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首都高の走り屋「ルーレット族」の事故がやばかった!コロナ禍で再登場&取り締まりは?
目次
走り屋・ルーレット族とは?
走り屋とは?
「走り屋」と聞いたらどんなイメージを思い浮かべますか?
公道を法定速度を無視して走る、違法改造を施した車で騒音を立てながら走るドライバー、というイメージを思い浮かべた方もいるかもしれません。
あるいは、レーサーとして活躍した、元走り屋の土屋圭一さんや織戸学さんなどが思い浮かんだ方もいるかもしれませんね。
「走り屋」というワードには厳密な定義は実はありません。しかし、以下のような複数の意味を持っています。
- 走り屋とは、峠や高速道路等で、法定速度を大幅にオーバーして無謀な運転をしてるドライバーたち
- 周りに迷惑をかけているということを認識していない、もしくは認識していても迷惑をかけないように努力をしていないドライバーは悪い意味での走り屋
- もちろん、周りに迷惑をかけたり公道で無謀な運転をするドライバーだけでなく、車を走らせること自体が好きで、サーキットなどで走行を楽しむドライバーも走り屋と呼ばれる
- 走り屋は車好きであるが、車好きが必ずしも走り屋であるわけではない
走り屋のほとんどは運転技術を磨きたいドライバーで、蛇行運転や低速走行を繰り返し周りに迷惑をかける、いわゆる暴走族とは全く異なるものと言えます。
ルーレット族とは?
ルーレット族とは、首都高速都心環状線を法定速度を無視して集団で走るドライバーたちのことです。芝浦、辰巳、箱崎などのパーキングエリアに夜集まり、そこを起点に周回を重ねていました。
走行速度が平均200km/hを超える程の速度で走るドライバーもいたそうです。
名前が付けられたのは平成初期の頃。当時は国産メーカーもまだ積極的にスポーツタイヤを開発・販売していました。
関西では、阪神高速1号環状線などの高速道路を周回している暴走ドライバーがいましたが、こちらは「環状族」と呼ばれました。
ルーレット族に人気の車種は?
環状線でよく見かける車種は、コーナリング性能に優れたRX-7やシビック、S2000などの国産スポーツカーだったようです。
一方、湾岸線は、直線が長くパワーが必要となるため、スープラやGT-R、さらにはコルベットなどのアメリカ車やポルシェやフェラーリなどのスーパーカーまで、大排気量の車が多く走っていました。
ルーレット族のヤバすぎる事故のエピソード
2002年11月、首都高速湾岸線の東行き・空港中央ランプ付近で、走行車線を走っていた28歳男性が運転する車が出口車線との分岐点に設置されたサンドクッションに激突。出口車線にスピンしながら弾き飛ばされ、街路灯に衝突した勢いで大破するという大きな事故がありました。
この事故で、運転していた男性は車外に放り出され放り出された衝撃で頭を強打し即死、助手席に座っていた女性は車が街路樹に衝突した際、車体と柱に挟まり即死しました。
この時、車は数度の衝突によりほとんど原型をとどめておらず、平面近くになるまで大きく破損していました。
ルーレット族のやばい暴走動画集
関西・環状線を走る「環状族」と呼ばれる人々の動画です。
鈴鹿サーキットでは昔からシビックによるワンメイクレースが行われていたこともあり、シビックが走り屋の中でも高い人気を博しています。
動画内では実際に環状線を走り続けるドライバーがインタビューに答えていますが、環状線を走ることは「この世のどんな薬物よりも中毒性がある」と答えています。
やはり一度、深夜の環状線にこだまする甲高いエンジン音とそのスリルを体感してしまうと、逃れられないほどの虜になってしまうのでしょうか。
取り締まりが強化されたルーレット族の現在は?
2007~2008年元旦:初日の出暴走対策を実施
2007年の大晦日から2008年の元旦にかけて、警視庁は首都高速都心環状線を暴走するルーレット族に対しての取締り検問を行いました。
初日の出暴走対策で、国交省による不正改造車の街頭検査を伴う首都高速での取締りが行われたのは、この時が初めてでした。抜本的なルーレット族撲滅対策がいよいよなされたようです。
以来、ルーレット族の数は減少しているようで、警察によると今では全盛期の十分の一にまでその数は減ったとのこと。
そもそも若者の車離れも進み、走り屋そのものが減っているのかもしれませんね。
2020年4~5月:コロナによる外出自粛でルーレット族が復活?
平成半ばからの取締以降、数が激減したと言われていたルーレット族ですが、2020年のコロナ禍のさなか、復活したという声がありました。
東京都に緊急事態宣言が出されたことをきっかけに、外出自粛ムードで首都高速の交通量は激減。もともと交通量が少ない深夜帯はさらにガラガラとなったこと、自粛モードで鬱憤が溜まっていたことなどもあり、深夜の首都高速での暴走が目立つようになったといいます。
これは、近隣住民からの騒音苦情や、ドライバーからのあおり運転への通報、首都高でのカーブやジャンクションでの単独接触事故が増えていることからも明らかなようです。
実際に2020年5月28日、緊急事態宣言が出されていた4月中に首都高速を制限速度の50km/L以上で暴走したとして、大学生らが書類送検されています。
現在の首都高速のルーレット族対策
移動式オービスの稼働
首都高速道路にはオービスがいくつか設置されていますが、走り慣れている人なら場所をある程度把握しています。
2019年から、1人でも持ち運びができる新型の小型移動式オービスが配備されはじめました。現在、首都高でも稼働が始まっています。
この新型移動式オービスは、固定式オービスのように取締り場所の手前で「自動速度違反取締路線」の看板がないのが厄介です。さらに、一発免停とならない青キップレベルの速度違反でも光ってしまいます。
毎週土曜日に暴走族対策本部を設置
警視庁は、毎週土曜日と、特別な走行情報等を入手した場合に、「暴走族対策本部」を設置します。首都高速に限った対策本部ではありませんが、高速道路交通警察隊を集中的に運用するとしているため、ルーレット族や暴走対策も重点的に行われます。
辰巳、箱崎、芝浦などのパーキングエリアの封鎖
首都高速の辰巳、箱崎、芝浦パーキングエリアには、深夜になると車好きたちが集います。いわゆる集会やミーティングが行われることで、トイレ休憩や仮眠など本来の目的での利用者の妨げになってしまうことも。
こうした事態を防ぐため、首都高速道路株式会社と警視庁はパーキングエリアを封鎖する場合があります。実施されることが多いのは土曜日の深夜。「辰巳第1」「辰巳第2」「箱崎」「芝浦」パーキングエリアは特に注意しましょう。
また、違法改造車摘発のためにパーキングエリア内での検問も実施しています。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...