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今と似てる?1970年代の高騰する燃料代に生き残るべく開発された車たち【推し車】
開発・販売する自動車メーカーのみならず、時代や文化にも大きな影響をあたえるゲームチェンジャー的なクルマは、1960年代の日本だと「マイカー所有が夢ではなくなった国民向けに、安くとも立派に見える大衆車」が多かったように思えます。
それが1970年代になると、深刻化する環境問題、高騰する燃料代による省エネ思考を意識するようになり、小さくともスペース効率の高いFF2BOXハッチバック車がゲームチェンジャーとなりました。
今回はその中から代表的な3台を紹介します。
ホンダ ライフ(初代・1971年)
ホンダ車だけでなく、全ての小型車、軽自動車にとっての静かな革命
1970年代前半のFF2BOXスタイルなゲームチェンジャーとして、知名度では初代シビック(1972年)に劣るものの、同じホンダ車でも、より重要な転換点と言えるのがN360後継の初代ライフ。
空冷エンジンに固執したホンダ1300の大失敗をバネに、カリスマ創業者・本田 宗一郎を説き伏せ、環境問題への対応に必要な水冷エンジンへ転換、直列エンジンとミッション&デフを直列に横置きしたジアコーサ式FFレイアウトを採用しました。
つまりシビックの先行開発車的な存在で、当初の独立トランク式からハッチバック型も追加、ライフステップバンのように時代を20年先取りした派生車も存在するなど先進性に疑いはありません。
あいにく軽乗用車市場が縮小していた時期でヒットに恵まれず、シビックへの生産能力集約で早期に廃止されたものの、その後のFF2BOX車へ大きな影響を与える傑作でした。
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本日の在庫数 1336台 平均価格 33万円 支払総額 9~130万円
ダイハツ シャレード(初代・1977年)
リッターカーの革命となった5平米カー
トヨタの実質傘下(後に完全子会社)となったダイハツが、軽自動車への専念を言い渡されつつ何度も直談判した末に開発を許された、コンパーノ(1970年廃止)以来久々のフルオリジナル小型車。
可能な限り小さく軽いボディで最高のスペース効率、使い勝手、経済性、走行性能を全て実現するため、ジアコーサ式FFレイアウトの3/5ドアハッチバックボディを採用して車内は広々、非力なでも小型軽量で軽快な走りと低燃費を両立、荷室の使い勝手も良好です。
最大の特徴は、同じ1リッターエンジンでも従来の直列4気筒(FE型)から直列3気筒(CB型)を採用、短い横置きエンジンでタイヤの切れ角を確保した小回り性能の確保で、その後に各社から登場するリッターカーのベンチマークとなりました。
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本日の在庫数 1台 平均価格 68万円 支払総額 68~68万円
三菱 ミラージュ(初代・1978年)
フラッシュサーフェス化で大衆車における近代デザインの始まり
現在のメッキバリバリなオラつき顔とは違う意味で、装飾や出っ張り、段差の目立つゴテゴテとしたデラックス路線が当たり前だった1970年代までの国産車デザインに対し、表面を円滑化したフラッシュサーフェス化をいちはやく採用したFF2BOX大衆車。
この種のデザインはマツダの5代目ファミリア(1980年代)で花開きますが、初代ミラージュは2年ほど先取りして採用しており、他社に先駆けいちはやく1980年代へ突入したといっても過言ではありません。
ハイ/ロー2段式副変速機と4速MTと組み合わせ、実質8速MTとして使える「ハイパーシフト」や、ターボ車の追加(1982年)も話題でしたが、本質的には「大衆向けの国産近代FF2BOXハッチバックを完成させた」として、記憶されるべきクルマでしょう。
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本日の在庫数 183台 平均価格 69万円 支払総額 24~300万円
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...