更新
コンセプト不明…「誰向け」か分からず販売不振で消えた哀れなクルマたち【推し車】
市販される車は大ヒット作はもちろん、どんな不人気車でも大抵はコンセプトや想定するユーザー層が明確です。何が間違っていたかも明確で後継車は反省点を修正しますが、中には「コンセプトも不明なら、誰のための車かもよくわからない」車も。
最近なら「縮小した日本市場より海外市場を優先した結果」と納得する事もありますが、それにしても「なぜ日本で売った?」や、「海外でも売ってないのになぜ?」ということも。
今回はそんな、「よくわからないまま、案の定販売不振で消えた車」を紹介します。
3代目三菱 ミラージュ XYVYX(ザイビクス・1987年)
海外なら税金が安い2シーター仕様も日本ではイマイチ…
FF小型大衆車として好調なミラージュのハッチバック車。3代目へモデルチェンジした際、想定したユーザー層に合わせたグレード分けで、基本の「スイフト」、女性向け「ファビオ」、スポーツ向け「サイボーグ」までは普通でした。
問題は最後の「XYVYX(ザイビクス)」で、ルビを振らないと読めない初見殺しなグレード名もさることながら、後席がなくリヤの窓もハメ殺し。ただ荷室が広いだけの2シーター仕様が当時の日本では意味不明でした。
海外ではこの仕様で税金が安い地域があるとはいえ、日本で売る必要はどこにもなく。三菱は「自由に使えるスペース」とユーザーに丸投げしたものの、ほとんど売れず1年ほどで廃止されました。
- 最新「ミラージュ」中古車情報
-
本日の在庫数 183台 平均価格 69万円 支払総額 24~300万円
オートザム(マツダ) クレフ(1992年)
5チャンネル体制のドタバタと混乱を象徴した迷車
バブル時代の国産車メーカー最大の失策、マツダ5チャンネル体制とクロノスの悲劇。
急拡大する販売網へ供給すべく、カペラ後継のミドルクラスセダン、クロノスから多数の派生車を作りました。その結果、生産・販売現場で混乱を招くことに。
クレフは5チャンネルのうち、「オートザム」向け4ドアセダン。主力販売車種の軽自動車(キャロルやAZ-1)やコンパクトカー(レビュー)に合わせたフロントマスクが車格に全く合わず、この種のセダンを求めるユーザーも不在。
誰のためかを全く考えず、ただ流れ作業のようにコンセプト不明の珍車を作ってしまうという、当時のマツダがいかに混乱していたかを象徴する車です。
- 最新「オートザムAZ-1」中古車情報
-
本日の在庫数 7台 平均価格 269万円 支払総額 222~311万円
三菱 トッポBJワイド(1999年)
2000年前後の三菱は、1.1リッターエンジンを積む軽自動車ベースの小型車をいくつか作りました。
そのうち、パジェロジュニアは軽自動車枠を超えたワイドトレッドと、自然吸気でも軽自動車用660ccターボ並のトルクが歓迎されました。タウンボックスワイドは国内でこそ不評でしたが、新興国向け小型貨物車/MPVとしては広く使われます。
しかしトッポBJワイドは、フェンダーとバンパーで全長・全幅を広げても軽自動車そのままの車内スペースではメリットが少なく。国内でも少数が並行輸出された海外でも、需要がほとんどありません。
「とりあえず作ってみたけど、誰も必要としていなかった」という、残念な車作りの典型的な例になりました。
- 最新「トッポ」中古車情報
-
本日の在庫数 152台 平均価格 33万円 支払総額 11~77万円
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
新型車に関する最新情報はコチラ!
【推し車シリーズ】まとめて読みたい人はコチラ!
メーカー別●●な車3選はコチラ
スポーツカーを中心にまとめた3選はコチラ
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...