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オルタネーターとは?ダイナモとの違いは?故障時の症状と点検方法や寿命と交換費用は?

車が動作するのに必要な電力を発電する装置がオルタネーターです。車にとっての生命線ともいえるオルタネーターの構造とダイナモとの違いを解説します。また故障時の症状や点検方法、交換費用などもまとめて掲載しています。

オルタネーターとは?

現在の車にはさまざまな電装品が装備されています。
エンジンを動かすだけでも、ECU、インジェクター、スパークプラグが電気よって動作しなければエンジンは動きません。
オルタネーターは、エンジンが回転する力の一部を電力に変換し、車に必要な電力を供給する装置です。
余った電力はバッテリーに蓄えられ、エンジン始動の際のセルモーターの電源に使われるため、非常に重要な装置といえます。

ダイナモとの違い

かつてはダイナモと呼ばれる発電器が多く使われていましたが、現在ではより発電効率が高いオルタネーターが一般的に使用されています。
よくオルタネーター=ダイナモと解釈されますが、それは半分正解で半分間違いです。
旧車などに使われているダイナモとは直流発電器です。
実はダイナモという言葉は発電器全般を指すので、正確にはダイナモという種類の中のオルタネーターというのが正解です。
ややこしいので、車に関しては、交流発電器をオルタネーター・直流発電器をダイナモ。
という覚え方が良いかと思います。

オルタネーターの構造

電気について

電源の種類には交流電源と直流電源とがあります。
交流電源が周期的にプラスとマイナスが変化するのに対して、電気の向きが変化しないものを直流電源といいます。
家庭用の電化製品は交流電源で動作しますが、車に使われる電装品はすべて直流電源で動作しています。

古くから使われてきたダイナモは別名、直流整流子発電器といい、単体で直流電源を発電しますが、オルタネーターは交流電源を発電し、直流電源へと変換する方式を採ります。
オルタネーターの方が低いエンジン回転数から、安定した電力供給ができるため、現在のほぼ全ての車にはオルタネーターが搭載されています。
簡単な電気の説明を終えたところで、オルタネーターの構造を解説していきます。

ローター・ステーター

オルタネーターを構成するステーターと呼ばれるリングの内側を、ローターがエンジン動力で回転することで発電します。
ステーターとローターのそれぞれにコイル(細い電線)が何重にも巻かれ、このコイルの巻き数で発電電流(アンペア)が変わります。
つまり、30A表示のオルタネーターよりも50Aの方がコイルの巻き数が多く、より発電能力が高いオルタネーターであるといえます。

ダイオード(レクチファイア)

ステーターで発電された交流電源はレクチファイアという部品を通して整流することで直流電源へと変換します。
ダイオードとは、1方向へのみしか電流を流さない性質を持つ半導体です。
その性質を利用し、プラスとマイナスの波の様な波形を持つ交流電源の、マイナスの波だけをカットすることで直流電源へと変換します。

ICレギュレーター

エンジンの回転数が上がると、オルタネーターの回転数も上がり、発電する電流、電圧ともに増えることになります。
乗用車の電装品は12V(正確には14V前後)で動作していますので、それ以上の過剰な電圧がかかると、機器を破損してしまいます。
ICレギュレーターは発電する電圧を一定にして供給する役割を持ち、車の電装機器を安定して動作させることができるのです。

オルタネーター発電状態の点検方法

車の生命線ともいえるオルタネーター。
故障した場合は自走することができなくなってしまうので、日頃からしっかりと点検をしたいところですが、正確な点検となるとオシロスコープという専用の機器が必要になります。

動画で紹介するバッテリー&オルタネーターチェッカーは安価で、誰でも手軽にオルタネーターの状態を点検できます。

サーキットテスターを使ったチェック方法

専用チェッカーを使わず、一般的なサーキットテスターを使った点検方法もご紹介します。

1、エンジンが動いていない状態でのバッテリー電圧を計ります。
12.5V前後であれば正常です。
約10V以下の場合はバッテリーの劣化が進んでいますので、まずはバッテリーを交換しましょう。

2、次にエンジンを始動した状態で、バッテリーの電圧を計ります。
13.5V~14.5VであればOKです。
その状態で、電装品のスイッチをオンにすると、一瞬電圧が下がると思いますが、すぐに電圧が回復するようならOK。

3、どんどん電装機器のスイッチを入れて電圧負荷をかけます。
電圧が回復しないところまで電圧負荷をかけたところで、アクセルを踏んでエンジン回転数を上げ、2000rpmくらいをキープします。
そうすることでオルタネーターの供給電圧が上がるので、バッテリーが充電されます。

4、その状態で、バッテリー電圧がすぐに回復するようなら問題ありません。
なかなか回復しない場合は整備工場などで要点検です。
どんどん電圧が下がっていくようなら、バッテリーが充電されないため、オルタネーターの故障となります。

※テスター端子によるショートにはくれぐれも注意してください。
アクセルを操作する方とテスターを確認する方の、二人での作業を推奨します。

アイドリングさせながら、マイナスのバッテリー端子をしてエンジンが止まるかを確認する方法がよく知られていますが、場合によっては電装機器を壊すおそれがありますのでおすすめしません。

オルタネーター故障時の症状

バッテリー

©iStockphoto.com/ bizoo_n

警告灯が点灯

車のメーターにはインジケーター(警告灯)がついていますので、車の各部に異常があれば警告してくれます。
キーをイグニッションに入れて、バッテリーランプが点灯。
エンジン始動後消灯すれば正常です。
もし走行中にバッテリーランプが点灯した場合はバッテリーの故障か、オルタネーターの故障を疑ったほうがよいでしょう。

エンジン出力が低下し始動不能に

オルタネーターが故障するとバッテリーの充電ができないため、セルモーターを回すことができず、エンジンを始動することができなくなってしまいます。
また、走行中に故障すると、メーター内のバッテリーインジケーターが点灯します。
急にエンジンが停止することはありませんが、オルタネーターからの電力供給がストップするため、走り続けることはできなくなります。
ECU、インジェクター、スパークプラグなどの必要電力を、全てバッテリーでまかなうようになるため、バッテリーに残った電圧が一定以下になった時点でエンジンが停止します。
オルタネーターが故障した状態ではエンジンの性能は発揮することはできないため、エンジンが停止する前に、速やかに安全な場所へ車を移動させましょう。

ベアリングやベルトの異音

オルタネータから出る音にも注意が必要です。
「ゴー」「カリカリ」といった異音は内部のベアリングの磨耗による異音です。
常に「キュルキュル」鳴っていたり、加速時に「キュッ」と鳴るようであれば、ベルトの劣化や、ベルト張り不良が考えられます。
ベアリングやベルトの異常は、すぐに大きなトラブルにはなりませんが、
放置すると後々大きなトラブルに発展するおそれがあります。
気づいた時点ですぐに点検し、トラブルを未然に防ぎましょう。

オルタネーターの交換費用

価格 お金 費用 税金 維持費

オルタネーターの寿命は、10年10万kmはメンテナンスいらずの耐久性を持っています。
しかし、なんの前触れもなく壊れてしまうことがあるのが電装部品の怖いところです。
とはいえ、新品オルタネーターは高価ですので、中古オルタネーターをオーバーホールしたリビルド品に交換するという選択肢もあります。
目的と予算に合わせて検討してみてください。
オルタネーターの脱着工賃は1万円前後が相場のようです。

新品オルタネーター

予算に余裕があるのなら、迷わず新品オルタネーターを選びましょう。
メーカー保証もあり、高めの価格は安心と信頼の現れといえます。
価格:5万円~10万円

リビルド・オルタネーター

中古のオルタネーターの消耗部品を交換し、新品同様のオルタネーターとして販売されるのがリビルド品です。
およそ新品の1/3程度の価格で販売されていますので、お求めやすいオルタネーターです。
ただし、部品が粗悪な交換部品が使われたり、一部分しか交換されていなかったりと品質にばらつきがあるのが難点です。
安すぎるリビルド品には特に注意が必要です。
価格:1万円~2万円

オーバーホール

自分で脱着、分解と故障原因を特定できるのであれば、各部品を自分で交換するのがもっとも安上がりです。
レギュレーター 価格:1万円前後
レクチファイア 価格:1万円前後
スリップリング 価格 1,000円前後
カーボンブラシ 価格:1,000円前後
ベアリング 価格~2,000円

オルタネーターのオーバーホールを解説した動画です。

オルタネーターに装備される「セグメントコンダクタ」とは

セグメントコンダクタを採用した社外オルタネーター

最近の新車にはセグメントコンダクタと呼ばれるオルタネーターが装備されています。
セグメントコンダクタオルタネーターとはオルタネーター内のコイルを一般的な丸断面ではなく、角断面のコイルを使うことで、コイルを高密度で巻き線したオルタネーターです。
発電状況により5馬力ものパワーをロスするといわれるオルタネーターの抵抗を従来品の半分にまで改善し、小型化することで、冷却性能をアップさせ、より安定した電力供給を可能としたセグメントコンダクタオルタネーターが現在の主流となっています。
同構造の社外品も販売されています。
交換するだけでパワーロスが抑えられる商品として販売されていますが、壊れやすいなど、信頼性は純正品には一歩及ばないようです。

オルタネーターをアンペアアップという裏技

オルタネーターについてご紹介してきましたがいかがでしたか?

純正オルタネーターは、最低限の発電容量しか持たないものが装着されています。
点火系を強化した車や、モニターをたくさん付けた車、大出力のオーディオアンプを搭載した車などは消費電力が増大し、純正オルタネーターの出力では不足する場合があります。
そういった場合は同メーカーの大型車種用の大容量のオルタネーターに交換を検討してみてはどうでしょうか。

故障はしてはいなくても、経年劣化で発電量が低下していたり、駆動抵抗が増えているオルタネーターであれば、交換やオーバーホールをすることで、エンジン本来の性能を取り戻せる可能性があります。

車のメンテナンス・点検についてはこちら

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