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「フルビッター」は全国に何人いる?全ての欄が埋まっている“激レア免許証”、取得した猛者に話を聞いてみた
すべての欄を埋めた免許証こと「フルビット免許」

現在は中型と普通の間に新しく「準中型」が追加され、け引とけ引二が統合されている。
出典:警視庁
運転免許証を見てみると、取得した車種が記載されている欄があります。
普通自動車であれば「普通」、大型自動二輪であれば「大自二」などと書かれていますが、これらの車種をすべて取得し、すべての欄を埋めた免許証を「フルビット免許」と呼ぶことがあります。
フルビット免許を持つ人はかなり少ないと言われ、出会ったら「激レアだ」など話題になることもありますが、筆者は教習所に勤務していたこともあり、フルビット免許を達成している人を何人か知っています。
その中のひとりで、かつて教習所で検定員をしていた先輩(60代男性)にあらためて話を聞きました。
フルビット免許を目指す人はどれくらいいる?

「車関係や交通関連業務に従事している人であれば、フルビット免許を目指す人は少なくないと思います。
私が教習所に勤め始めた20代前半の頃は、会社に強制されたわけではありませんが、フルビット免許にすることが業務の一環のようになっていました。
先輩や同僚などからは『いずれフルビット免許になれ!』と促され、運転の練習に精を出すように言われたものです。
ただし、費用や期間がかかるのであきらめる人もたくさんいました。
また、すべての車種の欄を埋めるためには、取得する車種の順番にも注意しなければならず、達成は簡単ではありません。入社時点ですでにフルビット免許を達成できない同僚もいました。
とはいえ、フルビット免許でなかったとしても、様々な車種が運転できるということは、業務上とてもメリットになります。そのため、少しずつ乗れる車種を増やしていき、15年ほどでフルビット免許を達成できました。
そのときの達成感はいつまでも忘れることはないでしょう。
推測ではありますが、当時100人くらいいたスタッフの中でも、フルビット免許を達成したスタッフは4~5人くらいだったと思います。もちろん退職してしまったスタッフもたくさんいます。」
職場環境にもよりますが、運転や免許関係の仕事をしていたり、交通関連の業務についていたりする人であれば、フルビット免許を目指す、あるいは達成している人は少なからずいることがわかりました。
では、日本国内にはどのくらいの人が持っているのでしょうか。統計資料を考察しつつ、フルビット免許を持っている人にも話を聞きました。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...