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箱根駅伝で監督が乗る車の運転手はプロドライバー!応援や車の並走にもルールあり

運営管理車の運転手や乗員は意外と大変

運営管理車の運転手として自動車メーカーから派遣されるのはプロのドライバーです。トヨタでは直営教習所トヨタドライビングスクールの教官が運営管理車の運転手を務めます。

運営管理車は、選手との距離を測りながら平均速度20km/h程度を保ったまま、5〜6時間をほぼ休憩なしで走行し続けなくてはなりません。

また選手の走行を妨げないように注意するのはもちろん、沿道に並ぶ観客にも注意を払って走行しなくてはならず、監督の声掛け時には他の運営管理車との円滑な順番交代も求められるため、低速走行とはいえ運営管理車の運転は大変です。

そして運営管理車に乗る人全員にとって、もっとも大変なのがトイレ。

もちろん、トイレ休憩をしてはならないというルールはありませんが、トイレ休憩で車列を外れてしまえば、選手や他大学の運営管理車を避けて元の位置に戻るのはプロドライバーとはいえ容易ではありません。

また、声掛けのタイミングを逃してしまえば、チームの不利になりかねません。運営管理車の乗員はトイレを控えるために、大会中の2日間に渡って水分摂取を極力控えるそうです。

運営管理車の排ガスや安全性に問題は?監督の伴走は必要?

©Stefan Redel / stock.adobe.com

選手の近くを走行せざるをえない運営管理車には、ドライバーの苦労以外にも、運営上の懸念点がいくつかあります。ひとつは排気ガスの選手の健康やパフォーマンスへの影響です。

これに関してはハイブリッドカーの提供や、選手と適切な距離をとることで対処されています。今後は電気自動車(EV)の導入により、排気ガスの問題は完全解決できるでしょう。現に2021年の先導の白バイには、電動バイクのBMW C evolution(シー・エヴォリューション)が配備されていました。

もうひとつは、交通事故や交通トラブルのリスクが伴うことです。事実、箱根駅伝の大会運営は渋滞発生や安全性に配慮し、1991年第67回から車での伴走を禁止した経緯があります。

しかし伴走の廃止以降、疲労骨折や肉離れ、脱水症状などで棄権する選手が出るようになったため、2003年の第79回から運営管理車として現在のようにルールを設けた形での伴走が復活しました。

監督が車で伴走するのは、その存在や声掛けによって選手を鼓舞するだけでなく、選手の状態を確認し、いざというときには棄権の判断を下すためでもあります。選手の安全を見守るためにも運営管理車は、やはり必要なものといえるでしょう。

TV中継放送のなかで、選手の後に映り込む運営管理車は、選手と監督のつながり強さを感じさせられる画です。運営管理車のルールや存在意義を知って観戦すると、いつもの箱根駅伝とは違った側面が見えてきます。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...

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