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結局プロに任せるのが一番確実で安上がり?整備のプロに「DIYに失敗して…」と持ち込まれた車によくあるパターンを聞いてみた
カーオーナーのなかには、日常的な点検や整備をプロに任せず、自分自身で済ませている人もいるでしょう。DIYは愛車の状態を知っておくうえで重要な習慣である一方、知識がない状態で手をつけてしまうと、思わぬ故障やトラブルにつながるケースもあるようです。
今回は自動車整備を扱うショップのオーナーやスタッフから、「DIYの失敗で持ち込まれてきた車両」について話を聞きました。
合わない工具でネジが回せず…
DIYをするうえで、まず揃えておきたいのが「信頼できる工具類」です。整備工場には用途に適した工具が揃っているのに対し、DIYにおいては精度の低いものや用途に合わないものが用いられることがあり、それがトラブルの原因になることもあるといいます。
「一番よくあるのは、ネジやナットの山を潰してしまうケースですね。合わない工具で作業したために、角が潰れてしまい、回せなくなってしまったと。
これだけなら費用もあまりかからないのですが、厄介なのがタイヤ交換でインパクトレンチを使い、失敗してしまうケースです。電動でナットを締められるインパクトレンチは便利なんですけど、使い方を誤ると過度な力で締めつけることになりますから、車体側のハブボルトの方が破損してしまう可能性もあるんですよ。
過去にはホイール1本分、4本のハブボルトを全部壊してしまった方もいましたね。修理費用自体は2万円程度だったかと思いますが、レッカーを使ったのでそっちの方が高くついたみたいです。
タイヤ交換は単純な作業ですけど、横着せずにトルクレンチを使うことをお勧めします」(整備工場スタッフ・勤務歴7年)
車をジャッキアップできる環境さえあれば、タイヤをホイールごと交換する作業はそう難しいものではなく、DIYで済ませている人も多いでしょう。しかし、ホイールナットを取りつける際には「締めつけトルク」を基準値の範囲に収めることが大切です。
十字レンチや電動のインパクトレンチだけでは、適正トルクから外れてしまう可能性がありますので、締めつける力を固定できるトルクレンチを用いることが推奨されます。
“便利さの代償”…板金のプロが教える「修理が高額になりやすいキズ」
- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...