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トーションバーとは?CR-Xにも採用されたトーションバースプリングについても解説
目次
トーションバースプリングを採用した代表車種
1958年から1970年まで12年間も製造され、日本の自動車の普及に大きな貢献をした「スバル 360」。現在の軽自動車の規格より二回りほど小さいボディに、最大限の居住空間を安価にもたらすため、トーションバーが採用されました。
ホンダ CR-X
1983年発売のホンダの小型乗用車「バラード CR-X」にはフロントサスペンションにトーションバーストラットと呼ばれる独特な機構が採用されました。
足回りの設計上の高さを低く抑えることで、低く構えたシャープなデザインを可能として、当時の若者の間でも「バラスポ」と呼ばれ人気を博しました。
トヨタ ハイエース
フロントにトーションバー式サスペンションを採用する現行型の車では、「トヨタ ハイエース」がもっとも有名といえます。
ワンボックス型の商用車・乗用車として世界中で活躍しており、前輪の上に座席が配置されるため、低いスペースに納まるトーションバーを採用することで、乗車空間を最大限確保しています。
カスタムベースとしても人気で、様々なアフターパーツが発売されています。
日産 NV350キャラバン
日産を代表するワンボックスカー「NV350キャラバン」にもフロントサスペンションにトーションバーが採用されています。 ハイエースとは永遠のライバル関係で、サイズや重量、価格もほぼ同じですが、販売台数ではハイエースが勝っています。
その理由はブランド力や、リセールバリュー、長年販売されてきた歴史の中で培われた信頼と実績といえます。
トーションバーの車高調整と交換の効果
トーションバースプリング採用車の車高調整方法
トーションバーの端部に連結されているアンカーアームの角度を変えることで、車高調整が可能です。そのためには、車体に固定されたトーションボルトのダブルナットを緩め、位置調整をした上で再度締め込みます。
このアンカーアームの調整は比較的簡単におこなうことができます。
しかし純正トーションバーでの車高調整には限界があり、ハイエースの場合には、2インチ(約50mm)ダウンが一般的な目安です。
トーションバーを交換して得られる効果
トーションバーを交換することで、サスペンションのストローク量や乗り心地を変化させることができます。
車高を下げる場合には、サスペンションのストロークを超えないように注意が必要です。純正トーションバーのまま過度のローダウンを行うと、ゴツゴツという突き上げで乗り心地は悪化します。
ローダウン時には適切なトーションバーに交換することで、適度にストロークを規制しつつ重心を下げ、安定した走りとスタイルを両立することができます。
トーションバースプリングが採用されなくなった理由
コイルスプリングの採用が主流になったことで、トーションバースプリングの採用車種は減少しています。
最大の理由は、現代においてトーションバーは乗り心地などの設計的な要求の高まりに応えることが難しいためです。
かつてフロントにトーションバーを採用していたトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」も、乗り心地の向上を主な目的として、現行型はコイルスプリングへ変更されました。
トーションバーは戦車にも多く採用
トーションバーを採用する意外な車には軍用車両である「戦車」があります。
戦車は重いものでは50tにも及びます。さらに、サスペンションそのものの重量を抑えながらも乗員やエンジンなどのスペースを確保する必要があるたえめ、その多くがトーションバースプリングを採用しています。また、一部の戦車では車体の姿勢を変化させるために、油圧式のサスペンションとトーションバーが併用されています。
近年ではあまり多く見られなくなってしまったトーションバーですが、いまだに身近なハイエースから巨大な戦車まで、現在でも採用されていることがわかります。
戦車についての記事はこちら
サスペンションについての記事はこちら
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 カー用品チーム