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【陸自の軽装甲機動車が欲しい】驚異のスペックと払い下げ購入情報まとめ
自衛隊の軽装高機動車の脅威のスペック
自衛隊の軽装甲機動車の基本構造は、ランドクルーザーなどの市販SUVと同じく、エンジンをフロントに置いた4WDとなります。
乗員4名はそれぞれ前後2列のシートに2名ずつ乗車し、
乗員の乗り降りは4ドアセダンのように前後左右に配置された4枚のドアから行います。
操作は装甲車と言っても通常の乗用車と変わりがありません。
普通車の免許を持っている人なら特別な訓練なしで問題なく扱えるように設計されています。
トランスミッションはATを採用していますので、AT限定免許の人でも運転ができます。
実際に軽装甲機動車の運用を担当している自衛官に話を聞いたところ、「車重が重い(全備重量:4.5t)ので制動時には若干の注意が必要ですが、操作そのものは市販のクロカン4WDと変わりがありません。オフロードでもオンロードでも普通のクルマのように運転できます」と語っていました。
軽装甲機動車の車両としての基本性能は高機動車に近いのですが、画期的な点は装甲を施していることです。
もちろん、装甲つきとは言っても戦車と正面切って戦闘できるほどの能力はなく、7.62mmクラスの小銃弾に耐えられる防御性能しか持ちません。
しかし、装甲車両を持たない歩兵部隊やゲリラ・コマンド部隊と対峙する場合には、軽装甲機動車の防御性能は自衛隊部隊の戦力を飛躍的に向上させてくれることでしょう。
1993年にソマリアの首都モガディシュにおいて米軍とソマリア民兵とのあいだで発生した「モガディッシュの戦い」(映画「ブラックホークダウン」の題材になった戦闘)では、非装甲のハンヴィーで構成された地上部隊が敵の民兵の攻撃で甚大な被害を被りました。
こうした都市部での不正規戦闘(ゲリラ戦)においては、軽装甲機動車の防御性能は真価を発揮するはずです。
そうした意味において軽装甲機動車は、2006年から自衛隊の本来任務となった海外派遣任務に適した車両とも言えます。
軽装甲機動車のスペック
全長:4,400mm
車幅:2,040mm
車高:1,850mm
車重:4,500kg
エンジン:いすゞ製4.8L水冷直列4気筒ターボ・ディーゼル
最高出力:160ps
最高速度:100km/h
航続距離:500km
乗員:4名
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自衛隊の軽装高機動車“改”
国際派遣仕様の軽装甲機動車
自衛隊の軽装甲機動車にはバリエーションが存在します。中でも一部で「軽装甲機動車改」と呼ばれているのが、2003年の自衛隊イラク派遣から運用されている国際派遣仕様です。
改修ポイントは
(1)上面ハッチ全周をカバー可能な装甲板の追加。
(2)上面ハッチの機関銃手をワイヤートラップや切れた電線から保護するためのワイヤーカッターの追加。
(3)側面と後方の防弾ガラスを7.62mm小銃弾に耐えられるように強化。
(4)予備タイヤや燃料缶用のラックの追加。
(5)ラジエーターなどを砂塵から防護するための改修。
(6)ボディカラーを2色迷彩からオリーズドライブ1色に変更(迷彩仕様の車両も確認されています)。
の6項目になります。
これらの改修が施された車両は国際活動協力隊にのみ配備されていますが、防弾ガラス強化や後部ラック追加などが施された車両は全国に配備されています。
航空自衛隊仕様の軽装甲機動車
この他のバリエーションとしては、無線機を強化した指揮型、現場改修と思しき12.7mmM2重機関銃搭載型、車体後部に担架を詰めるようにした走行救護車などが存在しています。
空自の基地警備隊に配備されている軽装甲機動車は、オリーブグリーンの単色塗装となり、車体前部に桜と翼が組み合さった航空自衛隊のマークがペイントされています。
性能的には陸自型とまったく同じです。
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自衛隊の軽装高機動車の払い下げ
自衛隊は民間への車両払い下げを行っていないため、原則として一般ユーザーが軽装甲機動車を手に入れることはできません。
従って中古車の流通も皆無です。
自衛隊の軽装甲機動車は、装甲車両と言うことで用途廃止後の管理が厳格なため、自衛隊仕様のジープやトラック、高機動車、オートバイと違って、マニアがスクラップとして入手し、修復した例は存在しないようです。
自衛隊の軽装高機動車の購入はできるのか?
軽装甲機動車についてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?
自衛隊車輛は民間への販売はされておりませんし、前述の通り、軽装甲機動車のような装甲車は用途廃止後も管理が厳格なため、一般人がスクラップやパーツを入手することも難しいようです。
そのため、軽装甲機動車は新車・中古車のいずれでも購入はできません。
仮に一般に販売されたとしても、自衛隊への納入価格は1両当たり3,500万円と大変に高価です。
庶民にはおいそれと買える金額ではありません。
どうやらプラモデルやミニカーで我慢するしかないようです。
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