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赤切符・青切符とは|罰金支払い拒否できる?前科や一発免停・免許取消の条件

自動車で交通違反をした際に渡される、赤切符と青切符について、該当する違反行為とそれによって課される処分や罰金などを解説します。

赤切符・青切符の違い

赤切符青切符
違反点数6点以上6点未満
一発免停なるならない
前科つくつかない
自転車でも切られる切られない

赤切符と青切符における大きな違いは前科がつくかどうかです。赤切符・青切符とも「行政上の責任」「刑事上の責任」が生じ、違反者は違反内容によってそれに見合った金額を支払います。

赤切符を切られた違反者が支払うのは「罰金」で、前科がつくだけでなく、場合によっては懲役刑となるケースもあります。これに対し、青切符の違反者が支払うのは「反則金」で前科はつきません。ただし、反則金の納付をしないといった悪質なケースでは裁判・罰金刑の可能性もあります。

赤切符とは?

パトカー
©xiaosan/stock.adobe.com

6点以上の危険な違反に対する告知。一発免停の可能性も

赤切符とは、交通違反の中でも危険な違反(非反則行為)に対して発行される告知書で、通常は違反点数6点以上の違反に対して告知されます。赤切符と呼ばれるのは、告知書の用紙が赤いことに由来します。

中には一発免停にならない6点未満の違反も存在しますが、基本的に赤切符は一発免停処分のサインと捉えられます。

「罰金刑」または「懲役刑」の前科がつく

赤切符が交付されると、刑事裁判(略式裁判)により「罰金刑」が科せられるのが一般的です。

違反が重大もしくは悪質なものであれば、「懲役刑」が下されることもあります。どちらにせよ刑事罰が科されることで、前科がついてしまうのです。

赤切符を切られる交通違反

赤切符で一発免停・一発免許取消となる交通違反

交通違反名刑事処分行政処分
点数免許欠格
(前歴なし)(前歴なし)
1酒酔い運転5年以下の懲役刑
または100万円以下の罰金
35取消3年
2麻薬等運転
3妨害運転著しい交通の危険
交通の危険のおそれ3年以下の懲役刑
または50万円以下の罰金
252年
4酒気帯び運転0.25mg/L以上3年以下の懲役刑
または100万円以下の罰金
0.25mg/L未満3年以下の懲役刑
または50万円以下の罰金
13免停90日
5共同危険行為等禁止違反2年以下の懲役刑
または50万円以下の罰金
25取消2年
6過労運転1年以下の懲役刑
または30万円以下の罰金
7無免許運転191年
8仮免許運転違反6ヶ月以下の懲役刑
または10万円以下の罰金
12免停90日
9大型自動車等無資格運転
10速度超過50km/h以上6ヶ月以下の懲役刑
(過失の場合は3ヶ月以下の禁錮)
または10万円以下の罰金
一般道路
30km/h以上
6免停30日
高速道路
40km/h以上
11無車検運行6ヶ月以下の懲役刑
または30万円以下の罰金
免停60日
12無保険運行1年以下の懲役刑または
50万円以下の罰金
13大型車積載物
重量制限超過
(10割以上)
3ヶ月以下の懲役刑
または5万円以下の罰金
免停30日

*違反点数は、酒気帯び運転時の加算点数を考慮していません。

上記の表は、一発免停または一発免許取消となる6点以上の違反です。中には悪質な特定違反行為だけでなく、過労運転や速度超過といった気の緩みが原因となる違反もあります。

各交通違反名の簡単な意味は下記で解説します。

酒酔い運転

酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な運転ができない状態で自動車を運転すること。道交法違反ではもっとも罪の重い違反の1つです。

後述する酒気帯び運転とは異なり「呼気アルコール量」の計測数値は関係ありません。

酒酔い運転の違反となると、過去の違反歴の有無に関係なく一律、免許取消、取消後3年間は運転免許の再取得ができません。

麻薬等運転

麻薬等運転とは、麻薬や覚せい剤などを服用して、正常な運転ができない状態で自動車を運転する違反です。

妨害運転

妨害運転(妨害運転罪)とは、「あおり運転」を取り締まるため、2020年6月末から新設された新しい違反行為です。違反点数や行政処分は、酒酔い運転や麻薬等運転と同じ、最も重い部類に入ります。

車間距離を極端に詰める、急な進路方向を行う、急ブレーキをかけるといった危険行為を行った場合に適用されます。

酒気帯び運転

酒気帯び運転とは、呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が検出される状態で自動車を運転する違反行為です。血中アルコール濃度0.25mg/L以上では、処分がさらに重くなります。

※酒酔い運転と酒気帯び運転は、一般的にはどちらも「飲酒運転」と呼ばれていますが、道路交通法上の正式名称はこの記事で解説している通りの名称です。

共同危険行為等禁止違反

共同危険行為等禁止違反とは、2台以上の自動車や二輪車などで共同して危険運転を行い、道路交通の危険を生じさせたり、他人に迷惑をかける行為を指す違反です。

代表例として、暴走族の集団危険走行が挙げられます。

無免許運転

無免許運転とは、下記を対象とする違反行為のことです。

  • 運転免許未取得の状態で行う運転
  • 免停期間中や免許取消後に行う運転
  • 運転免許の有効期限が切れた後に行う運転や免許外運転(運転しようとする自動車種別の免許を持っていない場合)

過労運転

過労運転とは、疲労の影響により正常な運転ができない状態で自動車を運転する違反行為です。居眠り運転(安全運転義務違反)との境界線は明示されていません。

バスやタクシーなど業務における運転で事故を起こした場合、厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」に照らし合わせて、裁判で過労運転か否かを判定します。

仮免許運転違反

仮免許運転違反とは、「指定教習所の教習指導員」や「第一種運転免許を取得して3年以上経過した者」など、法律で定められた同乗者がいない状態で仮免許運転を行うという違反行為です。

大型自動車等無資格運転

大型自動車等無資格運転とは、以下の条件を満たさずに特定大型車を運転することを対象とする違反です。

  • 大型一種ないしは二種の運転免許を所有している
  • 21歳以上でかつ、通算して3年以上の免許経験がある

運転経験数や年齢を満たさずに運転した場合の違反となり、免許取得をせずに運転する無免許運転とは区別されます。

特定大型自動車とは、以下の条件を満たす車両を指します。

  • 車両総重量11トン以上
  • 最大積載量6.5トン以上
  • 乗車定員30人以上

たとえば、ダンプカー・ミキサー車・火薬類積載車・大型の緊急自動車(緊急用務時のみ対象)などが挙げられます。

速度超過(50km/h以上)

速度超過とは、制限速度を超えて走行した場合の違反となります。時速50km以上の超過では、行政処分と刑事処分の両方が課せられます。

「スピード違反」「速度違反」などと呼ばれますが、道路交通法上は「速度超過」が正式名称となります。

無車検運行

無車検運行とは、車検を受けていない自動車(自動二輪車も含む)を運転することを対象とした違反です。道路運送車両法違反の犯罪として刑事処罰の対象となります。

車検を受けたことがない場合はもちろん、車検証の有効期間が切れたいわゆる「車検切れ」で自動車を運転した場合なども無車検運行に該当します。

無保険運行

無保険運行とは、自賠責(強制保険)に未加入のまま自動車等を運転する違反です。

多くの場合、車検と同時に次の車検期間満了までの自賠責保険に加入するため、無車検運行の場合には合わせて無保険運行になるケースがほとんどです。

無保険運行の場合は、道路運送車両法ではなく、自動車損害賠償保障法の違反となります。

自賠責保険に加入していても保険証書を携帯していなかった場合、自賠責保険証明書不携帯として、30万円以下の罰金が科せられます。常にダッシュボードに入れておくなど車に備え付けておいてください。

大型車積載物重量制限超過(10割以上)

トラックなどで著しい過積載を行った際に該当する違反行為です。10割以上というのは、車両の最大積載量の2倍以上の貨物を載せている状態を指します。

一発免停にはならないが赤切符・免許証没収・刑事処分となる交通違反

交通違反名 刑事処分 行政処分
点数
1 保管場所法違反 道路使用 3ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金 3
長時間駐車 20万円以下の罰金 2
2 警察官現場指示違反 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金 2
3 警察官通行禁止制限違反  3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金 2
4 高速自動車国道措置命令違反  50万円以下の罰金 2
5 番号標表示義務違反 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金 2
6 混雑緩和措置命令違反 5万円以下の罰金 1

上記の表にある交通違反は、一発免停にはならない6点未満の違反です。点数が低いといえども、取締りを受けると赤切符を渡され、免許証はその場で没収となり、後日刑事処分で罰金刑を受けることになります。

各違反の概要は以下のとおりです。

保管場所違反

保管場所違反とは、道路上における同一の場所に12時間以上(夜間は8時間以上)駐車する行為を指します。たとえ駐車禁止でない路上だとしても、上記の時間が基準となります。

表の通り、駐車した場所が道路上か、それ以外であるかの違いによって違反点数が異なります。

警察官現場指示違反

警察官現場指示違反とは、警察官が危険防止措置のため指示した命令にそむいて車両を運転する違反行為です。たとえば、警察官の停止命令の無視や運転免許証提示を求められた際の拒否などがこれにあたります。

違反点数は2点で軽微な違反と思われがちですが、刑事処分となる重い違反です。警察官の指示に速やかに従わないと、赤切符を切られて免許証が没収されてしまいます。

警察官通行禁止制限違反

警察官通行禁止制限違反とは、交通事故や災害、事件その他の事情で交通の危険が生じる恐れがある時に現場の警察官が行う通行制限にしたがわないことを指します。

通行禁止のような標識があるところでの違反は反則金のみで済みますが、標識のないところで現場の警察官が通行禁止をしている場合での違反は刑事処分となり罪が重くなります。

高速自動車国道措置命令違反

高速自動車国道措置命令違反とは、指定された条件を満たす自動車以外で高速道路を通行する行為を対象とする違反です。

高速道路は高速かつ安全な走行を実現するために、歩行者の立ち入りや排気量が125㏄以下のバイクの走行が法律で禁止されています。

たとえば、原付で高速道路へ進入するのはこの違反にあたります。

混雑緩和措置命令違反

混雑緩和措置命令違反とは、渋滞をはじめとした混雑を緩和するために警察官が出す指示にそむく、または無視する違反のことを言います。

違反点数は1点ですが、赤切符交付・免許証没収となるので注意が必要です。

スピード違反で赤切符を切られるとどうなる?

©Ichiro/stock.adobe.com

一発免停になってしまうので注意!

スピード違反で赤切符を切られる、すなわち6点以上の違反となるのは、以下のケースです。

  • 一般道路で30km/h以上の速度超過
  • 高速道路で40km/h以上の速度超過

この場合には、以下の刑事処分と行政処分が課せられます。

  • 6ヶ月以下の懲役刑(過失の場合は3ヶ月以下の禁錮)または10万円以下の罰金
  • 30日または90日の免許停止処分(※前歴なしの場合)

いずれにせよ言えることは、スピード違反で赤切符を切られると、一発免停になるということです。

50km/h以上の速度超過は重い処分が

ただし、一般道路および高速道路において、50km/h以上の速度超過をした場合、違反点数12点、90日の免許停止処分という重い処分となります。

また、酒気帯び運転であった場合は、さらに処分が重くなります。

赤切符を切られた際の手続き

罰金
©sharaku1216/stock.adobe.com

減点ののち、免許停止または没収処分となる

赤切符を切られると、違反に応じた点数が加算されます。多くの場合、その時点で免許停止の最低基準となる6点に達してしまいます。

場合によっては、違反者を確実に出頭させるための担保として、その場で免許証が没収されることもあります。ただし、交付された赤切符が免許証代わりになるため、処分を受けるために出頭するまでの期間は運転可能です。

違反を認めると即罰金刑に

刑事手続が開始され、取り調べで違反を認めると、即罰金刑となります。略式命令(※)を受け、簡易裁判所に出頭して規定の金額を支払わなければなりません。

※罰金または科料を科す刑事手続(略式手続)をもとに裁判所が下す命令

違反を認めたくない場合は取り調べの後、裁判へ

「正当な処分ではない」「違反の事実などなかった」といった理由で違反を認めたくない場合は、略式裁判(※)に応じずに正式裁判で争うことになります。

前科一犯を逃れるために積極的に戦うことも重要ですし、正式裁判のように時間と費用がかかる選択肢を避けるのも一つのあり方です。

※検察官の提出した書面により審査する裁判手続

自転車で赤切符を切られることも!

横断歩道と自転車通行帯の表示
©Kohei Eguchi/stock.adobe.com

自転車には免許制度はありませんが、危険行為をした上にそれがとくに悪質だと警察官に判断された場合には、赤切符が切られることもあります。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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