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昭和のレトロアイテム?それとも現役?“レースのシートカバー”を付けてる車はまだいるの?
レースのシートカバーは今でも販売されているの?
1990年ごろまでは当たり前のようにファミリーカーにも装着されていた白いレースのハーフシートカバーですが、現在ではあまり目にしません。これはトレンドの変化も影響しているでしょうが、人々にとって車は高級品ではなく当たり前のものになったということがいえるでしょう。
また、車のシートそのもののデザインや快適性も向上したためと考えられます。
当時のクルマのシート表皮は黒いビニール製が多く、無機質で質素と感じるユーザーも多かったことも考えられます。さらに、夏に汗をかくとペタペタしてくるという代物だったので、通気性アップのためにはシートカバーはとても有効的だったのでしょう。
現在ではシートの素材やデザインがよくなり、シートカバーをあえて付ける必要はなくなったことも、レース生地のシートカバーを目にすることが減った要因ともいえそうです。
そんなレース生地のシートカバーですが、現在でも需要はあるのでしょうか。
実は、トヨタ クラウン、日産 スカイライン、ホンダ インサイトなどといった各社のセダンモデルには、ディーラーオプションのラインナップとしてほぼ存在しています。
どの車種もオーナーの平均年齢が高めの車種といえ、年配の方にはいまだに一定数の支持があると言います。特にクラウンにはエクセレントタイプとロイヤルタイプの2種類が用意されるシートカバーのオプションが今でも充実しています。
タクシー業界ではまだまだ現役
とはいえ世間的には、需要が減少しているレース生地のシートカバーですが、普及率が高い業界もあります。それは、タクシー業界です。
タクシー車両の代名詞といえるトヨタ コンフォートは、昔から走っていることもあり、その名残も含めてレース生地カバーの装着率が高いといえます。
また、2017年に次世代タクシーとして登場したトヨタ JPN TAXIにも装着されています。
タクシー会社の担当者によると、現在でもシートカバーを着用している理由について、次のように話します。
「レースのシートカバーを採用している理由は、シートの清潔感を保つためです。
1日に多くのお客様にご利用いただくタクシーは、常に清潔な車内を保ち、お客様に快適なお時間をお過ごしいただくために、このようなカバーを採用している車両もあります。
また、夏場などは黒いレザーシートが熱くなってしまうことを多少防ぐためにも、レースのシートカバーが採用されています」
レトロで可愛らしい印象を与えるレース生地のシートカバーですが、タクシー業界ではとても実用的なアイテムとして未だに重宝されているようですね。
先進的なデザインの車が増えてゆくなか、セダンモデルのオプションとしてレース生地のシートカバーはどのように変化していくかにも注目です。
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- 執筆者プロフィール
- Schnux
- 1999年生まれ。学生時代から編集部でアルバイトをして、今は一流ライターとして特訓中です。愛車はフォルクスワーゲン・アップ!車は主にサウナに行くために使っていますが、犬を飼い始めたので買い替えるか迷い...