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エンジンオイルのグレードの見方|最新規格はSP規格

エンジンオイルのグレードとは?

©Avantgarde/stock.adobe.com

エンジンオイルのグレードとは、オイルの品質や性能のことです。

ガソリンエンジン用のエンジンオイルの種類は「5W-40 SN」「5W-30 GF-5」などと表記されます。このうち、グレード(規格)表すのは「SN」「GF-5」の部分です。

5W-40SN
GF-5
オイル粘度オイル規格(グレード)

S、Cで始まるAPI規格

API規格は、米国石油協会(API)とSAE、アメリカ材料試験協会(ASTM)の三者が定めた規格です。「SN」「SM」「CN」などの英字2文字で表記されます。

「CF」など、Cで始まるグレードのエンジンオイルはディーゼルエンジン用、Sで始まるオイルはガソリンエンジン用です。

GFで始まるILSAC規格

ILSAC規格は、日米の自動車工業会(ILSAC)が制定したもので、API規格に省燃費性能を加えたものです。

Mで始まるJASO規格

JASO規格とは、日本自動車規格(Japanese Automobile Standards Organization)が制定したもの。四輪・二輪・ディーゼル用に分かれています。

そのうち、「MA」など「M」で始まるグレードのエンジンオイルはバイクエンジン用です。

SP規格とSN規格の違いは?

API規格においては、2010年に制定されたグレード「SN規格」が最新でしたが、2020年5月に新たな「SP規格」が制定されました。

耐久性やスラッジの出にくさ、燃費のよさなど、ほぼ全ての性能で「SP規格」が上回ります。

エンジンの進化とともに最適な規格(グレード)のエンジンオイルが開発・調整されます。SP規格現在最新規格・最高グレードのエンジンオイルとなりますが、数年後にはまた更新されるでしょう。

ILSAC規格でも新規格「GF-6」が登場

ILSAC規格においても、これまでの「GF-5」よりも新しい「GF-6」が登場しました。

LSPIがほぼゼロに

LSPI(低速プレイグニッション)とは、点火前に燃料が着火してしまう異常燃焼のことで、直噴ターボエンジンの低速・高負荷運転時に発生します。

SP規格ではLSPIがほとんど起きにくくなり、いままでのエンジンオイルでLSPIが発生していた場面でも「GF-6」ではゼロに近い数字まで下げることができます。

スラッジの清浄分散作用がアップ

また、エンジン内部にスラッジ(すす)がたまること。これにより、エンジンがスムーズに回転しなくなったり、調子が悪くなってしまいます。

街乗りメインの車はエンジンオイルの温度が上がりにくいため、スラッジが発生しやすいという欠点があります。SP規格のエンジンオイルは、街乗りがメインの車におすすめのオイルといえます。

タイミングチェーンが摩耗しにくい

SP規格ではSN規格に比べて、タイミングチェーンを摩耗させにくくなっています。耐摩耗性は半分以下となり、エンジンそのものへの負荷が小さくなりました。

燃費が向上

SP規格、GF-6規格ともに、使用した場合の燃費に向上が見られます。このほか、エンジン清浄性など多くの面でも新規格のほうが優れているため、エンジンオイルを選ぶ際は「SP」「GF-6」がおすすめといえます。

執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...

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