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バイク免許の種類と取り方は?費用・取得期間の違いも解説!
目次
バイク免許は大きく分けて4種類!
一般的にバイクと呼ばれる免許区分は以下4つあります。
- 原動機付自転車免許(原付)
- 小型限定普通二輪免許(小型二輪)
- 普通自動二輪車免許(普通二輪、中型二輪)
- 大型自動二輪車免許(大型二輪)
バイクメーカーのヤマハが実施したアンケートによると、取得車数が最も多いのは普通二輪免許とのこと。次点で原付免許、大型二輪免許、小型二輪の順に取得されています。
4種類あるバイク免許の条件比較一覧表
それぞれの違いは以下の表のとおりです。
– | 原付 | 小型 | 中型 | 大型 |
排気量 | ~50cc | 51~125cc | 126~400cc | 401cc以上 |
年齢条件 | 16歳以上 | 16歳以上 | 16歳以上 | 18歳以上 |
AT限定 | なし | なし | あり | あり |
2人乗り | 不可 | 可※ | 可※ | 可※ |
高速道路 | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ |
法定速度 | 30km/h | 60km/h | 60km/h | 60km/h |
2段階右折 | ◯ | ✕ | ✕ | ✕ |
バイク免許4種類の中で最も上位なのは大型二輪免許で、二輪バイクであればすべて運転可能です。しかし、大型免許に関しては二輪免許の中で唯一、18歳以上しか取得できません。
※バイクの二人乗りをするためには、普通自動二輪または大型自動二輪のどちらかの免許を取得してから1年以上が経過している必要があります。
また、小型バイクでの二人乗りは、小型限定普通二輪免許だけでは禁止されており、普通自動二輪または大型自動二輪と同じ条件を満たす必要があります。
原付免許(~50cc)
原付免許は、一番手頃に取得できる運転免許です。原付は「原チャリ」とも呼ばれるほどミニサイズのバイクながら、自転車の延長としての活用や便利さがうけて、若者や主婦などに人気があります。原付免許で運転できる車種や条件、取得にかかる費用、免許取得までの日数について紹介します。
運転できる車種・条件
原付免許では、排気量が50CC以下のバイクが運転できます。原付免許の取得は16歳から可能です。ミニサイズのバイクのため二人乗りは不可で、時速30kmまでという速度制限が課せられています。原付バイク特有の運転ルールとして、大きな道路などの交差点では2段階右折の義務があります。
免許取得までの日数
原付免許取得までの日数は1日です。原付講習を行っている日であれば即日での取得が可能となります。原付講習と学科試験を別々に受ける場合でも、2日で免許を取得できます。
教習内容
原付免許は本格的なバイク免許や自動車免許と異なり、早ければ1日程度の拘束時間で取得できるのが魅力。適正試験や学科試験の合格者を対象に、実技を交えた教習が行われています。
ヘルメットの着用方法やバイクに備わっている機能の説明、運転姿勢の指導と、運転自体が初めてとなる人でもわかりやすい内容から始まります。少しずつ原付バイクに慣れる流れです。
基本操作を教えてもらったあとは、アクセルやブレーキの使い方を学び、発進停止、スピード調節、8の字走行でハンドルの切り返し方と、徐々に教習がレベルアップ。応用編として、合図を出すタイミングや進路変更、交差点でどう運転すべきか実技で学びます。
ひと通り実技学習を行ったら、ビデオや自己診断で安全指導を受けたのち教習は終了となります。所要時間は約180分(3時間)程度のケースが多いようです。
普通自動二輪小型限定免許(51~125cc)
小型二輪免許は、原付2種と呼ばれる普通小型二輪免許です。販売している車両が多く、いろいろなタイプから選択できるところが魅力です。小型二輪免許で運転できる車種や条件、取得にかかる費用、免許取得までの日数について、ご紹介します。
運転できる車種・条件
小型二輪免許では、排気量が125CC以下のバイクが運転できます。小型二輪免許の取得は16歳から可能です。排気量・車体とも大きくなり二人乗りも認められています。時速は60kmまで出せるので、一般道では車の流れに沿ってストレスなく走れます。原付バイク以上にクラッチ操作が必要なバイクが多いため、運転には慣れが必要です。クラッチ操作がないバイクのみ運転可能な、AT限定小型二輪免許もあります。
免許取得までの日数
免許取得の日数は、どのように取得するかで変わってきます。免許所得には最短6日間(AT限定5日)かかりますが、通学の状況により変わり、通常では数か月間かかります。一発試験の場合は、適性検査、試験、取得後講習、受取というプロセスで取得でき、3日から4日で取得が可能です。
教習内容
小型二輪免許の教習は、学科と技能に分かれています。学科教習ではバイクを運転するための交通ルールや運転マナーを学びます。技能教習では、スラロームやS字・クランクなどの課題を通じて制御方法を体験し、交通ルールに沿って円滑なバイク運転ができる技術を身につけていきます。普通自動車以上の免許所有者は学科が1時間ほど、技能教習を10時間ほど受講します。普通自動車免許を所持していない方は、学科で25時間から30時間、技能で12時間から15時間の受講が必要です。
一発試験の難易度
小型二輪免許の一発試験の合格率は2005年から2015年の10年間では4.1%から18.5%、平均受験回数は5.4回から24.4回ほどです。不慣れなコースかつ慣れていないバイクでの一発試験のため、難易度の高い試験といえます。
普通自動二輪免許(126~400cc)
普通二輪免許は中免と呼ばれる中型免許で、レーサータイプやオフロードタイプなどさまざまな種類のバイクを運転できることから、バイク免許の中でも受験者数が多い免許です。
運転できる車種・条件
中型二輪免許では、排気量が400CC以下のバイクが運転できます。中型二輪免許の取得は16歳から可能です。この免許証から高速道路も走行できるようになります。
免許取得までの日数
通学では最短で8日間(AT限定6日)ほどです。一発試験の場合は、適性検査、試験、取得後講習、受取というプロセスで取得でき、3日から4日で取得が可能です。
教習内容
普通自動車以上の免許所有者は学科が1時間ほど、技能が17時間ほどの教習を受けます。運転免許を所持していない方は、学科で25時間から30時間、技能で17時間から20時間を要します。
一発試験の難易度
中型二輪免許の一発試験の合格率は、2005年から2015年の10年間では3.3%から7.1%、平均受験回数は14.0回から30.3回となっていますので、難易度は相当に高いと言えます。車体が大きく重たいため、初めてのコースやバイクで試験を一発でクリアできる方は少なく、一発試験合格は狭き門です。
大型自動二輪免許(400cc~)
大型二輪免許はがあれば、すべてのバイクが運転できるため、バイク乗りたちの最終目標となる免許です。海外の大排気量のバイクに乗るためには、この大型二輪免許が必要です。
運転できる車種・条件
大型二輪免許では、排気量に制限がなくすべてのバイクが運転できます。ただし、AT限定免許の場合は650㏄までですので注意が必要です。また大型二輪免許を取得できるのは18歳からです。以前は一発試験のみでしか取得できなかったため、大変難しい試験だったのですが、現在では教習所を経て受験が可能になりました。
免許取得までの日数
免許所得には、最短6日間(AT限定5日)ですが、通学の状況により変わり、通常では数か月間かかります。一発試験の場合は、適性検査、試験、取得後講習、受取というプロセスで取得でき、3日から4日で取得が可能です。
教習内容
普通自動車以上の免許所有者は学科が1時間ほど、技能が31時間ほどの教習を受けます。運転免許を持っていない方は、学科で25時間から30時間、技能で35時間から40時間を要します。また、他の種類のバイクの免許を取得している方でも、技能として12時間から24時間ほど必要になります。
一発試験の難易度
大型二輪免許の一発試験の合格率は、2005年から2015年の10年間では14.3%から26.5%、平均受験回数は3.7回から6.9回のため難易度は高いといえます。しかし、小型・中型二輪免許よりは合格率も高くなっています。これは、小型・中型二輪での経験を積んだ方が多く受験していることによるものです。
バイク免許でかかる費用
バイク免許を取得するにはどれほどの費用がかかるのか、免許の種類ごとにリサーチして一覧表としました。
原付免許は早ければ1日で取得可能となっており、かかる費用の総額が1万円程度です。高校生のアルバイト代程度でも十分に足りるでしょう。
一方で、普通自動二輪小型限定免許以上の取得を目指す際、「運転免許センターで直接試験を受けて合格する」「教習所へ通い卒業する」という2種類の方法があります。
直接試験を受けるケースでは、教習所の費用は不要となるものの、実技試験を受けるための講習料と車両使用代がかかります。
教習所へ通うケースでは、直接試験と異なり教習所で二輪車の運転方法を十分な時間をかけて学べるのがメリットです。不安な人は教習所を卒業し、免許センターで筆記試験を受けるのが無難な選択肢となるでしょう。
教習所にかかる費用は、取得を目指す免許や取得した免許の状況により異なります。免許なしなら10万円から20万円程度、「普通自動車免許」などを取得した経験があれば7万円から15万円程度が目安です。
また、普通自動車免許以外にも、AT限定で二輪免許を取得していたなどの経験があれば、免許なしで通学するよりも教習費用が安くなるケースがあります。入校を申し込む前に、全国各地の教習所へ問い合わせてみるとよいでしょう。ただし、原付免許は「免許なし」の扱いとなるケースが多いため注意しなければなりません。
種類/項目 | 教習所費用 | 講習料 | 試験手数料 | 試験車使用料 | 免許交付手数料 |
原付免許(~50cc) | – | 4,500円 | 1,500円 | – | 2,050円 |
普通自動二輪 小型限定免許(51~125cc) | 130,000円~150,000円(免許なし)70,000円~90,000万円(普通自動車免許を取得済み) | 17,000円(教習所を卒業していれば不要) | 2,600円 | 1,450円 | 2,050円 |
普通自動二輪免許(126~400cc) | 150,000円~180,000円(免許なし)110,000円~130,000万円(普通自動車免許を取得済み) | 17,000円(教習所を卒業していれば不要) | 2,600円 | 1,450円 | 2,050円 |
大型自動二輪免許(400cc~) | 150,000円~290,000円(免許なし)180,000円~210,000万円(普通免許を取得済み) | 18,000円(教習所を卒業していれば不要) | 2,600円 | 1,450円 | 2,050円 |
※各価格は目安値、単位:円
普通免許を持っている場合のバイク免許の取り方
普通自動車運転免許の所有者が普通自動二輪や大型自動二輪などバイク免許の取得を目指すケースを解説します。
免許なしでバイク免許を受けるのと同様、以下の2種類の方法があります。
- 運転免許センターで実技試験を受け、適性検査に合格する
- 教習所を卒業して、運転免許センターで適性検査に合格する
教習所を卒業してから運転免許センターで筆記試験を受けるケースでは、以下の項目が免除もしくは簡略化されて取得までにかかる時間が短くなるメリットがあります。
- 第1段階の学科教習免除
- 第2段階の学科教習が大幅に簡略化される(例:免許なしであれば10時限のところを、1時限分のみ受ければ修了となる
- 卒業前の効果測定免除
既に普通自動車運転免許で交通ルールを学習し修了していることから、再び学び直す手間が省けるのが特徴です。もちろん、試験に合格してバイク免許を得た後は、普通自動車運転免許と同様、交通ルールを厳守して安全運転を心がける点は共通しているので注意しましょう。
そして、普通自動車運転免許を所有した状態で教習所へ通うメリットとしては、「一発試験」によるプレッシャーを回避できるのも注目すべきでしょう。
運転免許センターで実技試験に合格すれば、教習所にかかる費用を負担せずにバイク免許を得られる半面、実技試験中にミスが重なると不合格となるケースがあります。126cc以上から400㏄までの普通二輪(中型免許)や大型を運転するなら、教習所で時間をかけて技能教習を受けるのが賢明です。
バイク免許の取得を目指すなら、学科教習が大幅に免除される点を生かして教習所へ通うのが無難な選択となります。
なお、原付免許は、普通自動車運転免許で扱える車種に含まれるため、もし原付バイクだけを目的としているなら学科試験を受ける手間がなく、公道での運転が可能です。各都道府県にある警察では原付バイクの運転講習会を実施しているケースもあり、運転に自信がなければ受講するとよいでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。