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ポジションランプとは?交換方法や車検に通る色やカスタム
夜間の信号待ちでヘッドライトを消し、ポジションランプのみを点灯させるのは交通違反です。無用の違反切符を切られないためにもポジションランプの役割を知り、使い方とマナーを再確認しましょう。またLEDポジションランプに変えた場合の注意点や、ポジションランプの交換方法なども解説します。
ポジションランプとは?
ポジションランプは、車幅灯(しゃふくとう・しゃはばとう)とも呼ばれるように、車の前面両端に備わることで前方へ車の幅を知らせるためのランプです。
ランプとはいうものの照射能力は弱いため、ポジションランプはあくまでヘッドライト非点灯時に外部からの視認性を高めるための灯火であり、マーカーランプやスモールランプとも呼ばれています。英語圏ではクリアランスランプと呼ばれます。
古くは前面側方に単独で存在した車や、フロントウインカーと兼用の車もありましたが、現在では車のヘッドライトに内蔵されるかたちで搭載されるのが一般的です。また、近年はヘッドライトに内蔵された昼間走行灯(デイタイムランニングランプもしくはデイライト)と灯体が兼用される車も登場しています。
ポジションランプの使い方
多くの車のポジションランプは、ウインカーレバー先端のヘッドライトスイッチをオフの状態、もしくはオートの状態から1段階ひねることで点灯させられます。
ポジションランプ点灯時は、尾灯(テールランプ)も同時に点灯するため、前方だけでなく後方へも自車の存在を知らせることができます。またヘッドライトとも連動しており、フォグランプやロービーム・ハイビーム点灯時もポジションランプが点灯しています。
ポジションランプを使うべきシーン
ポジションランプは、まだヘッドライトをつけるほど暗くない夕暮れ時や、薄曇りや小雨時、日中のビル陰の走行時など、周囲が暗くなり被視認性の低下が懸念されるタイミングで使います。
ただしポジションランプの光は非常に弱いため、被視認性を高めるためにはヘッドライトを付けた方が確実です。そのため、運転中にポジションランプを単体で使う機会は少ないでしょう。
ポジションランプを使う際の注意点とマナー
夜間は原則としてヘッドライトの点灯が義務づけられているため、日没時から日出時までの時間帯は、どれだけ周囲が明るくともポジションランプのみでの走行は道路交通法違反です。また、信号待ちでヘッドライトを消し、ポジションランプのみを点灯させる行為も違反行為に該当します。
ただし、上り坂の信号待ちや踏切待ち時などでヘッドライトのロービームでは前方の車を眩しく照らしてしまうときや、交通を妨げる恐れがある場合にはヘッドライトを消してポジションランプにすることが認められています。
ポジションランプは、ヘッドライトを点灯させずともある程度の被視認性を確保できる装備です。周囲への安全配慮と思いやりの気持ちでポジションランプを上手に活用しましょう。
車検に通るポジションランプの条件とは?
光色が白であること
ポジションランプの光色として認められるのは、白色もしくは淡黄色です。ただし2006年(平成18年)1月1日以降に製造された車は白色のみと規定されています。方向指示器と車幅灯が兼用になったウインカーポジションランプの場合は、橙色の使用も認められます。
ランプの光色は、色温度の単位であるケルビン(K)で記され、白色を基準に色温度が低くなるほど黄色に近づき、高くなるほど青色が強くなります。
淡黄色や白色は3000Kから6500Kに相当するため、この範囲内の商品であれば車検はおおむね問題ありません。
消費電力は5W以上・光度は300カンデラ以下
ポジションランプは、夜間に300m前方から見て点灯を確認でき、かつ消費電力5W以上で光度が300カンデラ以下と規定されています。つまり、ポジションランプは明るすぎても暗すぎてもいけません。
2006年(平成18年)1月1日以降に製造された車の場合は、消費電力が5W以上30W以下と上限が定められています。
ポジションランプをLED化したら車検は通る?
LEDのポジションランプであっても、光色や明るさが適切であれば車検は問題なく通ります。LEDは白熱電球に比べて20倍以上の長寿命を誇るうえ、消費電力が1/5ほどに抑えられるため、デメリットがほとんど存在しない優れたパーツと言えるでしょう。
さらに黄色味がかった白熱電球のポジションランプを、鋭い光を放つLEDに変えるだけでも、ライト点灯時の印象がキレのあるものに変わります。
交換も簡単であり、ポジションランプのLED化はもっとも人気かつ手軽なカスタムとなっています。
LEDでも保安基準上では問題なし! しかし色や明るさには注意
LEDランプは指向性が強く、特定の角度から見た場合には極端に明るく見える反面、一定角度から外れると極端に暗くなる基本特性があります。とくに安価なLEDバルブほどその傾向が強くなるため、製品によっては車検に通らない場合があります。
この問題は、光を拡散させるレンズを備えた製品や、複数の光源を備える製品を選べば解消されます。ただし、高性能なポジションランプバルブほど値段が高くなります。
なお、車検に通らない青色や赤色のポジションランプや、極端に明るいランプも車検対応品に混じって販売されているため誤って購入しないように注意しましょう。これらの商品は競技用・ドレスアップイベント用の商品であって、公道走行時の使用は認められていません。
ポジションランプの交換方法と費用
多くの国産車のポジションランプバルブの規格はT10です。ただし、ウインカーポジションを採用する車や古い車、輸入車などは特殊な規格のバルブを採用していることがあり、量販店やホームセンターでは交換電球が購入できない場合があります。
また、特殊形状のデイタイムランニングランプを装備する車はランプ交換ができない場合があります。特殊な車で球切れを起こした場合はディーラーや専門の整備工場に修理を依頼してください。
自分でポジションランプを購入する際は、販売店の売り場に備わっている車種別電球適合表、もしくは取扱説明書のメンテナンスデータで適合する規格をしっかりと確認してから購入しましょう。
ポジションランプの価格は、2個入りで数百円の白熱電球から数千円ほどのLEDまで値段に大きな幅があり、高価な商品ほど高い性能を発揮する傾向にあります。
業者にポジションランプ交換作業を依頼した場合の工賃は500〜1,000円程度です。とはいえポジションランプ交換の作業難易度は低く、普段自分でメンテナンスをしない方でも簡単に交換できるため、作業工賃を節約することができます。
ポジションランプの交換手順
- ボンネットを開ける
- ヘッドライト裏側のソケットを半時計周りに半回転させてロックを外し、ソケットを引き抜く
- ソケットについているポジションランプバルブを引き抜き、新しいポジションランプを差し入れる
- 逆の手順でソケットを元に戻し、時計回りに回してロックをする
- 点灯確認
- ボンネットを閉じる
ヘッドライト裏のスペースが極端に狭い車の場合は隙間に手が入らず、周辺部品の着脱が必要になる場合があります。
また、走行直後はエンジンルーム内やヘッドライト周辺が加熱しているため火傷の恐れがあります。作業はヘッドライト周りが冷えた状態で行い、差し入れた手を保護するために手袋をして作業を行うようにしましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...