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残クレは損?途中解約はできる?通常ローンや個人カーリースと比較
車を買うのではなく「借りる」という選択肢が一般的になってきた
昨今、車の買い方(所有方法)が多様化しており、車は個人が所有するものという概念は、既に崩れかかっています。現在では買う(所有する)以外にも、車を日常生活の中で使用する方法はたくさんあるのです。
その多くが、買うのではなく「借りる」という選択肢。個人向けのカーリースや、カーシェアリング、車のサブスクリプションサービスといった新しい車の保有形態のことです。
車を借りると言っても、その期間は様々です。使いたい時だけ、長くても数日使えればいいという場合はレンタカーやカーシェアリングで事足ります。年単位での利用を考える場合には、カーリースやサブスクがおすすめです。
近年増加した個人向けのカーリースや車のサブスクリプションサービスは、一般的な自動車ローンや残クレ(残価設定ローン)の料金と比較されることがあります。
自動車ディーラーでは必ずといっていいほどおすすめされる残クレですが、今の自動車保有形態に適していると言えるのでしょうか。
残クレのメリットは?通常ローンとの違いは?
残クレとは、通常の払いきりローンと異なり、ローンの終了時期に残存する(であろう)愛車の残存価値分を、ローンの毎月支払い分に含まず、月払いしていくローンです。
例えば、車両本体価格100万円の車が、3年後に30万円の価値があるとすると、残価は50万円。金利をゼロと仮定すれば、3年間のローン期間中に支払うのは100ー30(万円)の70万円分となり、毎月の支払いは2万円(70÷35)です。
上記の例を、通常の払いきりローンで行うと、毎月のローン支払いは約2.7万円(100÷36)となりますので、残価設定ローンの方が月々のローン支払いが安くなることが分かると思います。
残価設定ローンでは、最終回支払(上記の例では36回目の支払)時に、車を返却して残価(ローン残高)と相殺するか、残価を支払う(一括・分割払い)手続きをとり、愛車として乗り続けるかを決めることができます。
そのため、数年後に「買い替え」と「継続して乗る」どちらの選択も可能であることから、残クレは便利な支払い方法と言われることもあります。
しかし、その利点が分かっていないと、ローンやリースよりも割高になったり、残クレのループにハマったり、高い金利を払い続ける必要が出てきたりと、散々なことになるかもしれません。残クレは、仕組みを十分理解した上で利用すべきでしょう。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...