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ガソリンスタンド経営者がこっそり教える「水抜き剤」の必要性と驚きの売上推移
ガソリンスタンドなどで水抜き剤や添加剤を勧められたことがありますが、水抜き剤や添加剤にはどのような効果があるのでしょうか?そもそも、本当に必要なものなのでしょうか?
水抜き剤は必要なのか?
水抜き剤は、ガソリンタンク内の水を抜く役割があります。燃料が減っていくと、ガソリンタンク内は真空に近い状態となり、結露が生じタンク底部に水が溜まっていきます。
その水が、タンク内でサビを引き起こし、エンジン系統の不具合につながるというわけです。そのため、メタノールなどが主成分である水抜き剤を入れることで、溜まった水を燃料に溶け込みやすくして、排出するという役割があります。
しかし、近年販売されている自動車の多くは、金属製ではなく、樹脂製などのサビにくい素材のガソリンタンクが使われています。金属ではない素材を利用することで、サビ対策になるだけでなく、車体の軽量化や車両設計の自由度向上など、多くのメリットがあります。
そうしたことから、近年では「水抜き剤を入れなければガソリンタンクがサビてしまう」ということはほとんどなくなったと言っていいでしょう。
ガソリンスタンドを経営している知人も次のように話します。
「ガソリンタンクのサビ対策が徹底されてきたこともあり、水抜き剤を入れなくてもサビることがほぼなくなったとも言えます。今でも水抜き剤を販売していますが、10年くらい前と比較するとほとんど売れなくなりました。
販売スタイルを有人ではなく無人のセルフ式ガソリンスタンドにしたことで、お客様と会話する機会がほとんどなくなったこともあり、水抜き剤を薦める機会が極端に減ったこともあると思います。」
ガソリン添加剤は必要か?
一方、ガソリンスタンドなどでガソリン添加剤を勧められることもあります。ガソリン添加剤は、エンジン内部を洗浄しエンジン不調を改善したり、燃費を良くしたり、エンジン性能を回復したりするなどの役割があります。
ガソリン添加剤の必要性についても前述の知人に聞いてみました。
「ガソリン添加剤は、エンジン内部のススなどを除去する効果があります。ガソリン添加剤を入れるメリットはたくさんありますが、エンジンオイルの定期的な交換を行ってさえいれば、走行に支障をきたすことは少ないと言えるでしょう。」
低年式車には一定の効果があるのか?
20年以上前の低年式車を所有している筆者は、周囲から定期的な添加剤の利用を勧められることもあり、時々ガソリン添加剤を使用しています。
本来なら、高価格帯のガソリン添加剤を頻繁に入れた方がより効果を実感できるのかもしれませんが、現状は1本3,000円ほどのガソリン添加剤を年に2回くらいの頻度で使用しています。
体感としては、ガソリン添加剤を入れて数週間は、燃費が良くなります。具体的には、普段1リッターあたり7.3キロほどの燃費が8.6キロほどに改善されます。もちろん乗り方や状況によって変わることですが。また、アクセルを踏み込んだときのレスポンスも改善され、吹け上がりが良くなる印象です。
ただし、これらの効果は一時的で、1〜2ヶ月ほどでもとに戻ってしまいます。そう考えると、継続していくのはあまり経済的ではありません。
2019年式の乗用車にもガソリン添加剤を使用したことがありますが、ほとんど変化は見られず燃費の向上などもありませんでした。つまり低年式車であれば、一定の効果があることは間違いないのかもしれませんが、比較的新しい車であれば目に見える効果も少ないため、必要ないのかもしれません。
ここまで紹介したように、ガソリンタンクがサビる可能性はゼロではありませんし、エンジン内部のススが溜まることも確かですので、水抜き剤やガソリン添加剤は全く不要なものとは言い切れません。年式などを考慮した車の状態や、利用状況によって適切に使用していくことを検討する必要があるのかもしれません。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...