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三菱のGDIエンジンはなぜ消えた?致命的な欠陥から中古車のメンテナンスまで
GDIエンジンを搭載した中古車のメンテナンスと注意点
GDIエンジンには、吸気バルブや燃焼室内にカーボンが溜まりやすい、という負の特徴があります。その結果インジェクターノズルやプラグが汚れやすく、アイドリングの不良やエンスト、マフラーからの黒煙などの諸症状が現れることとなります。
そのような状態を防ぐためには、常にエンジンルームをクリーンな状態に保つことが重要です。指定のプラグを使用し20,000kmごとには交換。スロットルボディも30,000kmごとには洗浄して、カーボンの汚れを落としましょう。
またGDIエンジンには、エンジンオイルの消費が早いという特徴もあります。そのためエンジンオイルは、短いスパンで交換することが必須になります。エンジンオイルの種類も、エンジンのシールを保護する作用のあるよな良質なものを使用し、ガソリンも常にハイオクを使用しましょう。
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三菱の現在の直噴エンジン
GDIエンジンが頓挫して以降、トヨタ、プジョー、メルセデスなど、世界中で多くのメーカーが、直噴エンジンの改良開発に努め実用化してきました。現在では、コンピューター制御によって燃料噴射の量やタイミングをコントロールして、プラグのかぶりやカーボンの付着も軽減できるようになっています。
そしてここへ来てようやく、三菱自動車もGDIエンジンの弱点を克服した直噴エンジンの開発に成功。2017年10月に欧州で先行販売された、コンパクトなSUV・エクリプス クロスに、1.5Lの直噴ターボが搭載されました。アクセルを踏んだ瞬間から反応する、直噴エンジンならではの反応の速さと、45度の急坂も登坂できるパワフルさが自慢です。
三菱としては市販車に載せるには早すぎたともいえるGDIエンジンですが、その技術や経験を活かし、現在の技術開発へと繋げているのです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...