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【ディーノ】フェラーリとは違う?名車206/246の中古車価格からスペックまで
目次
フェラーリ ディーノとは?
ディーノ 206GT(1967年)
![フェラーリ ディーノ 206GT](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2017/03/Dino_206.jpg)
ディーノ206GTは、フェラーリが量産車として製造した初のミッドシップ2シーターのスポーツカーです。難病のため1956年に24歳の若さでこの世を去ったエンツォ・フェラーリの息子アルフレード・フェラーリ(愛称:ディーノ)に、その名は由来しています。
生前のアルフレードがアイデアを出したとされる「65度V型6気筒DOHCエンジン」の業績を偲ぶとともに、V型12気筒エンジン搭載車と区別するために「フェラーリ」ではなく「ディーノ」というブランド名が採用されました。「ディーノ」は車名ではなくブランド名として与えられたもののため、ディーノは「フェラーリ」を名乗っていません。
ディーノはフェラーリにおける唯一のV型6気筒エンジン搭載モデルで、現在のフェラーリV型8気筒モデルへの道を切り拓いた存在でもあります。
ディーノ246GTSはオープンエアを楽しむタルガルーフ仕様
ディーノ246GTS(1972年)
![Dino246GTS_1972](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2018/07/Dino246GTS_1972.jpg)
ディーノとしては、初のモデルである206GTに続き、発展型の246GT、そしてルーフが外れるタルガルーフ仕様のオープンカーである246GTSが生産されました。
246GTSは1972年開催の「ジェネーブ モーターショー」でデビューしたタイプ Eから追加されたオープン仕様のボディとなっていて、ルーフが外れるタルガ スタイルのオープンカーです。
外したタルガ ルーフは、シート後部に立てて格納できるようになっていて、その作業は1人でも可能で簡単にオープンエアーが楽しめます。
エクステリアデザインはBピラー以降のデザインが専用となり、一目でGTSであることが認識できます。
そんな246GTSが2019年2月23〜24日に開催された日本最大級のクラシックモーターショー、「ノスタルジック2デイズ2019」に出展されました。本記事以下の黄色の246GTが、その出展車両です。
フロント部分
ディーノ 246GTS(1973年)フロント
![](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/2D0B20F5-17D7-4C9F-A920-5BEEA58CB7E3.jpeg)
フロントノーズがヘッドライトより低い位置にある、独特なディーノのデザイン。これは、エンジンが運転席の後ろにあるミッドシップレイアウトであるからこそ可能となっています。つまり、ディーノの独特なエクステリアは、駆動方式と深く関係しているのです。
フロントコーナーバンパー
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/934AC1E8-9D75-4D12-B695-535F35E2D9B4.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/05DA07D4-D773-457F-B486-5B42F7DDBD14.jpeg)
詳細は後述しますが、ディーノ 246GTには3つのタイプがあり、246GTSはその最後である「タイプ E」に含まれます。
それまでのモデルと比べて外見上の変更点のひとつが、フロントコーナーバンパーの形状です。コーナーバンパーがグリル開口部に食い込む形状から、この画像の通り開口部に食い込まない短いものへと変更されました。
リア部分
ディーノ 246GTS(1973年)リア
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/7FA54C07-3732-4720-B27F-9FFED6931249.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/EEA97331-A761-4A50-B22F-BF68433BAE3F.jpeg)
ディーノ 246GTS(1973年)車体後部
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/50503080-23A5-42AF-B299-F96C440A5502.jpeg)
ディーノの全長は約4,300mmと、国産コンパクトカーの代表、トヨタ アクアの全長約4,100mmと比べてさほど大きな差はありません。しかし、短い全長に対してリアのボンネット(エンジンフード)が長くとられており、これも独特の流麗なデザインを作り出す重要な要素のひとつになっています。
またテールランプは片側に丸型2灯を置くデザイン。これは現在にも通ずるフェラーリ伝統の意匠です。
ドア周辺
ディーノ 246GTS(1973年)ドア部分
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/F9314D64-2830-4433-9AC7-AD7AD72B33DF.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/B6E9A96E-69D6-4B7F-80EF-F9D13C7024CD.jpeg)
ドアの横には、車体後部のエンジンルームへと外気を導くエアインテーク(吸気口)が。ミッドシップモデルだからこその装備ですが、これもまた現在のミッドシップ フェラーリにも脈々と受け継がれる伝統のデザインです。
ディーノ 246GTSのインテリア
ディーノ 246GTS(1973年)コックピット
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/D68730EC-F6D3-48F1-ADF1-D48F867CE31E.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/753A45AC-34D9-49EE-90AE-F890D9BC3E0E.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/9CEA427E-D199-4C50-81CC-F7176AC8BABC.jpeg)
![ディーノ 246GTS 1973年](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/2D2A7DEA-1CE1-4BD7-A709-AAD39FF03AEF.jpeg)
車内には、2シーターとはいえ意外に広いスペースが確保されています。
ダッシュボードに大小さまざまなメーターが詰め込まれているのが印象的で、スタイリッシュなイメージをかもし出します。
トランスミッションは5速MTです。
ディーノにフェラーリのエンブレムはない?
フェラーリ フロントエンブレム
![フェラーリ F12 ベルリネッタ](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2016/11/10409818875_2404b69bac_z.jpg)
ディーノ フロントエンブレム
![ディーノ エンブレム](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2018/07/77a4ac4e143069f7a80030ad07f3e0ad.jpeg)
ディーノは車名ではなくブランド名なので、車体のフロントノーズにあるエンブレムも縦型の「Ferrari」ではなく横型の「Dino」でしたが、エンブレムのベース色はフェラーリのコーポレートカラーである「イエロー」です。
「フェラーリ ディノ206GT」のように頭に「フェラーリ」をつけた表記もありますが、当時フェラーリがオプションにてリアに「Ferrari」のバッジを付けていたこともありますので、その表記は間違いとは言えないようです。
ディーノに関する記事はこちら
名車「ディーノ206GT」
ディーノ 206GT(1967年)
![Dino206GT/1967](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2018/07/Dino206GT_1967.jpg)
ディーノ206GTが登場した経緯は当時レースカテゴリーの「F2」規則変更に伴い、エンジンホモロゲートの条件となる量産型2.0L 6気筒エンジンの台数確保のためでした。
フィアットとの協力関係によりフェラーリが設計しフィアットが製造協力したエンジンを、「フィアット ディーノ スパイダー/クーペ」と「フェラーリ 206GT」に搭載し、両社合わせてエンジンホモロゲートの台数をクリアすることができました。
同じエンジンを搭載したフィアット車にも「ディーノ」という名前が与えられています。
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理