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【PS・HP・kW】1馬力はどれくらい?人間は何馬力?馬力の単位の違いも解説

【自動車用語をわかりやすく解説】馬力とは?から「PH・HP・kW」の表記の違い、人間は何馬力までをお伝えします。

トルクについて詳しく知りたい方はこちら!

馬力とは?

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馬力とは、「ある重さの物体を、どれだけの時間で、どれだけの距離を動かしたか」という「仕事率」を表す単位です。自動車では「最高出力」を表す際に使用されます。

エンジンで発生させたエネルギーにより、自動車ができるだけ短い時間で長い距離を移動できるかというスペックに関わるため、馬力と自動車は密接な関係にあります。

トルクと馬力の違い

馬力の他に自動車などにパワー数値を示す単位に「トルク」があります。馬力は「高い」「低い」と形容しますが、トルクは「太い」「細い」で形容される違いがあります。

ごく簡単に人間に例えて言えば、馬力は「足が速い」か「足が遅い」かの数値で、短距離走なら速く走れば走る人ほど「高出力」「高馬力」となります。対してトルクは「力がある」か「力がないか」で、重い物を持って走ることができればできるほど「トルクが太い」人となります。

このように、馬力は自動車の速度に大きく関わっています。スポーツカーが「高出力」「高馬力」をウリにしているのはそのためです。一般的にスポーツカーは高馬力(高出力)、トラックは低馬力かつ高トルクとなっています。

スポーツカーがトラックと同じ重さの荷物を積んだ場合、停止状態から進み始めるためのトルクが不足してしまい、トラックよりもスタートに苦労するでしょう。反対に、トラックをスポーツカー並みに軽量化しても、馬力が低いため最高速度はスポーツカーに届きません。

「馬力」の由来

「馬力」は、産業革命時代のイギリスの発明家 ジェームズ・ワットが考案した言葉です。


©Juulijs/stock.adobe.com

従来の蒸気機関に大きな改良を加え、全世界の産業革命に寄与したワットですが、当初は自身の開発した蒸気機関のパワーをどうやって宣伝するかについて悩んでいました。

そこで当時の紡績、織機、交通などの動力を担っていた”馬”に目をつけ、馬一頭の力で蒸気機関のパワー、すなわち仕事率を表現できるのではないかと考えます。ワットは馬に荷物を引かせ、1馬力を「75kgの物を1秒で1m動かす力」と定義しました。

後述しますが、イギリス馬力が「HP」となっているのは「Horse Power」の頭文字を取っているためです。

馬力の単位は主に4つが使われている

馬力といえば「マッスルカー
©Micah Jared /stock.adobe.com

馬力を表す単位は、国ごとに使用される単位系の違いや言葉の違いによって複数存在します。もっとも馴染み深いのは「PS」「PH」「kW」の3種類であり、それそれの計測単位が違うことで馬力の数値も異なります。

単位記号定義主な言語圏
HPヤードポンド法に基づく馬力英語
PSメートル法に基づく馬力日本語・ドイツ語
kW馬力計算の元となる
仕事率の国際単位
全国

「PS」はメートル法を用いて求められるため、メートル法の発祥国であるフランスにちなみ仏馬力とも呼ばれます。「PS」とはフランス語ではなくドイツ語で「馬の力」を意味する「Pferde stärke」の略称です。

「HP」はイギリス語で同じく「馬の力」を意味する「Horse Power」の略称です。イギリスが定めたヤード・ポンド法で求められるため「英馬力」とも呼ばれ、おもにイギリスとアメリカで用いられています。1HPは、仏馬力に換算すると1.01387PSです。

現在の主流は国際単位系の「kW」です。1999年以降は国際単位の使用が義務付けられたことで、自動車の諸元表などで馬力を表す際は「kW」が用いられ「PS」や「HP」などの馬力単位は併記されるようになりました。1kWは1.36PSです。

HP・PS・kW換算式

国によって馬力の単位が異なるため、スペックを比べる際には単位を揃える必要があります。以下はHP・PS・kWの換算式です。

1PS = 0.7355kW
1HP = 0.7457kW
1kW = 1.360PS
= 1.341HP

最高出力について詳しく知りたい方はこちら!

馬力を計算する方法は?

©Yoshiyuki/stock.adobe.com

馬力は以下の式で求められます。

仏馬力(PS)=トルク(kgf・m)×回転数(rpm)×定数(0.00136)

最高出力173kW(235PS)/7,000rpm、最大トルク250N・m(25.5kgf・m)/3,700rpmのトヨタ GR86を例に、最大トルク発生回転数時の馬力を算出すると、25.5kgf・m×3,700rpm×0.00136=131.7PSとなります。

仕事率である馬力は、大きなトルクを発生するほど、回転速度が速くなるほど大きくなります。また、エンジントルクは回転数などによって変動してするため、それに応じて馬力も変動します。

諸元表の最高出力とは、あくまでスロットル全開時の最高出力発生回転数のトルク値から算出された仕事率であり、最大トルク発生回転数が高く、許容最高回転数が高いエンジンほど馬力が高くなる傾向にあります。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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