2022年11月10日更新

「なんちゃってSUV」とは呼ばせない！高級SUVの幕開けを告げた車たち【推し車】

かつて「高級車」といえばセダンが定番でしたが、世界的にセダンではなくSUVが自動車販売の主流となっている現在、最低地上高が高いため優れた走破性や視界の広さ、技術の進歩で快適性や操縦性も優れるようになったSUVにも高級車があるのは当然です。

しかしかつては「SUVとはジープのようなオフロード車」という思い込みもあり、特に国産車で高級SUVが成立しにくい時代が続いたものの、1990年代後半には現在に続く高級SUV時代が幕を開けました。

今回は高級SUVの幕開けを告げた時代を代表する、3台のSUVを紹介しましょう。

スバルレガシィグランドワゴン/ランカスター（初代・1995年）

初代レガシィが成功したスバルですが、主要市場の北米ではかつてのレオーネやAMC イーグルのレオーネのように、最低地上高が高い野性味のあるモデルが求められました。

そこで2代目レガシィ（1993年）の最低地上高を大径タイヤとサスペンション変更で200mmへ上げ、現在でいうクロスオーバー風の外装と、カジュアルテイストながら上質なインテリアを組み合わせたSUV版、初代アウトバックを北米で発売（1994年）。

北米版はセダンもありましたが、RVブームの日本ではワゴンのみ1995年にレガシィグランドワゴンとして発売（1997年にレガシィランカスターへ、2003年の3代目からはレガシィアウトバック）。

このジャンルを「なんちゃってSUV」とバカにする風潮があった日本でも、レガシィグランドワゴンが普通のワゴンと別格の高級SUVと認められ、既存車のクロスオーバー版が高級モデルとして販売されるようになりました。

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当初、「大衆車の最低地上高を上げたオフローダールック版」として世に出たクロスオーバーSUVですが、世界的にセダン市場が縮小してSUVへと移行する中、高級セダンもSUVに取って代わるキッカケとなったのが初代レクサスRX、日本名トヨタハリアー。

カムリをベースにSUV化するだけでなく、スポーティなクーペルックやラグジュアリー要素の強い内外装によって、「高級ホテルなどフォーマルな場へも乗り付けられる高級SUV」として人気となり、世界中の自動車メーカーが競って同ジャンル車種を作りました。

日本でも高級ミニバンともども、高級車というジャンルからセダンを駆逐するのに大きな役割を果たしましたが、1996年から「セダン・イノベーション」と称してセダンの復権へ取り組んでいたトヨタからこの種のヒット作が生まれたのは、なんとも皮肉なものです。

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ランドローバーレンジローバー（初代1970年）や、メルセデス・ベンツゲレンデヴァーゲン（後のGクラス・初代1979年）など、海外では早くから高級オフローダーがあったものの、日本車では「RVのクラウン」と言われた80系ランクル（1989年）からが本格的。

80系末期の4.5L版を初代レクサスLXとして短期間販売後、100系ランクル同様に2代目へモデルチェンジしたLXが、日本でもランドクルーザーシグナスとして販売されました。

100系ランクル自体、LS（当時の日本ではセルシオ）用を4.7Lへ拡大したV8エンジンや高級内外装で「RVのセルシオ」と呼ばれましたが、シグナスはさらにGS（同アリスト）を思わせる4灯ヘッドライトなどで差別化。

200系へのモデルチェンジ（2007年）から日本でのLX発売（2015年）まで一時途切れるものの、初の国産高級オフローダーとして「ランクル」ブランドの価値を高めました。

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執筆者プロフィール: 兵藤忠彦; 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザケンドーンS。2015年よりライタ...; 記事一覧はこちら >

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