルビー マスタングには伝統的に、パワーアップされたV8エンジンと、それに耐えるボディ補強と専用のサスペンションセッティングが与えられます。そして、ボディに刻まれる2本のセンターストライプがシェルビーのトレードマークです。

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シェルビー マスタングの歴史

キャロル・シェルビー氏

キャロル・シェルビー

元レーサーのキャロル・シェルビー

シェルビー マスタングの育ての親ともいえるキャロル・シェルビーは、1950年代のF1ドライバーとして活躍し、ル・マン24時間耐久レースで優勝経験もある優れたレーシングドライバー。36歳のときに心臓病の悪化が原因でレースを退きました。

しかし、その翌年にはレーシングコンストラクターとカーデザインを務める、「シェルビー・アメリカン社」を設立しレーシングカーの製作を開始。キャロル率いるシェルビー・アメリカン社は、ACコブラやシェルビー・デイトナでル・マンを制した後、フォードのレース活動を請負います。

チューナーとしてのシェルビー

シェルビーがチューニングを手がけた途端、それまで悪戦続きだったフォードチームのGT40はル・マン24時間耐久レースで4連覇する快挙を達成しました。

その経緯から親しい間柄となっていた、フォード副社長でありマスタングの生みの親であるリー・アイアコッカに依頼され、シェルビーはマスタングのレースバージョンを製作。これが1965年に誕生した初代シェルビー マスタングGT350です。

シェルビー マスタングの誕生と衰退

初代シェルビー マスタングGT350 1965年

シェルビーGT350

クラブレースSCCA(Sports Car Club of America)に出場させるべく開発された初代シェルビー マスタング GT350は、レースに出場するためのホモロゲーションモデルとして100台が製作されました。シェルビーによってチューンされたマスタングは、徹底した軽量化をおこなったボディに、ハイチューンのV8 OHVエンジンと、レース用サスペンションとLSDを搭載。

レースでは好成績をおさめるものの、軽量化のために快適装備を一切取り払われたシェルビー マスタングは乗用には向かず、翌年にはレースパーツをオプション化して販売するに至ります。

過熱化するパワーウォーズ

その後は、ホモロゲーションモデルであると同時にハイパワーロードカーとして人気を博し、マスタングのモデルチェンジ毎にシェルビー・マスタングを製作。シェルビー・マスタングはハイパワーV8エンジンを搭載した、1960年代のアメリカンマッスルを代表する車になりました。

しかし、1970年代に入るとベトナム戦争や第一次オイルショックの影響、排ガス規制の強化によって大排気量高出力エンジンを搭載したマッスルカーは淘汰され、シェルビー マスタングの開発は中止されることになりました。

35年ぶりに復活したシェルビー マスタング

シェルビー GT500 2007年

シェルビー マスタング GT500 2007年
Green Monsters パブリック・ドメイン
出典 : https://ja.wikipedia.org/

フォードは設立100周年を迎え、社内では往年の名車を復活させる動きが活発になります。フォードGTやサンダーバードとともに、2005年に登場した6代目マスタングには、シェルビーモデルの復活が決定しました。

製作はシェルビー・アメリカン社ではなく、フォードの特殊車両を扱うフォードSVT(スペシャル・ビークル・チーム) が担当。基礎設計やセッティングにはキャロル・シェルビー自身がアドバイザーとして加わり、2007年に登場した「フォード シェルビー GT500」は、実に35年ぶりに復活したシェルビー マスタングになりました。

アメリカンV8マッスルカーの象徴

その後はマスタングがモデルチェンジする度に、ハイチューンバージョンとしてシェルビー マスタングを投入。なかでも「Super Snake」と呼ばれるモデルは、シェルビー・アメリカン社に持ち込まれ、シェルビーによって手作業でチューニングされる特別モデル。

その価格は市販されるシェルビー マスタングの2倍にもなり、700〜800馬力のありあまるパワーと、それを抑えこむセッティングが施された最強のシェルビー マスタングです。

キャロル・シェルビーは2012年5月に89歳でレーシングカーに捧げた人生に幕を閉じ、現在のシェルビー・アメリカン社はキャロルの弟子たちによって運営されています。キャロル・シェルビーが育ててきたシェルビー マスタングは、これからもアメリカンV8マッスルカーの象徴として君臨し続けるでしょう。

第1世代|初代マスタングをべースにレース向けチューン

1965 GT350/GT350R

シェルビー マスタング GT350R 1965年
Sicnag CC 表示 2.0 / CC BY 2.0
出典 : https://ja.wikipedia.org/

SCCAクラブマンレースに参戦するために、初代マスタングをベースに、シェルビーに製作依頼され完成したのがGT350です。エンジンは最高出力309馬力の4.7L V8 289キュービックエンジンを搭載し、レース用のサスペンションとLSDが装備され、快適装備の一切が取り去られました。

GT350はストリートチューン、GT350Rはドラッグレース向けの車両として製作され、両車の違いは安全装備の有無だけです。

1966 GT350/GT350H

シェルビー マスタング GT350H 1966年

レース指向が強すぎたシェルビー マスタングでは販売が伸び悩んだため、リアシートと快適装備を追加したモデルとして販売。レース装備はオプションで用意されていました。GT350Hは、レンタカー専用モデルで、黒のボディカラーに金色のストライプがイメージカラーです。

1967 GT350/GT500

シェルビー マスタング GT500 1967年

67年型シェルビーGT500エレノア
Juanyo CC 表示 3.0 / CC BY 3.0
出典 : https://en.wikipedia.org/

ベースのマスタングがマイナーチェンジを受けたため、それにあわせてボディ形状の変更を施したシェルビー マスタングです。より快適性が重視された設計になりました。排気量7.0L V8エンジンを搭載したGT500は最高出力355馬力をマーク。GT350との違いはエンジンのみです。

第2世代|大排気量大パワーのアメリカンマッスル

1968 GT350/GT500/GT500KR

シェルビー マスタング GT500KR 1968年

1968年モデルからシェルビーの販売ではなく、フォード マスタングのカタログモデルになりました。GT350のエンジンはさらにチューニングを進めた4.9L V8エンジンに換装され、GT500にも若干の改良が施され出力が向上しています。

GT500KRの「KR」は「キング・オブ・ロード」の略で、GT500以上のパフォーマンスが与えられたシェルビー マスタング。さらにチューニングが進められた7.0L V8エンジンに、高性能サスペンションやLSDが装備されます。

1969 GT350/GT500

シェルビー マスタング GT500 1969年

69年型シェルビーGT500
GTHO CC 表示 3.0 / CC BY 3.0
出典 : https://en.wikipedia.org/

高いパフォーマンスを発揮した1969年製のフォード マスタング マッハ1にベース車両が変更され、シェルビー マスタングはGT350/GT500とも大幅にパフォーマンスを向上させました。

しかし、ベトナム戦争による社会情勢悪化や第一次オイルショックの影響で、このモデルを最後にシェルビー マスタングの開発が中止されることになりました。

第3世代|洗練されたハイチューンドモデル

2007 シェルビー GT500

フォード シェルビー GT500 2007年

07年型シェルビーGT500

2005年に登場した6代目フォード マスタングをベースとしてシェルビー GT500を発売しました。ただし、製作はシェルビーではなくフォードSVT(スペシャル・ビークル・チーム)です。

復活したフォードGTやサンダーバードとともに、初代マスタングをモチーフとしてデザインされた6代目マスタングに、ハイチューニングとシェルビー マスタングの名前を与えて2007年に復活させました。

搭載エンジンは5.4L V8エンジンをスーパーチャージャーで過給し、最高出力は500馬力オーバーをマーク。クーペとコンバーチブルボディが用意されます。

2013 シェルビー GT500/GT500「Super Snake」

フォード シェルビー GT500 2013年

13年型シェルビーGT500

6代目フォード マスタングのマイナーチェンジを受け、新型をベースに外観の小変更とエンジン出力を662馬力まで向上させて登場したのが2013年製シェルビー GT500です。

GT500「Super Snake」は、GT500を850馬力までパワーアップし、その高出力に耐える各部のチューニングをハンドメイドで施す特別オーダーモデルです。

2016 シェルビー GT350/GT350R/GT350「Super Snake」

フォード シェルビー GT350 2016年

フォード シェルビー GT350 2016年

7代目フォード マスタングをベースとしてチューニングされたGT350は、5.2LのV8エンジンを搭載し、最大出力は526馬力を発揮。GT350Rのほうは足回りを締め上げられ、軽量化が施されたサーキット仕様。エンジン出力は534馬力まで引き上げられています。

GT350「Super Snake」は、サスペンション・ブレーキ・内外装・吸排気などのいたるところに手が加えられ、高性能スーパーチャージャーによって750馬力オーバーまでパワーアップしています。

フォード・マスタングのGT500エレノアやコブラなど歴代モデルや新車と中古車価格&燃費も

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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