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ランクルやジムニーも太刀打ち不可能?絶対に車を浸水・冠水させちゃダメな理由

毎年、全国各地で豪雨災害が発生し甚大な被害をもたらしています。直近では、北陸地方や新潟県・山形県を中心に記録的大雨となり、地域によっては住宅が浸水・冠水する被害も。

日本列島の上空にある寒気の影響で、大気の状態が不安定となっているため、今後も大雨や土砂災害に注意が必要です。

道路に水があふれている状況では、車での走行が危険なケースもあります。場合によってはエンジンが停止し、故障してしまうことも。また、河川の増水や道路の冠水によって、もし車が浸水被害を受けたら、どのように対処すればいいのでしょうか。

(2022年7月22日に公開した記事を、一部再編集した内容を掲載しています)

水の深さ30cmでエンジンは停止してしまう

突然の大雨によって道路が冠水した場合、その冠水路を走行すると、エンジン内に水が入り込んでしまい、走行不能に陥ってしまう可能性があります。

JAFでは、深さ30cm、長さ30mの水たまりがある道路に車で進入した際の走行可否について、実験を行っています。

時速10キロであれば進入してもエンジンルームに水が入ることはありませんでした。しかし、時速30キロで侵入すると、すぐにエンジンが止まることはなかったものの、エンジンルームに多量の水が侵入してしまいました。

速いスピードで水たまりに侵入すると、より多くの水を巻き上げてしまいます。ボンネットやタイヤハウスに大量の水がかかりエンジンルームに水が入りやすくなるというわけです。

水深がどのくらいなのか分からない場合は、スピードを10キロ以下に落とすなどしてゆっくり走行するようにしましょう。

一方で、深さが60cmの水たまりの場合、時速10キロで侵入すると、31mほど走ったところでエンジン停止という結果になりました。

この結果からも分かるように、水たまりの深さが深くなればなるほど、進入速度が遅くても、エンジンが停止してしまうので注意が必要です。

また、水嵩が多いと車のトラクションがなくなり、あのジムニーやランドクルーザーさえも、タイヤが水中に没してしまったら水に流されてしまう可能性が高いといいます。

水たまりは避けて通る、水没したら水が引いてもエンジンはかけない

警察の依頼を受けて故障車などの救出対応を行っている自動車整備工場の担当者に、話を聞きました。

©Imaging L/stock.adobe.com

「水たまりの深さを目視で把握するのは困難です。そのため、水たまりがあったら可能な限り避けることが無難でしょう。もし、どのくらいの深さがあるか分からない場合、水たまりには絶対に進入しないでください。

すでに車が水没してしまったときは、すぐに救助を要請してレッカー移動してもらってください。一度水没してしまい、エンジン内に水が侵入してしまった車は、水が引いて乾いたとしても、エンジンはかかりません。

実際に豪雨災害で水没した車のエンジンを始動させて火災が発生したという事例もあります。ボンネットやマフラーから水が侵入した場合、車の電装部品にまで水が入り込んでいることが多く、エンジンを始動させようとすると、ショートして火災の危険もあります。

マフラーまで水が浸かっていなくても、一度水没してしまった車のエンジンはかけないようにして、専門の業者に救助を依頼することをおすすめします。

水が引いていたとしても、車内のフロアなどに水が侵入した痕跡があれば、エンジンはかけないようにしてください。

執筆者プロフィール
室井大和
室井大和
1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...

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