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中古車市場で「ワンオーナー」車が重宝されるワケは?販売店スタッフに聞いてみた
中古車の購入を検討する際、年式や走行距離、排気量などのほかに、「ワンオーナー」という表記を目にすることがあります。
ワンオーナー車は中古車市場において人気が高いといいますが、なぜなのでしょうか?
以前の所有者が1人の中古車
ワンオーナーとは、以前の所有者が1人しかいないことを示すものです。つまり、新車として購入され、その車が初めて中古車市場に出たということになります。
こういった車は、中古車市場では高い評価を受けやすく、好条件の1つになっているようです。
一般的にワンオーナーは個人所有の場合を指し、家族など複数人で共有していた場合も含まれます。ただし、法人契約の営業車や事業用車両、レンタカーとして使用されていた場合などは、使用頻度などを予測しにくいため、ワンオーナー車にはならない傾向があります。
どうやってワンオーナー車を見分ける?
ワンオーナーであるか見分けるためには、「車検証」と「新車保証書」を確認するとよいでしょう。
車検証の「登録年月日」と「初度登録年月」が同じ年月であればワンオーナーである可能性が高いです。引っ越しに伴ってナンバープレートを交換した場合などは、登録年月日が更新されますが、使用者が新車購入時から変更されていなければ、ワンオーナーとして扱われます。
新車保証書とは、新車購入時にメーカーやディーラーが発行するもの。「車検証の登録年月日=新車保証書の発行日」、「車検証の名義人=新車保証書の名義人」となっている場合、ワンオーナーである証拠となります。
新車保証書は非常に重要であり、新車保証書がない場合はワンオーナー車とは認められないケースも多々あるようです。
ワンオーナーの車はなぜ人気?
ワンオーナーの中古車はなぜ人気が出やすいのでしょうか?中古車買取・販売店のスタッフに聞いてみました。
「大きな理由は、”クルマの履歴”が分かりやすいという点でしょう。ワンオーナー車は点検整備記録簿が揃っていることが多く、車がどのような使われ方をしていたのかを把握しやすいです。
また、車検証や保証書、点検整備記録簿に記載される名前が同一人物になっていることが普通なので、いわば素性を知りやすい車であり、『車の信頼性』につながります。
また、新車で購入した車はディーラーで定期的なメンテナンスを受けていることが多く、コンディションの良い状態になっている可能性が高いと考えられます。」
所有者が複数にわたっている場合、整備記録簿がない場合や、悪質なものになるとメーターを改ざんしている車もあったそうです。現在こういったケースは稀ではありますが、「信頼性」という面では、ワンオーナーのほうが高くなるようでした。
ただし、ワンオーナーだからといって、全ての車が良いという訳ではないとのこと。前オーナーが雑に扱っていた可能性もありますし、車に対して特に愛着がなければ、十分なメンテナンスが行き届いていないケースもあります。
大切なのはクルマの履歴?
ワンオーナーであれば比較的車の状態は良い可能性は高いですが、ワンオーナーであろうとなかろうと、大切なのは”クルマの履歴”といえます。
例えば、スポーツカーなどの所有者は、車に対して愛着がある方も多く、たとえ以前の所有者が複数であろうとも非常にコンディションの良い車もあったりします。
つまりオーナー数に関わらず、過去のメンテナンス履歴などがはっきりしている車を選んだほうが間違いはないということです。
過去の履歴はワンオーナー車のほうが分かりやすいですが、これも”絶対”ではありません。ワンオーナーという点はたしかに価値がありますが、”クルマの履歴”をしっかりと確認してから判断したほうがよいでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...