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OEM車とは?おすすめ車種5選・購入するメリット・デメリットなど解説
OEM車とは?
『見た目はほぼ同じなのに、エンブレムが別メーカー』というクルマを見かけたことはありませんか?そのクルマは、おそらく”OEM車”です。
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」の略で、「相手先ブランドの製造」などと訳される言葉。簡単にいえば、他社ブランドの製品を作ることを指します。
つまり、他社メーカーが開発・製造したクルマを提供してもらい、自社のエンブレムを付けて販売されるのがOEM車です。
有名どころでいえば、「トヨタ ルーミー」と「ダイハツ トール」。トールはダイハツが製造・開発を行っているクルマですが、トヨタではルーミーという車名で販売されています。
共同開発車とOEM車の違い
OEMとは別に、”共同開発”されているクルマもあります。
OEM車の場合、受託側が開発・製造を担当していますが、共同開発車ではメーカー同士がタッグを組んで開発を行います。
例えば「トヨタ 86」と「スバル BRZ」、「トヨタ スープラ」と「BMW Z4」などは、両メーカーが共同で開発したモデルです。
内外装の違いはもちろんのこと、足回りやステアリングフィールなど、”クルマの味付け”は各メーカーが独自に行っています。
OEM車を購入するメリット・デメリット
車体そのものは同じだけれども販売メーカーが違うOEM車。あえてOEM車を選ぶと何かメリットがあるのでしょうか。OEM車を購入するメリット・デメリットをご紹介します。
OEM車を購入するメリット
安く購入できる場合がある
まず最初のメリットは、“OEM車は安く購入できる可能性がある”です。
例えばスズキのジムニーは、OEM車であるマツダ AZ-オフロードになると中古相場がグッと値下がりします。
また、中古のみならず新車の値引き率も異なる場合があるので、メーカーにこだわらないなら、気に入った車のOEMを探してみるのもお得に新車を購入できる方法のひとつかもしれません。
納期が早まる可能性がある
実は新車購入時、同じ車種であってもOEM車の方が早く納車される場合があります。新車の納車遅れが話題となる中、人気車種がすぐに手に入る可能性があるのは、OEM車のメリットです。
なぜ早い納車が可能になるのかというと、OEM車は販売元にしてみれば他車の車。
自社でメインラインナップの車があれば当然強く宣伝はしないですよね?その結果在庫が残っている可能性があります。
そういった宣伝上の背景もあり、知名度が低いOEM車はディーラー在庫を抱えていることが多く、納車がスムーズになるというわけです。
好きなメーカーに乗り続けることができる
3つ目のメリットは、“好きなメーカーに乗り続けることができる”です。今まで車を特定のディーラーで購入していた場合、新しい車も同じ販売店で購入したいですよね?
特に、「車検やメンテナンスは信頼しているいつもの店舗がいい」という方も少なくないでしょう。
しかし、欲しい車が他メーカーだった場合、そうはいきません。そんなときに選択肢となるのがOEM車です。
すべてのメーカーに対応するOEM車があるわけではありませんが、“いつものディーラーで車を購入したいけれど、他メーカーの車が欲しい”という方におすすめです。
OEM車を購入するメリット
リセールが悪い
同じ車とはいえ、オリジナルと比べると人気が低いOEM車はリセールバリュー(売却価格)が安くなってしまう傾向があります。
そもそも販売価格が安かったり、中古車相場が安いわけですから、当たり前といえば当たり前ですね。
手放すことを考えず、大切に長く乗るのであれば大したデメリットにはなりませんが、将来的に売却して、その資金を元に次の車の購入を検討するような使い方をする方にはデメリットに感じることでしょう。
人気が低い
OEM車はオリジナルに比べて人気が低い車です。なので“人気車種に乗りたい”という欲求を満たしたい方にはOEM車はおすすめできません。
エンブレムが違うだけで全く同じ車なのに、どうしてそこまで人気に差が出るのかはわかりませんが、総じてOEM車は知名度も低く不人気車であることが大半です。
とはいえ、車自体はオリジナルもOEMも同じ完成度ですので、不具合やトラブルはほとんど起こりません。
人気を考えず、良い車が欲しい方にとっては全くデメリットにはならないでしょう。
国産のOEM車5選
国産で販売されているOEM車5選は以下の通りです。
- トヨタ ライズ(ダイハツ ロッキー)
- ダイハツ アルティス(トヨタ カムリ)
- スズキ ランディ(トヨタ ノア)
- マツダ フレア(スズキ ワゴンR)
- 三菱 デリカD:2(スズキ ソリオ)
トヨタ ライズ(ダイハツ ロッキー)
「トヨタ ライズ」は、「ダイハツ ロッキー」のOEM車。基本スペックは同じですが、フロントフェイスは若干異なっています。
OEM車のなかではダントツの人気を誇るクルマです。
- 最新「ライズ」中古車情報
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本日の在庫数 3777台 平均価格 222万円 支払総額 127~320万円
ダイハツ アルティス(トヨタ カムリ)
ダイハツの”最上級セダン”の「アルティス」。あまり知られていないクルマですが、「トヨタ カムリ」のOEM車です。
街中で見かけることはほぼなく、”激レア”のOEM車といえます。カムリは2023年12月に国内販売を終了することがアナウンスされており、同時にOEM供給されているアルティスも販売終了となります。
- 最新「アルティス」中古車情報
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本日の在庫数 1台 平均価格 239万円 支払総額 239~239万円
スズキ ランディ(トヨタ ノア)
「スズキ ランディ」は、「トヨタ ノア」のOEM車。以前は「日産 セレナ」からOEM供給を受けていましたが、2022年8月からノアのOEM車となりました。
ノアのグレードは「X」「G」「Z」「S-G」「S-Z」の5つ。一方でランディのグレードは「G」のみとなっています。
- 最新「ランディ」中古車情報
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本日の在庫数 49台 平均価格 158万円 支払総額 38~399万円
マツダ フレア(スズキ ワゴンR)
「マツダ フレア」は、「スズキ ワゴンR」のOEM車。グレードは柔和な印象を与える「XG」、スポーティさを演出する「XS」「XT」をラインアップしています。
ユーティリティはワゴンRに準じており、非常に使い勝手の良いクルマです。
- 最新「フレア」中古車情報
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本日の在庫数 585台 平均価格 80万円 支払総額 17~181万円
三菱 デリカD:2(スズキ ソリオ)
「三菱 デリカD:2」は、「スズキ ソリオ」のOEM車。デリカD:2がソリオ、デリカD:2カスタムがソリオバンディットに対応しています。
エクステリアの違いは、エンブレム類のみ。ボディサイズや広々とした室内空間など、ソリオと同じ実用性の高さを持っています。
- 最新「デリカD:2」中古車情報
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本日の在庫数 517台 平均価格 93万円 支払総額 19~295万円
OEM車を買うのに向いてる人
デメリットに対してメリットが大きいOEM車。だからといって誰にでもおすすめできるわけではありません。
もしかしたら“OEM車を購入して失敗した”という方もいるでしょう。せっかく車を購入したのに、OEM車だからという理由で後悔しないように、OEM車を買うのに向いている人の特徴をまとめてみました。
向いている人①:コストパフォーマンス重視の人
メーカーや、ブランドにこだわりがなく、コストパフォーマンスを重視する人はOEM車の購入に向いています。相違点といえばエンブレムしかないオリジナルとOEM車。
それでいて販売価格が安かったり、納車が早いのであればコストパフォーマンスはOEM車に軍配が上がります。
中には販売価格も納期もオリジナルと変わらないOEM車もあるものの、検討してみる余地はあるはずです。
向いている人②:人とは違う車に乗りたい人
OEM車はあえて人とは少し違う車に乗りたい人にも向いています。OEM車には、オリジナルにはない特別仕様のオプションが用意されていたりする場合があります。
ただでさえ知名度が低いOEM車が、OEM先メーカーの特別仕様車になっていれば、それはもう周囲の目を引く一台になっているはず。
恐らく街中で同じ仕様の車に出会うことも少ないでしょう。人とは違う個性的な車に乗りたい方は、OEM車の購入に向いています。
向いている人③:OEM先のメーカーにこだわりがある人
OEM先のメーカーにこだわりがある人にとっては、購入車種の選択肢が増えるのでOEM車の購入に向いています。
車好きの方に意外と多いのが特定のメーカーにこだわっている方。そんな方にとってはOEM車は貴重な存在です。
例えば、ダイハツが好きだけれどトヨタ プリウスαが欲しいと思えば、ダイハツ メビウスがありますし、スバルが好きだけれど、ダイハツ ムーブが好きならスバル ステラがあります。
このようにOEM設定があれば、こだわりのメーカーの車を選び続けることができるので、車種よりもメーカー重視なロイヤルカスタマーの皆様はOEM車の購入に向いています。
OEM車はダサい!?
OEM車はダサいのか、結論から言えばそんなことはありません。エンブレムを変えればオリジナルと同じ車両であるOEM車がダサいということは、オリジナルもダサいということになってしまいます。
ところが残念なことにOEM車がダサいという意見も少なからずあるのも事実です。
というのも、やはりOEMという考え方が日本にはあまり馴染みがなく、OEM車は“メーカーが自主開発していない車両”という否定的な見方が強いのでしょう。
実際、世界に目をやればOEM車が大量に発売されていますし、往年の名車“シボレー アストロ”もGMのOEM車です。
かつて日本で一世を風靡した車がOEMという理由でダサい車とはいわれませんよね?
つまり国産車のOEMがダサいという意見は、あまり車に詳しくない本当にごく一部のユーザーに言われているだけのことであって、OEM車はダサい車では全くないのです。
確かにOEM車はマイナーではありますが、立派に開発された国産車の一つです。ぜひ愛着をもって乗ってあげて欲しいですね。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...