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サイドカーの運転に必要な免許とは?犬を乗せても法律的に大丈夫?税金や車検、任意保険も
目次
サイドカーとは?
サイドカーとは、オートバイや自転車の車体側面に人や荷物を載せるための一輪の運搬車(側車)を取付けた三輪車、もしくは横に取つける運搬車そのものを言います。
日本語では側車付自動二輪/側車付自転車とも言い、側車のつかないオートバイのことを現在でも「単車」と呼ぶのは、サイドカーが一般に普及して時代の名残です。
この記事では、オートバイに側車をつけたサイドカーについて解説いたします。
サイドカーを運転するために必要な免許
サイドカーの構造によって運転に必要な免許は異なります。
側車部分を外しても走行できる排気量50cc以上のサイドカー
排気量50ccを超える側車部分を外しても走行できる構造のサイドカーは、法律上はオートバイとして区分されるため、「排気量に準じた自動二輪運転免許」が必要になります。
つまり、400cc以下のサイドカーを運転する場合は普通自動二輪免許が、401cc以上のサイドカーを運転する場合は大型自動二輪免許が必要となります。
側車部分を外して走行できない排気量50cc以上のサイドカー
排気量50ccを超える側車部分を外して走行できない構造のサイドカーは、法律上は三輪自動車に区分されるため「普通自動車免許」以上が必要になります。
この場合、普通自動車免許は車両総重量や積載量の制限を受けますが、排気量の制限はないため、市販されているすべての側車部分を外して走行できない構造のサイドカーが運転できます。
なお、この構造のサイドカーのみ、ヘルメットの着用義務はありません(安全のため装着が望ましいですが)。
50cc以下のサイドカー
道路運送車両法施行規則で第一種原動機付自転車区分される50cc以下のサイドカーは、原付免許で運転することができますが、側車をつけても乗車定員は1名のままで、法定速度も30km/hのままになります。
【注意】側車部分に人が乗るには条件あり!
前述したように、50cc以下の原付免許と小型限定自動二輪免許では2人乗りが禁止されているように、側車部分に人を乗せることはできません。
サイドカーには犬は乗せてもOK?
サイドカーに犬を乗せて走行することは問題はありません。道路交通法では動物は荷物と同じ扱いになります。法律上はペットの乗車規制はなく、安全が確保されていれば犬をサイドカーに乗せてもOKです。これは原付バイクでも同様です。
ただし、走行中に犬が暴れたり、飛び出したりする危険性があるため、リードを短くして側車に繋ぐなどの対策は必要になるかと思われます。
サイドカーを運転する際の注意点
サイドカーは左右非対称な乗り物ですので、右旋回と左旋回で旋回特性の差が大きいだけでなく、直進でも加速や減速で大きなヨーモーメントが発生します。
わかりやすく言うと、加速時は重心による影響を受けて側車側に、減速時はヨーモーメントが発生するために車体側にハンドルが取られます。
そのため、サイドカーの基本的なハンドルポジションは、脇を閉めて肘を絞り、手のひらでグリップを前方へ押し出すようにしてハンドルを操作します。
また、サイドカーはコーナーリングで遠心力を受けて内側の車輪が浮く場合があります。側車側に旋回する場合は側車が浮き上がりやすく、回復不能な状態になると転覆事故を引き起こしやすくなります。
本車側に旋回する場合は安定性が比較的確保されますが、本車の後輪が浮き上がると操縦不能になり、最悪の場合は前転事故につながります。
コーナー手前での減速の怠たりや、ラフなハンドル操作は事故のもとです。サイドカー運転に慣れるまでは、側車側に砂袋などを積んでおくと良いようです。
また、サイドカーは車両重量が重くなるため、オートバイよりも制動距離が長くなります。車間距離を十分に取り、安全な速度で走行する必要があります。
サイドカーの税金と車検、任意保険
排気量50ccを超える側車部分を外しても走行できる構造のサイドカーは、税金や車検は当該する排気量のオートバイに準じたものになります(250cc以下のサイドカーは車検がありません)。
排気量50ccを超える側車部分を外して走行できない構造のサイドカーは、税金や車検は三輪自動車と同じ扱いになります。
任意保険については「側車付オートバイ」での契約が必要となります。
なお、運転者の年齢が20歳以上で免許取得後3年以上が経過していることが、オートバイで高速道路をふたり乗りできる条件となっていますが、サイドカーの場合は年齢や免許取得年数に関係なく、乗車定員の範囲内で高速道路を走ることができます。
有名なサイドカーのメーカーは?
ウラル
世界で唯一のサイドカー専用メーカーのウラルは、1939年にスターリンが将来的に欧州戦線が開くことを鑑みて、機動性の高い軍用モーターサイクルの開発を命じたことにより始まりました。
BMW
ドイツの自動車メーカー、BMWが第一次世界大戦後に、オートバイ用エンジンの生産を始め、続いてオートバイ自体の生産を始めました。その後、第二次世界大戦の間にサイドカー付きのR75を生産しました。
現在は自動二輪車生産販売部門のBMWモトラッドが全ての開発、販売、生産活動を行っています。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...