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開発動機は“憤り”… 園児バス置き去り防止システム開発者が語る「世界から遅れた日本の危機管理対策」
開発動機は“憤り”……ヒューマンエラーでは済まされない
未然に防げなかった事が大変悔いられる、園児バス置き去り事件。特に、防犯システムを開発中であった株式会社TCIの心中は計り知れないものだったのではないでしょうか。事件を聞いた時の心境について尋ねてみたところ悲憤とともに「二度とこの様な間違いがあってはならない」という決意の思いを語ってくださいました。
「正直に申し上げますと、園児送迎の管理体制に大変憤りを感じました。 同時に開発メーカーとして、未然に防ぐための安全装置をもっと早く開発できていれば、という自責の念に駆られました。
ヒューマンエラーであるという事では済まされない。再発防止に向けて早急に改善が必要!という二児の父でもある代表の尾﨑をはじめとするチームメンバーの思いより、開発に至りました。
現状は受注生産ですが、多くのお問い合わせをいただいており、大量生産に向けて対応できるよう、尽力しております」
と、今後の発展も含め、お話しくださいました。
昨年の事故を受け、なおも引き起こされてしまった悲惨な事件。「子供達を守るためには何が必要なのか?」この思いをいち早く具現化し、それが今回の「園児バス置き去り防止システム」販売へ結びついたようです。
日本の危機管理対策は世界から遅れている
事故が発生したのち、政府は来年4月からの安全装置義務化を発表しましたが、浸透にはまだまだ時間がかかる見込み。しかし、その間、また悲劇が起こらないとも限りません。
政府の防止策について株式会社TCIに尋ねたところ、日本の危機管理が世界と比べ劣っているとの指摘をいただきました。
「安全装置義務化は当然の流れであるとは感じています。 アメリカや韓国ではすでに義務化がされており、ようやく日本でもされるのかという気持ちです。 安全装置導入の義務化は結果的にこどもたちの未来を守ることにもつながると思っています」
指摘にあったように、韓国では2018年に法律が改正され、安全装置義務化。アメリカも同様に、チャイルドチェックというシステムを通して、子どもたちが車内に残っていないか確認し事故を防いでいます。
世界に比べて対策があまりに遅い日本。このままでは、事故を防ぐどころか重ねていくのではないかと懸念するのは、当たり前のことではないでしょうか。
尊い命が奪われてからの遅い政策発表。今回、開発された「園児バス置き去り防止システム」により、事故再発の防止につながると信じたいものです。
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Q. 【緊急時】子供にドアの開け方、教えてる?
何らかのトラブルで、子供がひとりで車内に置き去りにされてしまったときなどを想定し、ご自身のお子さんに「ひとりでドアを...
- ドアの開け方を教えた
- カギ&ドアを開ける方法を教えた
- クラクションの鳴らし方を教えた
- 何も教えていない
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- 執筆者プロフィール
- 小高皐月
- 1979年生まれ。会社員を経て、知人の縁で編集プロダクションに就職。子育ての経験を活かして様々な記事を担当していたが、取材をきっかけにドルオタ化。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが大好きで、歴...