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「横風注意」って…どう気をつければいい?強風時のドライブテクニックとは
トンネルの出口や橋の上は、横風の影響によってハンドルがうまく切れなかったり、ふらついたりすることがあります。天気の急変によって急な雷雨や突風が発生したり、台風が接近していたりすると車は風に煽られてまっすぐ走ることが難しくなります。
どういった車が横風に煽られやすいのでしょうか?また、風の影響を受けやすい道路には「横風注意」という標識が設置してありますが、見かけたらどのように対処すればいいのでしょうか。
背の高い車は煽られやすい!軽トールワゴンは要注意
例えば、車の高さが1.5メートル以上あるミニバンやSUV、天井が高くデザインされている軽トールワゴンなどの背の高い車は、風の抵抗をもろに受けてしまいます。
車重の軽い車や車幅の広い車、重心の高い車も要注意。軽自動車やリフトアップしているSUV、荷物を積んでいないトラック、ほぼ誰も乗っていないバスなどです。
速度による影響も無視できません。速度が速ければ速いほど、横風による車線逸脱や転倒事故のリスクが高まります。
強風時のドライブテクニックを、昨年まで高速道路を管理するネクスコ東日本で道路管理を担当していた知人に聞きました。
「横風注意の標識や吹き流しを見かけたら、ハザードランプを2、3回点灯させ、後続車に減速の合図をしてから速度を緩やかに落としてください。
高速道路や幹線道路では、風に煽られやすくなります。特にトンネルの出口付近は、突風による影響を受けやすいです。
私が担当していた地域は山沿いの高速道路であったため、突然天気が急変して激しい夕立が発生しやすい場所でした。トンネルに入って数分後には嵐になっているという場所さえあります。
こういった場所は走行中に天気が急変しやすいため、突風が吹きやすくなっています。山沿いを走行する際は、風にも注意を配りましょう。
走行位置も重要です。右から風が吹いている場合は、ほんの少し右側に寄せて走行することが必要です。万が一、右からの突風で左に寄ってしまっても、右に寄せておけば左車線に逸脱してしまう可能性が低くなります。」
風に煽られた場合にやりがちなのが、元の車線に戻ろうとしてハンドルを急に切ったり、驚いて急にブレーキをかけること。これら”急”のつく行動は運転中に絶対にやってはいけないことです。
吹き流しや前車のふらつきで横風に注意しよう
車に乗っていると風の強さを実感することは難しく、想像以上に風に煽られることがあります。そのため、「横風注意」の標識のすぐ近くには、吹き流しと呼ばれる、風の強弱を把握するための設備が設置してあります。
なびいている角度が45度くらいであれば、3~5メートル程度の風が吹いているということになります。吹き流しが水平になびいている場合、風速10メートル以上の強風が吹いています。
風速3~5メートルくらいの風であればハンドルをしっかり握っていれば問題ないでしょう。しかし、風速10メートル以上の風は、ハンドルをしっかり握っていたとしても左右に振られてしまいます。まっすぐ走ることが難しいかもしれません。
また、前を走っている車をよく観察することでも、風の強さを把握できます。
筆者は、北関東自動車道を走行中、前を走行している2トントラックが突然蛇行をはじめ、数秒後には路肩まで寄っている光景を目にしたことがあります。事故には至らなかったものの、かなり危険と感じた瞬間でした。
その場所には「横風注意」や吹き流しといった設備がなく、事前に風の強さを把握することは難しかったのですが、前方の車の動きを見ていたことで注意して運転することができました。
風に煽られた車が走行レーンを逸脱してしまうと、並走している車と接触する危険性があります。最悪の場合、横転事故になる可能性があります。
標識がないから、吹き流しがないからといって風の影響がないとは言えません。特に、山間部や海沿い、トンネルの出入り口付近は走行位置に配慮し、速度を抑えるようにして、注意しながら運転しましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...