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キャブ車の魅力は?現行車から消えた理由やメリット・デメリットを解説

キャブ車って何?

燃料噴射装置にキャブレターが採用された自動車・バイクは、一般的にキャブ車と呼ばれています。80年代以前の自動車、いわゆる旧車と呼ばれて愛されている自動車の多くは、燃料噴射装置にキャブレターが採用されているのが一般的です。

ダイハツ ミゼット
©Mitsuyoshi/stock.adobe.com

例えば、有名どころの旧車である日産 スカイラインC10型、いわゆるハコスカの愛称で同じみのこの自動車はキャブ車ですし、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に登場した三輪自動車のダイハツ ミゼットもキャブ車です(しかも燃料はガソリンとオイルの混合燃料)。

最近だとトヨタ カローラ スプリンタートレノ/レビン、いわゆる昔のハチロク(AE86)も旧車に含まれるようになりましたが、これらの燃料噴射装置はインジェクションでした。

当時だとキャブレター仕様にする定番チューニングもあり、多くのノウハウが生み出されました。

キャブ車が現行ラインナップから絶滅した理由

キャブ車は既に現行モデルから姿を消しました。現行車の燃料噴射装置は全てフューエルインジェクションとなっています。

排出ガス規制が年々厳しくなったこと、規制をパスするためにキャブレターに代わってインジェクションを使い始めたことなどが、キャブレターを採用する新車がなくなったことの要因です。

時代の流れとともに、排気ガスを減らすこと・燃費性能を向上させること・より楽に運転できることを達成するべく自動車メーカーは研究・開発を進めた結果、キャブレターはインジェクションにとって代わられました。

つまりは技術進歩によってインジェクションがキャブレターを上回ったとも言えるでしょう。

最後のキャブ車、キャブ二輪車たち

三菱 リベロ 1992年
最後のキャブ車 三菱 リベロ・カーゴ 1992年〜2003年

しかし、2000年代になっても販売されていたキャブ車はいくつかありました。例えば自動車なら三菱が製造・販売していたステーションワゴンリベロカーゴで、2003年まで生産されていました。

ホンダ モンキー キャブレター 2005年
最後のキャブバイク ホンダ モンキー 2005年〜2008年

二輪では2008年までホンダ モンキーにはキャブレターが採用され、同年にインジェクション化されています。

キャブ車の魅力は?

キャブ車ならではの音が良い

©Robert/stock.adobe.com

キャブ車のエンジンサウンドはインジェクターのそれとは決定的に異なります。空気が吸気されている様子を実感させるサウンドです。電子制御されているインジェクションと比較して機械的とも表現できます。

気持ち良いスロットルレスポンス

実際にキャブ車を運転してみるとわかるのですが、アクセルペダルに忠実に反応します。巷で言われる「スロットルレスポンスが良い」という表現がピッタリ。

もちろんインジェクションの自動車でもスロットルレスポンスに優れる車種はありますが、現代の自動車とは異なる、五感に響くサウンドを体感できます。

キャブレターのセッティングを楽しめる

市販車の状態のインジェクションとは異なり、キャブレターであれば自身でセッティングを行うことができます。アイドリング時の回転数を低く高くしたり、気持ちよく走れる回転域を狙った燃調のセッティングなど。

キャブ車のメリットとデメリット

構造がシンプルで部品代が安い

キャブレター
©Александр Гичко/stock.adobe.com

電子制御キャブレターというものもありますが、基本的にキャブレターは霧吹きの原理で燃料を噴射する機械的かつ自然な機構です。

つまりインジェクションと比べて圧倒的に単純な構造で、キャブレターの部品代はインジェクションよりも比較的安くなっています。

ただし基本的にキャブ車は年式が古くなってきているのでキャブレター本体が欠品していたり、新品・中古問わず総じて価格高めとなっている印象です。

定期的なメンテナンスやセッティングなどがより求められる

インジェクションでもキャブレターでも定期的にメンテナンスは必要ですが、特にキャブレターはコンディションを保つのに手間暇かかる燃料装置です。

外気温度や高度が変化するとエンジンがかかりにくくなったり、キャブレターからオイルが漏れるなんてことも時折あります(いわゆるオーバーフローという現象)。

現代では趣味性の強い乗り物に

日常生活での使い勝手を考えると、インジェクションに軍配が上がることは言うまでもありません。インジェクションのほうが圧倒的に楽です。

簡単にエンジンをかけられますし、最適化された電子制御で燃費も良し、どちらかというと走行音もキャブ車より静かな印象です。現代におけるキャブ車は趣味性の強い乗り物と考えても良いでしょう。

初心者はここまで理解すればOK。以下は少しマニアックな内容です。

ざっくり学ぶキャブレターの種類と構造

固定ベンチュリー型と可変ベンチュリー型

キャブレターはその構造で種類分けされています。大きく分けると、固定ベンチュリー型と可変ベンチュリー型の2種類です。可変ベンチュリー型にはピストンバルブ型(VMキャブ)と負圧式(CVキャブ)の2種類があります。

空気を絞ったところで燃料が霧吹きされる

端的にまとめると、インテークから取り入れた空気の通路の途中に幅が狭くなるところ、あるいはピストンバルブのあるところに、ジェットというものがあります。

下側にあるのですが、空気がその狭いところ(ピストンバルブのあるところ)を通過すると、燃料は溜められているところ(フロートチャンバー)からジェットを経て霧状に噴射されるのです。

気圧の高いところから低いところへ移動する法則等が利用されています。

インジェクションとキャブレターの違い

インジェクションとキャブレターの違いについてすでに少し触れていますが、ここではもう少し詳しく見ていきましょう。

インジェクターの有無

インジェクター
©Dickov/stock.adobe.com

インジェクションが採用されている自動車やバイクにおいて、インジェクターと呼ばれるパーツが燃料を噴射します。これに対してキャブレターでは燃料を噴射するのではなく、負圧を利用して吸い上げて霧吹くような設計ですから、インジェクターは使われていません。逆も然りで、インジェクションの車両にキャブレターはありません。

インジェクションには直噴がある

インジェクションの車両には直噴式というものがあります。シリンダー内部へ直接燃料を噴射するというものです。シリンダーの中へ燃料を直接噴射する仕様はインジェクションならではだからです。上記でざっくりと解説したキャブレターの構造を思い返せば、その違いを理解しやすいでしょう。

混合気を作るのに電気を使うかどうか

しかしインジェクションは電子制御であり、インジェクターも電子制御されていますから、燃料噴射に電気がマストだとわかります。その点、キャブレターは気圧さや負圧を利用して混合気を作っており、この点は大きな違いと言えるでしょう。

おまけ:バッテリーレスのキャブ仕様バイクの話

自動車ではなくバイクのキャブ車の話になりますが、バッテリーレス仕様のバイクもあります。例えば昔の車種を挙げると、ホンダ XLR 250 BAJAという市販車オフロードバイクです。

単気筒・250ccのよくあるオフロードバイクですが、バッテリーは非搭載で、エンジン始動時には専用のレバーをキックする仕様。エンジンが動いている間だけ発電が行われて、ライトやウインカー等の電装部品が点灯・点滅します。

当然キャブ車にも電気は必要で、電気がなければスパークプラグを点火させることは不可能。このバイクはバッテリーレスですが、キャブのバイクでセルモーターが搭載されているものがありますし、自動車のキャブ車には当然のようにセルモーターが備わっています。

キャブレターの歴史は長いですから、時間を経ていろいろな仕様が誕生したとわかるでしょう。

インジェクションには無い魅力がキャブ車にはある

©Aisyaqilumar/stock.adobe.com

インジェクションと比べてより機械的なところがキャブ車の魅力と言えるでしょう。

キャブレター独特の音にインジェクションとは違った反応の良いスロットルレスポンス、そして手軽に外してキャブレターのセッティングを楽しめるところなど、その魅力は様々です。

古典的で昔懐かしさを感じさせてくれるキャブ車は、クラッシックな気分を味わえますので、そういった方には一度乗ってみるのをおすすめします。

キャブの自動車となると値段が高くつく傾向ですが、バイクのキャブ車なら中古で比較的安く入手できますので、キャブレターを体験・学びたい人はまずバイクから始めるのもアリ。自分に合ったキャブ車生活をスタートしてみては。

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中華鍋振る人
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自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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