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残クレは損?途中解約はできる?通常ローンや個人カーリースと比較
実状比較!残クレVSローンVSサブスク
では、どういったカーライフプランがあれば、残クレの便利さを享受できるのでしょうか?
トヨタ ヤリスクロスをベースに、それぞれの支払い例を見ていきましょう。
検討車両はヤリスクロスのガソリンGグレード(202万円)。フロアマット(14,300円)のオプションを装着しました。ローンやサブスクの契約期間は5年です。頭金はゼロとしました。
通常ローンの場合、月々支払は37,300円(初回41,676円)の60回払いで、車両代金は払い終わります。
残クレの場合、月々支払は22,800円(初回27,205円)の59回払いで、60回目の支払い時に残価の808,000円をどうするか考える必要があります。
上記2例は、車両本体金額とオプション、購入時の税金を考えた場合の金額です。この金額に加えて、車に乗るには任意保険、自動車税、車検や各種点検費用が最低でもかかってくることになります。
月々の支払に加えて、税金の払込のタイミングや点車検の時期に出費が発生するのです。
次にトヨタのサブスク『KINTO』で同様のヤリスクロスを契約した場合を見ていきましょう。
KINTOでは5年の月額利用料が41,250円です。ただし、ローンと違うのは、この月額利用料の中には、任意保険、自動車税、車検・点検費用等が全てコミコミであること。月々の支払は通常ローンや残クレより高くなりますが、この費用さえ毎月用意できさえすれば、5年間はイレギュラーな出費を気にせずにすみます。
もし、ヤリスクロスを5年しか乗らないことが確定しているなら残クレやKINTOを選ぶ方がいいでしょう。両者で迷う場合は、5年という期間が確定しているか否かで考えると答えが見えてきます。
つまり、契約期間の5年以内に車を手放す可能性がある場合は残クレ、5年間使うことが確定しているならサブスクが良いと思います。
また、車に乗る人の年齢が若く、車を使用する期間が決まっている場合には、サブスクがお得です。若いドライバーの場合、任意保険料が高額になりますが、サブスクでは任意保険料は契約に含まれているので、高い保険料を払う必要がないからです。
元ディーラーマンが教える“残クレの有効な使い方”とは
前述の通り、残クレの良いところは、様々な状況に合わせて車を持ち続けたり手放したりできること。ただし、この選択ができるのは、残価を返済できる財力を、将来的に持てる人(もしくは現在持っている人)のみと思ったほうがよいでしょう。
支払い満了を迎えたときに手元に資金が無い場合、ローンを無くすためには車を手放す必要があります。車を残すこともできますが、この場合は高い金利でローンを組み直さなければなりません。
さらに、こうした人は車を手放して次の車に乗り換える場合にも、下取り車や頭金が無く、さらに高いローン契約を組み直すというケースも多いのです。
そこで、筆者が実際に使用し、過去に対応してきたお客様にもおすすめしていた方法をご紹介します。
前項のヤリスクロスの場合、通常ローン5年の月々支払は37,300円、残クレでは22,800円でした。その差は14,500円です。
残クレを契約したら、この差額を毎月貯金してください。14,500円の貯金を60回続けると87万円になります。この金額は残クレの残価808,000円を上回ります。
ヤリスクロスに5年以降も乗り続けるなら、貯まった87万円でローンの残りを支払います。5年満了時に買い替えをするなら、ヤリスクロスは返却し残債と相殺。手元に残る87万円は次の車の頭金に使用できます。
これが筆者がおすすめする、残クレの返済金額が少ないことを利用した、心の負担が少ないお金の貯め方です。
繰り返しになりますが、残クレの利用しやすさや融通の利きやすさは、あくまでもお金がある程度手元に残っていることが前提です。
今回の場合では、毎月2万円とちょっとという残クレの安さに飛びつくのではなく、「通常ローンの約4万円を毎月支払っているつもりで貯金もしていく」というのが賢い使い方といえるでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...