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今後絶対に発売されない?快適性より速さや楽しさを追求した平成の軽ABCスポーツ【推し車】

昭和時代末期から平成時代最初期にかけ、かつての経済大国日本がその栄華を極めたバブル時代。本当の意味で「贅沢な車」より「開発費が惜しげもなく注ぎ込まれた贅沢な車」が誕生したのは、バブル崩壊直後の平成時代初期です。

現在とは異なり、車を持つのが当たり前、一家に1台どころか1人1台、なんなら何台もあっておかしくなかった時代を想定し、快適性や実用性より、速さや楽しさを追求できた頃で、令和時代に中古車が異常なプレミアで取引されているのは、そんな時代の車。

今回は、その贅沢な車の中でも「今後絶対に出る事はないだろう」と言われた、最強の軽スポーツABCを紹介します。

「A」マツダ オートザムAZ-1(1992年)

おそらく史上唯一の「軽スーパーカー」

マツダ オートザムAZ-1

リトラクタブルヘッドライトこそ試作車止まりなものの、量産された国産車では唯一のガルイングドア。ミッドシップというよりRRに近いエンジン配置による、極端にリア寄りの重量配分、ロックtoロック2.2回転という超クイックステア。

バブル時代でなければ開発不可能だったであろうAZ-1は、国産車としては非常に特異なメカニズムやレイアウトでした。そもそも分厚いサイドシルを持つスケルトンモノコックへボディを載せるという構造も珍しく、開発段階ではグループCカー風ボディまでありました。

チューニングで200km/hを超える最高速から軽自動車で唯一のスーパーカーとも言われ、ABCでは唯一、類似の車が一切登場していません。

最新「オートザムAZ-1」中古車情報
本日の在庫数 9台
平均価格 275万円
支払総額 210~400万円

「B」ホンダ ビート(1991年)

MTRECにより自然吸気で64馬力を叩き出すホンダらしい軽スポーツ

ホンダ ビート

S660登場でホンダ軽で唯一のミッドシップスポーツではなくなったものの、ターボのS660に対し、ビートは独立3連スロットルや燃料噴射制御マップ切り替え方式によるMTRECを採用。660cc自然吸気エンジン車で唯一の64馬力が特徴です。

最大トルクはターボに及ばないものの、超高回転型エンジンをブン回して軽量ボディを走らせます。電子制御による走行支援技術も乏しい時代の車でスピンやクラッシュと隣合わせとはいえ、腕利きが乗れば今でも飛び抜けた速さを誇ります。

低回転での大トルクで効率を追求した、現在の軽自動車用ロングストロークエンジンではできない芸当で、ミッドシップのオープンという楽しさが魅力です。

最新「ビート」中古車情報
本日の在庫数 148台
平均価格 114万円
支払総額 45~314万円

「C」スズキ カプチーノ(1991年)

熟成度は随一、まさに軽自動車界のロードスター

スズキ カプチーノ

スズキが1980年代から研究開発していたコンパクトスポーツの集大成として東京モーターショーへ出展。鈴木修社長(当時)がメディアのインタビューに「市販します」と言ってしまい、開発陣も仰天という逸話あり。

クローズド、オープンだけでなく、タルガトップやTバールーフを選択可能な3ピース分割脱着式ハードトップで、外した時に収納できて、装着時は普通に荷物が載る実用的な独立トランクを採用。

ロングノーズ・ショートデッキの古典的FRスポーツで、4輪ダブルウィッシュボーンの足回りはロードスター並。近年のケータハムSEVEN170Sが570万円以上なのに、当時150万円以下だったのは今から思えば破格の安さでした。

最新「カプチーノ」中古車情報
本日の在庫数 121台
平均価格 134万円
支払総額 50~520万円

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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