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デフロックとは?役割や使いみちは?搭載車や使う際に注意すべきことを解説

「デフロック」とは、車で路面が未舗装の道路や沼地、雪道などの悪路を走るときに活躍するシステムです。沼地に車の車輪がハマって脱出できなくなった経験があるなら、デフロックのお世話になっているかもしれません。デフロックとは何か、役割や使い方、採用されている車種の紹介を交えて詳しく解説します。

デフロックとは?

@Grafvision/stock.adobe.com

デフロックは、左右の駆動輪で生じる回転差を作らないように、デフを直結してしまう機能を指します。

デフは、左右の駆動輪に回転差を作って、コーナーでの走行で小回りが利くように手助けをする仕組みです。エンジンが発生させた駆動力を、車体の前後をつなぐプロペラシャフトを通じて、デフの内部に装着されているサイドギアとピニオンギアを使い回転差を調整します。

しかし、悪路を走行していると、片方の駆動輪が沼地などにハマって空回りを起こす場面で「駆動力」を失う恐れがあります。空転している車輪でのみ駆動力が働き、もう一方の車輪へ力が入らなくなります。状態が悪ければ、車が動かなくなる現象が起こるでしょう。

デフロックは、デフを直結させて左右両方の車輪に駆動力が伝えられる機能です。通常であれば片輪が空回りを起こす場面でも、左右の車輪に力が伝わっているためもう片方の車輪も回転します。沼地などにハマっている状態から車を脱出させるのに役立つでしょう。

デフの役割とは?

@Cheri/stock.adobe.com

デフは、カーブや曲がり角で小回りを利かせなければならない場面で役立つものです。

デフには2種類が存在し、それぞれ特徴が異なります。こちらを先に理解できるとデフロックの仕組みがわかりやすくなるでしょう。

デフとは?

デフは「ディファレンシャルギア」の略称で、日本語で「差動装置」とも呼ばれています。加えて、「オープンデフ」とも表されるケースがあります。

車がカーブを走行する際、左右の駆動輪(エンジンが発生させた駆動力を生かし、転がる車輪のこと)で生じる回転差を調節できるのが特徴です。

車で使われる駆動輪は、左右で独立して回転しています。直進走行をしているときはいずれの駆動輪も同じ方向に向かって転がっており、回転に差がありません。

しかし、左折および右折のカーブを走行すると、車体左右についている駆動輪の走行距離が異なります。内側を走る駆動輪は距離が短く、外側を走る駆動輪は距離が長くなるような仕組みです。

デフが装着されていなければ左右の駆動輪は回転数が同じとなるため、カーブを曲がる際も遠回りをすることとなります。

左右の駆動輪に起こる回転差を上手に調節するために、デフの内部に組み込まれている「サイドギア」および「ピニオンギア」の出番です。

サイドギアにはドライブシャフトが差し込まれ、先端に駆動輪となるタイヤが装着される構造となっています。

一方、ピニオンギアは左右のサイドギアをつないでおり、カーブを走行していると左右の駆動輪の動きに応じて「自転」をします。左右の駆動輪の回転差を調節してくれるため、カーブの走行で小回りが利くようになる仕組みです。

センターデフとは?

デフには「センターデフ」(センターディファレンシャルギア)と呼ばれるものも存在します。

センターデフは、フルタイム4WD(四輪駆動)を採用している車に使われており、トランスミッションの近くにデフのパーツを配置し、前後の車輪へ駆動力を分配する仕組みとなっています。

前後で生じた車輪の回転差を調節する効果があります。加えて、トランスミッションの近く以外にも前後の車輪にデフを装着することが特徴です。

無駄なく4つの車輪へ駆動力を伝えられるようになり、カーブを走行するときの安定感に優れています。

デフロックの種類

ダイハツ ハイゼットトラックの「スーパーデフロック」作動イメージ

デフロックは、デフを直結させて左右の車輪に駆動力を伝えられる機能です。しかし、デフロックは搭載している車の駆動方式によって車体に組み込まれる位置が異なります。

この項目ではデフロックの種類を、車体に組み込まれる位置の違いも交えて解説します。

アクスルデフロック(フロント・リヤ)

「アクスルデフロック」は、デフを装着した車で使用されているシステムです。

車体の前輪および後輪のいずれかで、指定された駆動輪のみシステムが作動します。片方の車輪が空回りを起こした際にデフを直結し、もう一方の車輪へ駆動力を伝える仕組みです。

一部のオフロード車の入門グレードでは、デフロックが後輪のみ標準装備となっているケースがあります。

センターデフロック

「センターデフロック」は、センターデフを装着した車で使用されているシステムです。

センターデフは、無駄なく4つの車輪に駆動力を与えられる特徴があります。しかし、車輪のうち1つでもぬかるみにハマって空回りが起こると、残った車輪へ駆動力が伝わらなくなります。

空回りが起こっている状態でセンターデフロックを使用すると、駆動力がそれぞれ独立して伝わります。空回りをしていない車輪が動くことにより、ぬかるみから脱出できるようになる仕組みです。

センターデフロックは、フルタイム4WD(四輪駆動)を採用しているオフロード車の上級グレードに標準装備されているケースが多いです。センターデフを使用している車ならいっしょに装備されているかチェックするとよいでしょう。

デフロックを使うタイミング

トヨタ ランドクルーザー70のデフロックダイヤル

デフロックは、悪路を走行する場面で使うようおすすめします。

多くの車種で取り入れられているデフロックは、運転席のステアリングまわりに装着されているスイッチやダイヤルで電源のON/OFFが可能です。

電源を入れるとデフを使えなくなる仕組みで、駆動輪の回転数がどの車両も均等となります。一方、電源を切るとデフロックの効果が切れて、再びデフによる車輪の回転数調節が始まります。

走っている道路の路面が舗装されていない、あるいは土や泥など荒れた場所を走るなら、デフロックを使って走るとよいでしょう。

執筆者プロフィール
長谷川 優人
長谷川 優人
1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。

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