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リレーアタックとは?手口と防止対策法を解説!ブリキ缶が有効?
リレーアタックとはどのような犯罪?

リレーアタックとは、スマートキーが発している電波を中継し、遠く離れた車両を開錠、エンジンを始動させてしまう盗難手口です。この手法を用いることで、鍵がその場になかったとしても車両を盗むことが可能になります。
実はスマートキーは常に電波を発しているため、玄関先などに鍵をおいている場合、駐車場の車が盗まれるケースも。
ピッキングやイモビカッターに続く最新の盗難手口であるリレーアタックについて解説していきます。
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リレーアタックの対策方法は?
リレーアタックの対策として、近年では大きく2つの方法が推奨されています。
1.カギをブリキの缶に入れて持ち運ぶ

特別な設定をすること無く、物理的に電波を遮断できる方法です。スマートキーのメリットである、ワンタッチ操作で鍵が開くという面では、カギが缶の中にあり、缶がカバンの中に入っていれば、そのメリットは大きくスポイルされてしまいます。
ブリキ缶やスチール缶などの金属缶の中にカギを入れ、缶のふたをしっかり閉めることで、通信が遮断されて外部から電波を拾うことが難しくなります。
出先で実践するには非現実的なので、主に自宅で保管する際に有効な方法だといえるでしょう。
電波を遮断するスマートキーケースも
ブリキ缶に近い効果が期待でき、出先でも使えるアイテムとして、電波遮断機能付きのスマートキーケースがあります。場合によってはメーカー純正のケースもあり、スマートキーの携帯性を損なうこと無く、防犯対策が可能という優れもの。
スマートキーケースのおすすめ製品についてはこちらの記事で解説しています。
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2.スマートキーの設定を買える
所有するスマートキーに微弱電波を出さないようにするモード(省電力モード、節電モードなど)がある場合、それを使うという方法があります。物理的に電波を遮断するブリキ缶と違い、スマートキーの設定が必要になります。
各メーカーごとに設定方法は異なりますが、レクサスのスマートキーは、施錠ボタンを長押ししながら開錠ボタンを2回クリックすると、微弱電波を発さなくなります。
ブリキ缶と違い、スマートキーの操作性を損なうことがなく、出先での実施に適しているといえます。
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スマートキーに使用されている電波の種類
スマートキーには極超短波(UHF/Ultra High Frequency)という電波が使用されています。

UHFの歴史は長く、最初に採用されたのは1999年のベンツに搭載された「キーレスGO」だと言われています。しかし、日本の電波法には適合せず、日本では販売されませんでした。ちなみにキーレスGOは、日本の自動車部品メーカー、アイシン精機キーによって開発された。キーを身につけるだけでドアを解錠できる機能です。
近年は別の電波の使用も視野に
近年登場しているコネクテッドカー(CASE)では、スマートキーの電波に近距離無線通信(NFC/Near Field Communication)を採用することも検討しているようです。
NFCとは、電子マネーやマイナンバー、免許証といったIC認証などに利用されている技術です。
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UHFとNFCで何が変わるのか?
UHFとNFCの最大の違いは通信範囲です。
UHFでは10mほど離れた場所から車両を解錠できる場合もあり、通信範囲はかなり広いといえます。
一方、NFCの通信距離は1m以下で、ICチップを利用してタッチパネルに接するような距離感でないと、微弱電波のやりとりができない程です。イメージとしては電車の改札に近い距離感です。
スマートキーではありませんが、NFCタグと呼ばれるシールが販売されており、これを使うとスマホとナビのBluetooth接続をさせたり、エンジン始動の2重ロックに応用したりできます。すでに自動車とNFC技術はかなり近いところまできていると言えますね。
コネクテッドカー(CASE)とIoT
今まで自動車のセキュリティは、カギさえ意識すればいいと考えられてきました。しかし、インターネットの接続、外部からの操作が可能になるコネクテッドカー(CASE)では、ネットワークを経由した攻撃に対してもセキュリティを考えなければならなくなるでしょう。
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「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)」により自動車が便利なものになっていく反面、厳重な管理や、ソフトウェアのアップデートが必要になるのは自明で、自動車独自文化ともいえるセキュリティの考え方から、PCやスマートフォンなどと同様のセキュリティ意識が必要になるのかもしれません。
自動車の進化を語る際、電動化やスマートフォンとの連携などに注目が集まりがちですが、無意識に使っているスマートキーも今後大きく進化する可能性を秘めています。
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- MOBY編集部